GM、アメリクレジットを買収
米ゼネラルモーターズと、アメリカの独立系自動車金融大手のアメリクレジット(NYSE: ACF)は、米東部夏時間の7月22日、GM車のリースおよびサブプライム自動車ローンへの顧客需要の高まりに対応するため、GMがアメリクレジットを現金約35億ドルで買収することで最終合意に達したことを発表した。
GMの会長兼CEOのエドワード・ウィッテカーは、「この買収によって、GM車の購入を考えている消費者向けのローン選択肢の幅が広がり、世界一の車を設計、製造、販売するという我々の取り組みが強化される。アメリクレジットが我がチームの一員になったことで、自動車ローンの提供におけるGMの競争力が高まる。アメリクレジットの仲間入りを非常に喜ばしく思う」と述べている。
アメリクレジットの買収によって、GM専属の融資部門の要が築かれ、GMは融資提供においてよりいっそう充実した選択肢を顧客に提供することが可能となる。それと同時にGMとアメリクレジットには大きな成長機会が創出される。両社が2009年9月に開始したサブプライムプログラムは成功を博し、以来、GMのサブプライム市場は大きく拡大している。また、今回の取引締結に際し、アメリクレジットはリース事業に再び参入する考えで、これにより、GM車のリースが拡大すると見られる。
アメリクレジットの専門知識を直接所有することで、GMはあらゆる景気循環下でも一貫したサブプライムローンを顧客に提供できるようになる。アメリクレジットは既に約4000のGMディーラーと取引があるが、今回の買収と、GMのブランディングおよびターゲット顧客向けマーケティング戦略との連携を通して、ディーラー受容性の高まりと、販売普及率の向上とが予想される。
GM副会長権CFOのクリス・リデルは、「リースやサブプライムローンにおけるアメリクレジットのニッチな専門能力、そして、プライム層向け小売販売ローンや販売店向けローンにおけるアリー・ファイナンシャルなどからの強力な継続的サポートによって、GMは融資ニーズに対する非常に競争力の高いソリューションを構築した。これは、あらゆるクレジットサイクル、ビジネスサイクルに対しても抵抗力持ったソリューションとなる」と述べている。
アメリクレジットの社長兼CEOのダニエル・ベルセは、「GMチームの一員になることを嬉しく思っている。我々はより完璧なサポートをGMに提供すべく商品を充実させていくと同時に、今日既にサービスを提供している全米各地の11,000以上のディーラーへのローン商品も引き続き提供していく。今回の取引は、長期的観点から見て、ディーラー、顧客、従業員に利益をもたらすものである」と話している。
アメリクレジットのマネジメントチームは高い評判を得ており、このチームが引き続きマネジメントを担当する。これによって、統合におけるリスクが最小限に抑えられ、両社の状況も最大限有利となる。
合計資産額約100億ドルのアメリクレジットの買収が、GMのバランスシートに及ぼす影響は僅かであり、投資適格という強いステータスを達成するというGMの目標を揺るがすことはない。GM傘下で、アメリクレジットは今後も、融資活動に必要な資金調達のため、資本市場への直接的なアクセスを維持する。
両社の取締役会の承認を得た本合意によると、取引の締結時、アメリクレジットの株主は取引締結時点の保有株に対して、一株当たり現金24.5ドルを受領することになっている。
本取引は、アメリクレジットの株主の承認など、締結の必要条件をクリアした上で、2010年第四半期末までに完了する見通し。
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