アウディ R8 5.2 FSIクワトロ 試乗レポート(2/3)
- 筆者: 松田 秀士
- カメラマン:オートックワン編集部
アウディの頂点に立つR8 V10
今年、アウディは100年を迎える。その歴史は、レースとは切れないものだ。
R8 V10は、現在アウディの頂点に立つモデルとして位置付けられている。R8は、ルマン24時間を走ったレーシングマシンのネーミングをそのまま使っている。
さすがにボディはレースカーのものではないが、1994年に始まるA8から培ったアルミボディのノウハウを生かし、99%アルミのスペースフレーム重量は210kgと超軽量。これをスチールで作ると+140kg重くなってしまうのだという。
また、コンパクトなV10エンジンの重量も258kgと軽量で、ボディ全体では4WDにも関わらず1,690kgと、とても軽い。このため、パワーウェイトレシオは3.2kg/psとスポーツカーの中でもずば抜けている。
アウディがR8 V10の投入に目論んでいるもの
景気が悪いと心まで荒んでしまう。
将来の不安など生きることに精一杯で、人間としてエンジョイする余裕がなくなるものだ。
我々クルマ愛好家にとって、そんな時期だからこそこんなクルマをリリースしてくれるような大きな器を持つアウディに感謝したい。
今日、アウディが深くかかわっているランボルギーニ・ガヤルドにも搭載されるV10エンジンをR8に搭載したわけだが、実はこのガヤルドの開発にはアウディが深く関与したといわれている。
パワーや味付けこそ違うが、ほぼ同じエンジンと見てよい。
また、ドライブトレーンにはこれも同じ6速Rトロニックと4WDシステムを採用している。(R8のシフトショックもやや大きめだった)
つまり、アウディはガヤルドで先行開発をしていたのではないだろうか?R8のコンセプトの一つに“エブリディ・スポーツカー”というものがある。
つまり、日常の足に使えるスポーツカーという意味だ。
マニアに特化した味付けをガヤルドで行い、誰もがドライブしやすいスポーツカーとしての棲み分けをR8 V10で達成したと言ってもよいだろう。
そのストラテジーは、ルマン24時間で活躍した同じネーミングを持つR8のスポーツイメージを前面に押し出した、アウディブランドのさらなる押し上げだ。
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