MINI 新型クロスオーバー 試乗｜ミニらしさを残しつつ、見た目も走りも進化して高い実力を備えるクロスオーバーSUV(2/2)
- 筆者： まるも 亜希子
- カメラマン：小林 岳夫
ミッド／スポーツ／グリーン、3つのドライブモード
そしてミニ・クロスオーバーには3つのドライブモードがある。
シフトレバーの付け根を囲むリングを回すと、ミッド／スポーツ／グリーンが選べるようになっている。今回は市街地のみの試乗だったが、せっかくなのでスポーツを試してみた。
モードを切り替えると、インパネ中央のインフォメーションディスプレイが真っ赤なライトで縁取られ、これだけで気分もスポーツモードにチェンジ。
走り出すと、ミッドよりもさらにアクセルの踏み込みに対する反応が鋭くなり、ステアリングに備わるパドルシフトでのシフトダウンもヒュンヒュンと小気味いい。ミッドやグリーンでは室内にほとんど響かなかったエンジン音も、少しだけレーシングカーのような音が響く。
ただ、ステアリングが驚くほど重くなり、街中では疲れてしまうほど。もっと速度域の高い走行シーンでは、安定感が増してちょうどいいのかもしれない。
初代から拡大した分は、ゆとりある室内空間へつながっている
最近はスポーティな走りをウリにするクロスオーバーSUVが増えているが、そうしたモデルは外観が“いかにも”なスタイルで、室内空間やラゲッジ容量が犠牲になっているものも少なくない。でもミニ・クロスオーバーは、初代より約20cm拡大した全長など、その多くを室内空間を広げるために使っている。
とくに後席の足元、頭上空間はとてもゆとりがあり、シートバックのリクライニングも3段階で可能。前席にはサイドサポートが張り出したスポーツタイプのシートを備えるが、決して窮屈に縛られるのではなく、スペースはゆったりとしている。
インテリアはミニらしい、円のモチーフを基調としたデコラティブなもの。細部まで上質感がアップしていることもあって、室内にいてSUVっぽさを感じるのは、ちょっと高めのアイポイントくらいだ。
ライバルと比べても、その実力はかなり高い
ミニ・クロスオーバーは、ミニの一員であることを優先しており、いかにも走りが良さそうな感じも、SUVらしいゴツさも、ごくごく控えめの外観。でもこうして試乗してみると、オンロードでの走りの良さ、ちょっとした悪路や雪道での頼もしさ、必要な荷物がたっぷり積めるスペース、そして少しの遊びゴコロというスパイス。そんな、クロスオーバーSUVとしてユーザーが期待する要素をすべて持っていることがわかる。
同等サイズのライバルたちと比べても、その実力はかなり高いとあらためて感じさせてくれたのだった。
[Text：まるも 亜希子 Photo：小林 岳夫]
MINI Cooper SD Crossover ALL4 (ミニ クーパー エスディー クロスオーバー オールフォー) 主要諸元
全長x全幅x全高：4315x1820x1595mm／ホイールベース：2670mm／車両重量：1630kg／乗車定員：5名／駆動方式：4WD／エンジン種類：直列4気筒ツインパワー・ターボ・ディーゼル・エンジン／総排気量：1995cc／最高出力：190ps(140kw)/4000rpm／最大トルク：400Nm/1750-2500rpm／トランスミッション：8速AT／燃料消費率：20.8km/L[JC08モード燃費]／車両本体価格：4,830,000円[消費税込み]
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大学卒業後、編集プロダクション株式会社エディトリアル・クリッパーに就職、自動車雑誌「ティーポ（Tipo ）」の編集者として6年間勤務。2003年にフリーランスとして独立。現在は雑誌やウェブサイトの自動車関連記事に出演・寄稿している。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、日本自動車ジャーナリスト協会会員。記事一覧を見る
自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。
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