単なる高級車ではないベントレーの神髄、新型ミュルザンヌ試乗レポート(1/2)
- 筆者: 九島 辰也
ベントレーの神髄
コンチネンタルGTシリーズがイメージリーダーとなるベントレー。2004年登場以来の爆発的なヒットで、ベントレーブランドの顔となったのは間違いない。昨今ではさらに進化を遂げ、パワーアップが行われるとともに、そのデザインをまとったレース用マシンがGTアジアなどで輝かしいレース実績を重ねている。
そんなベントレーの神髄と言えばこちら、『ミュルザンヌ』となる。2009年のリリース以来、このブランドのフラッグシップとしてトップエンドに君臨する。
このクルマがスペシャルなのは一目瞭然だ。
スクエアなフォルムはまさにベントレーが戦後ラインナップしてきた進化版で、新提案の「コンチネンタルGT」系とは異なる。それに生産の組み立てラインはコンチネンタルGTシリーズ(コンバーチブルやセダン混在)とは別だし、オプションの豊富さも際立つ。
またベントレー所縁の地、サルトサーキットのミュルザンヌストレートを由来とするネーミングや、戦前のヘリテージを感じる6.75リッターという排気量、それとV8エンジンというのもそうだ。とにかく、ファンがワクワクする要因がてんこ盛りである。今日では「ベントレー=12気筒」という図式も否定できないが、歴史的にはV8の印象は強い。
インテリジェンスとユニークさが感じられるデザイン
前置きが長くなったが、そんなミュルザンヌがモデルチェンジした。
フロントまわりを意匠変更し、雰囲気を変える。80mmワイドになったグリルとワンピース成形されるバンパー、ラジエターシェル、ボンネットがまずは目に入る。シームレスなボディ構造を目指し、走りをよりよいものとする。
ヘッドライトも新しい。ジュエリーのようなデザインはオールLEDで構成される。しかも、これはアダプタブルヘッドライトと呼ばれる自動調整機能付きで、速度によって照射距離を勝手に変えてくれる。ベースとなるのは4つのモードで、街中/郊外/高速道路/ハイビームをセットしておけば、あとは自動で適応してくれるということだ。
ボディ全体にベントレーを意味する“B”のデザインを各所に取り入れているのも新しい。バンパー下、フロントフェンダー、リアテールランプにそれが見られる。どこかインテリジェンスとともに彼らのユニークさを感じる。
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