高級スポーティセダン徹底比較(2/4)

高級スポーティセダン徹底比較
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ひたすら快適性を追求した走り

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クラウンアスリートには、ロイヤルには設定のない3.5Lエンジン搭載モデルがラインナップされる。エクステリア全体の方向性は、従来のゼロクラウンのキャリーオーバーながら、灯火類の形状やフェンダーのエッジの立て方など、意図的に変えようとした感がある。マークXやレクサスLSのように、マフラー出口はリアバンパー下部に埋め込んだのも特徴。

そして、フロントグリル&バンパー、サイドステップ、リアバンパー、リアスポイラーなど、ボリューム感を与えたフォルムとしている。18インチタイヤ&ホイールを履く足まわりもスポーティなセッティングとするなど、ロイヤルとは大きく差別化が図られている。

評判のよい3.5L V6エンジンは、GSよりも初期の踏み始めのスロットルゲインをマイルドにし、扱いやすくしている点に好印象。中間域のゲインは高めで、速さを体感させるようにしているが、初期を上手く設定しているので、不快に唐突に加速することはない。3台の中でもっとも的を射た味付けだと思う。

フットワークは、ハーシュネスを嫌ってか、サスペンションブッシュの前後剛性をかなり落としたようで、乗り心地は非常に快適に仕上がっている。反面、ブッシュをソフトにしたことによる、走りの一体感やスポーティな感覚は損なわれた。また、電動パワステの特性と合せ、センター付近にあいまいな領域が出ているところも認められる。

アスリートであっても、少しフワッとした、昔ながらのクラウンのテイストになり、こちらのほうが快適に乗れるのは間違いないが、全体のスタビリティや、高速走行を主体とする走りでは、フーガやGSに比べるとやや頼りなさを感じる。

フロントビューリアビューサイドビュータイヤエンジン

ドライバーズカーであることをアピール

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2007年末のマイナーチェンジで、スポーティなGT系のみの設定となり、バンパー形状、ヘッドライトやテールランプのデザインなどが変更された。フーガはもともと背高フォルムであり、弧を描くようなルーフラインにフェンダーやトランクのラインをつなげたシルエットとなっている。

さらに、リアバンパー下部をディフューザーのような形状とし、左右にデュアル出しのマフラーを備えるなど、スポーティな雰囲気を高めている。しかしながら個人的には、全体のフォルムの調和は、従来モデルのほうが自然だったように思う。

エンジンは、スカイラインやフェアレディZに採用されたVQ35HRが搭載された。このエンジンは、左右対称の吸排気レイアウトとしたことが特徴で、VQ35DEに比べ格段に緻密な回転フィールを持っている。ただし、アクセルペダルの初期ゲインが高すぎて飛び出し感があることや、ATが6速ではなく5速である点など、動力性能の質感については、もう一歩の洗練を望みたい部分もなくはない。

ドライブすると、フーガからは「主役はドライバー」であることがヒシヒシと感じられる。エンジンフィールは洗練されつつも荒削りな部分が残り、それがまた楽しい。静粛性も悪くないが、あえて積極的にV6サウンドを乗員に伝える演出をしているようにも思えるし、軽快なフットワークにもそれが表れている。日産車には、もともとそういう味を持つクルマが多い。フーガは日産の考える、あくまでもドライバーズ高級セダンであるようだ。

フロントビューリアビューサイドビュータイヤエンジン

ワールドワイドなフットワーク

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2007年10月にマイナーチェンジを実施。前後バンパーやフロントグリルのデザインを変更し、複雑なデザインのターンシグナル付サイドミラーを与えるなど、見た目には結構リフレッシュされた。

やや無機質なエクステリアデザインは、日本車ではないような雰囲気があり、ドイツのアッパーミドルセダンと並べても遜色ないように思える。全体のフォルムは、弧を描くルーフラインや、ハイデッキスタイルなど、フーガとの共通性や、世界的なトレンドが認められる。

走りは、従来のゼロクラウンのプラットフォームをベースに、レクサス車として相応しいチューニングをしており、ワールドワイドなレベルでのスタビリティや操縦安定性を追求している。

結果、クラウンと異なり、ステアリングフィールには一体感があり、スタビリティも高く、高速巡航も悪くないように仕上がっている。ただし、引き締まった感覚のドライブフィールを得た半面、ややハーシュネスがきつく、乗り心地が固くなったというのは否めない。

GSには上に4.6L V8搭載モデルもあるが、この3.5L V6搭載モデルでも十分な動力性能が確保されている。ゼロスタートでは、アクセルペダルの操作量に対しスロットルの開くゲインが高く、やや飛び出し感がある。走り全般の滑らかさではクラウンがだいぶ上回るし、スポーティな感覚においては微妙にフーガが上回るという印象だ。

フロントビューリアビューサイドビュータイヤエンジン

デザイン・スペックの総評

エクステリアは、いずれも高級セダンでありながらスポーティなイメージを与えたということで、エアロパーツを追加したり、バンパー形状そのものをスポーティにしている。ボディサイズはほぼ同等だが、クラウンは細身に見せつつも、フェンダーを強調しており、あまり重量感のないデザインとなっている。GSとフーガは膨らみをもたせたシルエットで、ボディサイズ以上に大きく見える。

エンジン出力的には、クラウンとGSが315ps&38.4kgm、VQ35HRは313ps&36.5kgmと、トヨタのほうがピークトルクが2kgm上回っている点が大きい。さらに、6速ATと5速ATという違いがあり、ギア比もからんで、この違いはそれなりに大きい。やはり動力性能としては、スペックの数値相応にクラウンとGSはパワフルだが、フーガのサウンドを聞かせる演出と、低回転域でトルクの盛り上がる感覚など、ドライバーズカーとしての味付けがある。

タイヤはクラウンとGSが18インチで、フーガが19インチとなっており、乗った感覚もそのとおり。また、トヨタの2台は、レーダークルーズコントロールを装着すると、付けるとフロントグリルのエンブレムの部分が、このようなルックスになることに注意。このほうがレーダーの感知する性能は上がるそうだが、見た目を嫌ってレーダークルーズコントロール付けないというユーザーも少なからずいるだろう。

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岡本 幸一郎
筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

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