日産、「箱根EVタウンプロジェクト」に参加
日産は27日、EV普及に積極的に取り組む神奈川県が主体となって推進する「箱根EVタウンプロジェクト」に神奈川県・箱根町等とともに参画すると発表した。
箱根EVタウンプロジェクトは、優れた自然環境の保全と観光振興の双方を実現する「環境先進観光地:箱根」を目指し、箱根におけるEV利用の拡大を図ることを目的として実施するものである。尚、神奈川県・箱根町も同日本件に関する発表を行っている。
日産は神奈川県・箱根町ともに本プロジェクトのコアメンバーとして企画・推進の役割を担い、具体的な事業の第一弾として、旅行会社とも連携して、小田原・箱根湯本地区まで公共交通機関やマイカーを利用する旅行客などに対し、EVレンタカーを利用した箱根地域の周遊を呼びかけていく。
また、日産は本年2月、全国旅館生活衛生同業組合連合会(全旅連)とEVの充電インフラ整備等の促進に向けた覚書を締結しており、今後、箱根エリアにおける具体的な取り組みも共に検討していく。
なお、本プロジェクトは、環境省「平成22年度低炭素地域づくり面的対策推進事業」に採択されており、「モビリティのEV化」におけるCO2削減に向けた実証調査及び計画策定に取り組んでいく。
「箱根EVタウンプロジェクト」の概要は以下の通りである。
1. 事業概要
以下の3つの分野について、神奈川県・箱根町・民間事業者が協力し、環境省事業による調査・実証等を通じて、本格的な導入・実施を図る。
○モビリティのEV化(当面の重点分野)
EV観光タクシー、EVレンタカー、EVシェアリング、EVバイクの導入・活用。 宿泊施設や観光施設等への充電インフラ整備。
○モーダルシフトの促進
新旅行商品の開発など、EVと鉄道など公共交通機関との連携。
○再生可能エネルギーの導入拡大
太陽光発電の導入促進とともに、再生可能エネルギーとEVとの連携を検討・実施。
2. プロジェクト協力体制
県、箱根町、日産をコアメンバーとして、三菱自動車工業(株)、箱根町観光協会、箱根温泉旅館協同組合、箱根プロモーションフォーラム、(株)日本総合研究所等による「箱根EV普及推進ネットワーク」(会長:山口昇士箱根町長)を立ち上げ、今後、参加企業の拡大を図る。
日産の常務執行役員の川口均は、「箱根地域は内外から年間2,000万人を超える観光客を惹き付ける国内有数の国際的な観光地である。美しい自然を守りながら観光地としての魅力を高めていくため、観光客の移動手段のEV化を目指す今回の取り組みは、現在各地域で展開が検討されている様々な構想の中で、高い実現性と具体性を持った事例として広く注目を集めることになるだろう。
日本にはこのような取り組みによって更に魅力を高めることができる数多くの優れた観光地があり、箱根地域が先駆的な役割を果たすことで、こうした観光地の間で連携が進んでいくことも期待している。 そのためにも、今回のプロジェクトの成功に向けて、日産として積極的に貢献していきたい。」と述べた。
日産は2008年5月、神奈川県と電気自動車に関する様々なプロジェクトを検討していくパートナーシップを締結した。これを踏まえ両者は、2009年1月に発表されたEVタクシープロジェクトの他、様々なプロジェクトやイベントの実施について検討を行っている。
日産はルノーと共に、「ゼロ・エミッション車で世界のリーダーになる」という目標を掲げており、世界各国の政府や自治体、企業などと合わせて既に50件を超えるゼロ・エミッションモビリティに関するパートナーシップを締結している。同社は、電気自動車「日産リーフ」を2010年12月に日本で、そして米国および欧州でも順次販売を予定している。2012年にはグローバルに量販する計画であり、EV普及により低炭素社会に向けた新しいモビリティライフを創造していくとしている。
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