地上高+30mmの違いが、アウディ A4オールロードクワトロ独自の世界観を生み出した

  • 筆者: 今井 優杏
  • カメラマン:和田清志・アウディ ジャパン
地上高+30mmの違いが、アウディ A4オールロードクワトロ独自の世界観を生み出した
Audi A4 allroad quattro(アウディA4オールロードクワトロ) 試乗レポート/今井優杏 Audi A4 allroad quattro(アウディA4オールロードクワトロ) 試乗レポート/今井優杏 Audi A4 allroad quattro(アウディA4オールロードクワトロ) 試乗レポート/今井優杏 Audi A4 allroad quattro(アウディA4オールロードクワトロ) 試乗レポート/今井優杏 Audi A4 allroad quattro(アウディA4オールロードクワトロ) 試乗レポート/今井優杏 Audi A4 allroad quattro(アウディA4オールロードクワトロ) 試乗レポート/今井優杏 Audi A4 allroad quattro(アウディA4オールロードクワトロ) 試乗レポート/今井優杏 Audi A4 allroad quattro(アウディA4オールロードクワトロ) 試乗レポート/今井優杏 Audi A4 allroad quattro(アウディA4オールロードクワトロ) 試乗レポート/今井優杏 Audi A4 allroad quattro(アウディA4オールロードクワトロ) 試乗レポート/今井優杏 Audi A4 allroad quattro(アウディA4オールロードクワトロ) 試乗レポート/今井優杏 画像ギャラリーはこちら

人気のアウディ 新型A4シリーズに追加されたクロスオーバーモデル、Audi A4 allroad quattro(アウディA4オールロードクワトロ)に試乗した。30mm高められた地上高がquattroドライブシステムと組み合わされた結果、ベースのステーションワゴン「A4 Avant」(アバント)とどのように異なる乗り味をもたらしてくれるのか。モータージャーナリストの今井優杏さんが、A4オールロードクワトロならではの魅力について、詳細なレポートを届けてくれた。

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A4 アバントをベースに生まれたクロスオーバーモデル

Audi A4 allroad quattro(アウディA4オールロードクワトロ) 試乗レポート/今井優杏

「アウディ=おしゃれ番長」なんていう、販売台数右肩上がり、猫も杓子もエグゼクティブはとりあえずみんなアウディ乗っとけ! みたいなもてはやされ方をしていた妙なフィーバー期が一旦落ち着いた今になって、個人的にアウディの商品に多大なる魅力を感じている。

みんなが欲しがってるモノにあんまり興味がないっていう妙な天邪鬼心が疼くから、とかいうひねくれた理由ではなく、熱狂の後にもたらされた冷静の中でラインナップを見渡してみれば、いやはやアウディってしみじみええクルマ作ってはるやんかと、改めて感じ入ることが多いのですよ。

特に昨年2月にモデルチェンジをしたA4の、全方位に張り巡らされた高い完成度は心に残っている。なかでもモデル内でも実に45%という驚異の比率を誇るワゴンタイプのA4 Avantは素晴らしかった。

ややボディサイズの拡大は施されたにせよ、外観こそキープコンセプトで、その変更は見た目にかなりコンサバティブだったのだけど、ひるがえってナビゲーションシステムに集約されるインターフェースの先進感や内装、また走りの格上げは眼を見張るものだった。乗ればもれなくしっとりと上等、それでいて若々しいアグレッシブな走りを網羅し、幾度かの試乗を重ねるそのたびに、発売からしばらく経過した今でも運転席で思わず悶絶してしまうほどなのだから。

そのA4をベースにして、クロスオーバーモデルに仕立てたAudi A4 allroad quattro(アウディA4オールロードクワトロ)に試乗してきたのでレポートしたい。

最低地上高+30mmの違いが、想像以上の効果を与えてくれた

Audi A4 allroad quattro(アウディA4オールロードクワトロ) 試乗レポート/今井優杏

派生モデルとはいえ、個性は見るからにSUV然としている。

アイコンであるシングルフレームグリルは縦型のクロームバーを採用してより上下に拡がる印象を与えているし、悪路走行に備えて泥はねや飛び石からフェンダーを守る樹脂製のオーバーフェンダーをホイールアーチに装着し、アウトドアへのレジャーを予感させる若々しい仕上がりとした。また、ルーフレールが標準で装備されていることもポイントだ。A4のセダンやAvantにはない、アグレッシブな印象を与える。

もちろん走破性の部分もぬかりなし。

新型A4オールロードクアトロは、ベースとなるA4 Avantから全高を35mm上げ、最低地上高もA4 Avant比+30mmの170mmを確保している。

それによってクロスオーバーとしての悪路走破性を確保したというシナリオだ。

たかだか+30mm?とあなどるなかれ。この差は雪道の轍や川原などのちょっとしたラフロードにおいて、意外なほどの守備力を発揮する。むろん、完全なるクロカンモデルには及ばないにせよ、都会中心にレジャーを楽しむ層には必要にして十分な余裕となってくれるはずだ。

