【試乗】シボレー 新型 コルベット(C7) クーペ Z51[7速MT] 国内初試乗レポート/今井優杏(3/4)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:和田清志
V8 6.2リッターエンジンはV4 3.1リッターにも変化する!?
搭載されるのはV8 6.2リッター直噴エンジン。しかし長いボンネットを開ければ、そこには驚くほどの隙間に囲まれ、ちんまり収まった小さなエンジンがぽつりと鎮座していることに気付くだろう。
これこそが流麗な薄いロングノーズと軽量化、そして低車高を叶えた立役者、スモールブロック・エンジンで、直噴と可変バルブタイミング、それからGM初の気筒休止システムAFM(アクティブ・フューエル・マネジメント)を備えた『クリーンなコルベット』をアピールするカナメとなっている。
AFMは史上最強の名にふさわしく、通常はなんと466ps/ 630Nmという、馬力だけ見ればあわやスーパーGTの500クラスにも届きそうなほどのそら恐ろしいパワーを発生させるエンジンだが、高速巡航時などの軽負荷時には半分のシリンダーにお暇を出して燃費の向上に努めるというもの。つまりタラっと流しているときは自然と3,1リッター V4エンジンになり、128ps/ 300Nmに出力が抑えられるというわけだ。
ちなみにこの気筒休止のつなぎ目、正直言ってさっぱりわからない。いつ止まっているのか感じようとするのは至難の業だ。まあでも知らない間にちゃんとクルマがエコしてくれるんなら、こんな有り難い話はない。ちなみに、再加速したい際なんかは、アクセルを踏み込めばまた、何事も無かったように獰猛なトルクが生まれる=V8復活、となるから心配ご無用。
それにどの回転数にあってもかなりのトルクを生む高性能な直噴制御がくみ合わさり、しかもギアを自分で選択出来るMTで、さらに駆動はFRだってんだから、面白くないワケがない。さらに言うならこれだけのスペックを備えながらこのクルマ、とても軽いのだ。なんと1,540kg。しつこいようだがこれに466psが乗っかるのだ。海洋を爆進する暴れエイである。
『ドライバー モード セレクター』で暴れエイがさらにパワーアップ
加えてシフトノブ手前のダイヤルで操作出来る『ドライバー モード セレクター』でドライブモードをウェザー、エコ、ツアー、スポーツ、トラックの5種類から選択することが可能だ。
デフォルトはツアーに選択されていて、エコとウェザーはレスポンスがルーズに、スポーツ→トラックとスパルタンになる。
制御されるのはスロットル開度、シフトモード(AT車の場合)、AFM(アクティブ フューエル マネジメント)、エキゾーストモード、ステアリング、マグネティックセレクティブライド(サスペンションの減衰力制御)などなど、多岐にわたるがどれも細かく好みの走行に最適化されるのだ。
スポーツとトラックに合わせればインパネのメーターのディスプレイも変化し、エキゾーストもガウン!と獰猛に変化するから、ちょっとダイヤルを回しただけで、人馬共にイケイケモード全開になれる。暴れエイがさらにパワーアップしちゃうんである。
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