【試乗】シボレー 新型 コルベット(C7) クーペ Z51[7速MT] 国内初試乗レポート／今井優杏(4/4)

思いのほか素直な性格のコーナリング性能に昂る！

しかし、これだけのパワーを持ちながら、ハンドリングが実にスムースで素直なのはしっかりと鍛えられた剛性のおかげで、苦もなくくるんくるんとコーナリングがキマる感じは速度域の一段階低いところでドライブしているかのような感覚だ。小径のステアリングも左右の切り返しの操作がしやすく、スポーツドライビングを存分に味わうことが出来る。

ハンドリングと言う面ではとかくコーナリングに目がいきがちだが、C7コルベットは直進安定性に優れているということも強調したい。圧倒的なトルクを生み出しているとき、つまりガツンと加速している最中にもハンドルに軽く手を添えるだけでいいくらいの安定感は、剛性だけでなくサスペンション含め、総じてクルマのバランスの高さに感動する結果となった。

恐るに足らず！ 挑め7速MTへ！

7速ものギアを揃えたMTについても操作感は驚くほど楽チンだ。７つもあるから最初は身構える人もいるようだが、そもそもトルクがあるからローギアが扱いやすいので、意外に易しい。アクセルを煽らずクラッチのミートをさせるだけで気軽に発進出来るし、ギアに割り当てられたパワーバンドが広いので、焦ってシフトを変えなくてもそこそこ運転出来てしまう。Hパターンのシフトのストロークもショートながら短すぎないのでシフトミスも心配しなくてもいい。

や、気持ちは解ります、敢えてMTを買ったからにはこまめにシフトチェンジしたい人もいますよね？そういう人は積極的に変えればいい。

アクティブ・レブ・マッチングで回転数合わせまでしてくれる

もちろん私は“シフトチェンジしたい派”なのだが、シフトダウンの時に最高に気持ちいいのが“アクティブ・レブ・マッチング”だ。

ステアリングホイールの左右にパドルシフトのように装備されていて、シフトダウンのときにこれを手前にカチっと引っ張れば、ブリッピングをして回転数を合わせてくれるという機能だ。オーバーレブに因る故障も防げるし、このマッチングは本当に正確で気持ちいい。

マッチョなスポーツカーなのに、女子にも優しいなんて・・・惚れてまうやろ

そうそう、女子目線でもう一つ付け加えたい。オープントップのラグジュアリーカーという側面から感動したのは、超本格スポーツカーでありながら叶えられた足のしなやかさだ。

あまりにゴツゴツするクルマは、どれだけスポーティーでも街乗りでは疲れてしまうもの。しかしマグネティックセレクティブライドの効果も抜群なC７コルベットの足のフレキシブルさはちょっと他の追随を許さないくらい快適だった。

これならデートカーにも十二分に歓迎されると思う。だってクルマの中でコーヒーも啜れない(すすれない)ようなアシのクルマって、やっぱりちょっと色気に欠けますよねえ？

[レポート：今井優杏／Photo：和田清志]

CHEVROLET CORVETTE COUPE Z51[7Speed MT] 主要諸元

全長x全幅x全高：4510x1880x1230mm／ホイールベース：2710mm／車両重量：1570kg／乗車定員：2名／ハンドル位置：左／エンジン種類：V型8気筒 OHV 直噴ガソリンエンジン／総排気量：6153cc／最高出力：466ps(343kW)/6000rpm／最大トルク：64.2kg-m(630N･m)/4600rpm／トランスミッション：7速マニュアルトランスミッション／サスペンション：(前)ダブルウィッシュボーン式/(後)ダブルウィッシュボーン式／タイヤサイズ：(前)P245/35ZR19/(後)P285/30ZR20／メーカー希望小売価格：10,882,000円[消費税8%込み]