マツダ ロードスター ドライブ対談(1/3)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:オートックワン編集部
マツダ ロードスター ドライブ対談
3世代目を数えるロードスターは、昨年末に大がかりなマイナーチェンジを行なっている。
2005年に登場したNC型の初期モデルには、チューニングカーも含め頻繁に乗る機会があったのだが、どうにもハンドリングがトリッキーで、乗るたびに頭の中で疑問符が増えていったというのが正直なところだ。
その後、しばらくロードスターに乗る機会がなく、ひさびさに乗ったのが今回。マイナーチェンジから半年あまり、遅ればせながら試乗することができた。そして、ドライブフィールが予想以上に洗練されていることにインパクトを受けた。
変更点は多岐におよび、見た目もだいぶ変わったが、中身はもっと変わっていた。レブリミットが引き上げられたエンジンは、明らかに気持ちよさが従来よりも増している。マイナーチェンジでクランクを新しくするなんて、かつて聞いたことがないし、実際、高回転域まで伸びやかな加速感を生み、頭打ち感がなくなったのは大歓迎だ。
独自のエンハンサーによるサウンドの演出もドライビングプレジャーを盛り上げてくれる。
ただし、シフトフィールは相変わらずもう一歩だ。6速になってから旧来の5速を上回ることができていないのは、今回も同じだったように思う。
さらに、その洗練ぶりに唸らされたのがフットワークだ。初期モデルに対し、フロントのロールセンターが下げられ、RSのビルシュタインダンパーのセッティングが変更されるなどしているが、その効果は大きい。
具体的には、まず乗り心地がよくなるとともに、タイヤの路面追従性が増している。さらに、直進性が上がって、よりリラックスしてドライブをできるようになるとともに、コーナリング時のロールの仕方のリニアリティが増している。
従来はワンテンポ遅れて反応した、ステアリングの中立から切り始めの挙動がとても掴みやすくなっているのだ。これには、前記のチューニングが確実に効いているはずだし、タイヤの進化もあると思う。全体の剛性感も増していたし、こうなるためには、よりサスペンションを正しく動かしてやることが必要なわけで、正式にアナウンスされていないものの、その辺りも何らかのテコ入れがあったのではないかと思われる。
ここまでよくなっていると、サーキットでも試したくなるところだが、おそらく初期モデルで気になった限界付近のトリッキーな挙動も払拭されているはずだ。ちょっと乗っただけで、これほど違いがわかるほどだから、逆にいうと、今までのクルマはなんだったんだろう?と思ってしまったのも正直なところではある。
つまり、ようやくロードスターは“人馬一体”になれたのだと思う。
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