autoc-one.jp 記事・レポート 新車情報 試乗レポート 新型「CX-8」「CX-5」「CX-3」を雪上で試乗|マツダが狙う動的質感向上の決め手は“躍度(やくど)”にあり!?

試乗レポート 2017/12/31 08:30

新型「CX-8」「CX-5」「CX-3」を雪上で試乗|マツダが狙う動的質感向上の決め手は“躍度(やくど)”にあり!?(1/3)

関連: マツダ CX-8 , マツダ CX-3 , マツダ CX-5 Text: 山田 弘樹 Photo: 茂呂 幸正
2017年マツダ雪上試乗会[マツダ剣淵試験場(北海道・剣淵町)]
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新たなキーワード “躍度(やくど)”っていったい何!?

ご存じマツダは国内屈指のハンドリングにこだわるメーカー。そして「Zoom Zoom」の合い言葉を掲げてからはこれを明確に自分たちのスローガンに定め、いまやパワートレインも含めた全体的な動的質感として、これを体現しようと努めている。

そんなマツダが、ここへきて「躍度」(やくど)という聞き慣れないキーワードを持ち出してきた。そして今回はこれを、毎年恒例となっている北海道は剣淵試験場での雪上試乗会のテーマとして熱く熱くプレゼンテーションしてくれたので、その模様をみなさんにお伝えしようと思う。

さてその「躍度」だが、いったいなんぞや?

これは物理的に言うと「時間あたりにおける加速度の変化率」だという。学術的には「加加速度」や「Jerk」(ジャーク)と呼ばれ、一定の加速度へ到達するまでの変化の様子を表している。ふーむ…。

たとえば0.4Gまでクルマを加速させるときに2秒掛かれば

0.4G÷2秒=0.2G/s

これが4秒かかれば

0.4G÷4秒=0.1G/s

となるらしい。これを文字で表現すると、前者の方が目標G到達までの時間が短く勢いがある。また後者の方が、ゆっくりと滑らかに加速して行く、と言える。

そしてマツダは、この「躍度」を自在にコントロールできるようにすることが、気持ち良いクルマ作りの基本になる、と考えている。

たしかに躍度を減らせば加減速GやコーナリングGは滑らかになるけれど、到達時間が遅ければ緩慢に感じられる。また躍度が瞬発的に立ち上がるレスポンスは必要だが、それが乗員に不快な挙動を与えては意味がない、ということだ。

>>雪の上でもマツダ車たちはZoom Zoom!(画像78枚)

“躍度”を知るための3つの雪上プログラムを体感

2017年マツダ雪上試乗会[マツダ剣淵試験場(北海道・剣淵町)] 

雪の上のシビアなアクセル操作から“躍度”を知る

2017年マツダ雪上試乗会[マツダ剣淵試験場(北海道・剣淵町)] 2017年マツダ雪上試乗会[マツダ剣淵試験場(北海道・剣淵町)] 

その「躍度」を理解するためにマツダは、当日3つのカリキュラムを用意してくれた。

ひとつは雪上試験路におけるアクセル操作。通常モードに加えて、よりアクセルレスポンスが良くなる制御との乗り比べで、ゼロ発進加速や旋回中のアクセルコントロール性、それがハンドリングにもたらす影響を体感した。

ちなみに先導車はスタッドレスタイヤを履いた4WDのデミオであり、こちらは北米用純正オールシーズンタイヤを履いた2WDのCX-5(エンジンは2.5リッター「SKYACTIVーG」)。よりパワフルながらも雪上路面ではトラクション性能が厳しいCX-5を丁寧に操ることで、アクセラレーションの“躍度”を感じろというわけである。

実際その運転は、カカトを支点に足首をミリ単位で操作する、まるで雨の日にフォーミュラカーを運転するような繊細さが必要とされた。特にレスポンスが鋭い制御では発進時やコーナーでのスリップ量を増やさないよう、通常時の倍は集中力が必要になる。それでも前がスッと離れて行くと焦りが生じてアクセルの踏み込み量が増えたり、それによって誘発されたアンダーステアでさらにハンドルを切りたくなる衝動に駆られる。一応合格点はもらったものの、こんな運転を毎回していたら疲れちゃうなぁ…というのが正直な印象だった。

丁寧なブレーキ操作だけでは雪上の走りの“躍度”は調整できない

2017年マツダ雪上試乗会[マツダ剣淵試験場(北海道・剣淵町)] 

ふたつめはブレーキのパート。ここではサーボのアシスト量を変化させ、ペダルタッチの変化が及ぼす影響を体験した。レースなどでもブレーキは微妙なコントロールが重要視され、強く踏まないと効かない「かっちりしたパッド」を使うことが多い。こうしたパッドを使うと踏力は必要になるが、そのぶん踏み込み量を段階的に細かく分けることができ、特にブレーキを“抜いて行く”操作によって、ターンインでの姿勢が作りやすくなるのである。

しかしここで興味深かったのは、ブレーキだけ正確性を上げ手もダメだということだった。一見かっちりとしたブレーキのタッチは良好だったが、その勢いでアクセルに足を踏み換えると、途端に力が入りすぎてしまうのだ。

つまりクルマはブレーキ、アクセル、そしてステアリング(さらにはシート)の調整バランスが整うことで、はじめてスムーズに「躍度」を調整できる。これは常々マツダが言っていることでもある。

雪の上のパイロンスラロームから見えてくる“躍度”の重要性とは

2017年マツダ雪上試乗会[マツダ剣淵試験場(北海道・剣淵町)] 2017年マツダ雪上試乗会[マツダ剣淵試験場(北海道・剣淵町)] 

そして最後はパイロンスラローム。ここでは試乗車に装備されている「躍度計」を見ながら、時速40km/hで0.2G/sを超えないように運転したときと、それ以上で走らせたときの違いを見た。

ちなみにオールシーズンタイヤを履いたCX-5だと、この0.2G/sが雪上でのグリップ限界付近。体感的には4輪を少し滑らせながらもダイナミックにトラクションを掛けて走った方が速く感じるのだが、マツダの厳しい検査官は「0.2G/sを超えない方が絶対に速い」と言って聞かない(笑)。

しかしそれは、最後に行われたタイムアタック大会で実証された。

アクセラ4WD(+スタッドレスタイヤ)で設定コースを走り、タイムを計る。そもそも0.2G/sを超えるとペナルティになるルールにはなっているのだが、これを無視した走りと比べてみると、確かに躍度通りに走った方が速かったのである。

トライアルの結果はトップタイムを出しながらも、「オートテスト」形式の車庫入れパートでパイロンタッチをしたことで5秒も加算され、オートックワン編集部T氏に負けてしまったが(笑)、今さらながらに「タイヤのグリップ限界付近で走る」ことが一番速くてスムーズだという基本を思い知らされたのであった。

>>雪上路面で新型CX-8の快適な乗り味を改めて実感[次ページ]

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