さらに、アウディ車には走行特性をスイッチひとつで変更できる「Audiドライブセレクト」が用意されているのだが、A4オールロードクアトロにはA4ラインナップ中唯一「オフロード」というモードが設定された。これを選択すれば悪路において求められる繊細なスロットルワークを自動的にサポートしてくれる制御が入る。トルク伝達を緩やかにし、悪路での接地性を向上させるモードだ。それに加えて信頼のクワトロ=四輪駆動が組み合わされるのだから、心底心強いのは想像に易い。

A4オールロードクワトロ専用サスペンションの絶妙なセッティング

Audi A4 allroad quattro(アウディA4オールロードクワトロ) 試乗レポート/今井優杏

しかし、最も萌えったポイントは、この+30mmという最低地上高によって与えられたサスペンションにあったことを、声を大にして言っておきたいのだ。

A4は同社ラインナップ中ミッドサイズということもあり、あえて若々しくスポーティな味付けがなされている。2017年モデルからは電子サスペンションが導入され、可変ダンパーによる柔らかな足回りを楽しむこともできるようになったのだが、そもそも新型導入時に用意されていたのはダイナミック〜スポーツ寄りの硬めのサスペンション。 個人的にはこのしっかり締められたアシがコーナリングのかっちり感にも繋がっていたためにそれはそれで胸キュンポイントでもあったのだけど、やはりファミリーユース層にはややハードな印象だったかもしれない。

が、A4オールロードクアトロはそのあたりさすがクロスオーバーモデルというだけあって、オフロード走行に必要なフレキシブルな減衰を視野に入れているからこその、ジェントルなしなやかさを存分に発揮しているのだ。

理由は、先述の+30mmのストローク量に加え、ラフロードサスペンションが装備されているということ。

効果は一般道でも絶大だ。なにもわざわざオフロードに持ち込む必要はないくらいに、一般道でもわかるレベルであからさまにソフト方向になっている。これがイイのだ。コンビニから出るだけのちょっとした段差でも、その辺の荒れたアスファルトを超えるだけでも、十分に効果を実感できる。それでいて、リバンプ方向の収束が素早いので、アウディらしいかっちり感は決してスポイルされていないという結構なお点前なのである。

これならファミリーで、子供さんを後部座席に乗せてのロングドライブでも絶対に快適。かつ、ドライブの楽しみは最大にカバーされているので、ドライバーだって楽しい。

この快適サスペンションにクワトロの押し出しが加わったらもう、ワインディングの攻略がワクワクの連続になること請け合いなのだ。

全方位にソツがない、ファミリーにおススメの1台

Audi A4 allroad quattro(アウディA4オールロードクワトロ) 試乗レポート/今井優杏

そう、あえてSUVではなく、クロスオーバーモデルであるA4オールロードクアトロを選ぶということは、よりオンロードでの走行にフォーカスされているということにこそ真意が集約されている。

ハンドリングはセダン/ Avant譲りで、クイックかつ過敏過ぎずに舵角をキメられるうえに、ノーマルに設定された走行モードでは熟成の2リッターTFSIがきめ細やかなトルクの膨らみで低速域軽々、高速域は爽快な、過不足のない加減速を提供してくれる。さらに奥の方でもきっちりコントロールの効く制動方向も相まって、ロードゴーイングカーとしての基礎体力が相当に高いレベルで完成されているのだ。

そこにラフロードをも網羅するサスペンションが加わるのだから、そう、「ソツがない」、これに尽きる。

決して華やかなモデルではないのかもしれないけど、じんわりしみじみいい。

張り巡らされた安全装備と、決して華美に偏らないシンプルながらに上等な内装も噛みしめるほどに良さが際立つ。 もしガレージに入れれば、長く愛せる一台になるだろう。

[レポート:今井優杏/Photo:和田清志・アウディ ジャパン]

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Audi A4 allroad quattro(アウディA4オールロードクワトロ) 主要諸元(スペック)

Audi A4 allroad quattro(アウディA4オールロードクワトロ) 試乗レポート/今井優杏

全長x全幅x全高:4750x1840x1490mm/ホイールベース:2820mm/車両重量:1680kg/乗車定員:5名/駆動方式:quattro(フルタイム4WD)/最小回転半径:5.5m/最低地上高:170mm/エンジン種類:直列4気筒 TFSI DOHC インタークーラー付ターボチャージャー ガソリン直噴エンジン/総排気量:1984cc/最高出力:252ps(185kW)/5000-6000rpm/最大トルク:37.7kgm(370Nm)/1600-4500rpm/トランスミッション:7速Sトロニックトランスミッション/使用燃料:無鉛プレミアムガソリン(ハイオク)/燃料消費率:14.6km/L(JC08モード燃費)/サスペンション形式:(前)ウィッシュボーン式(後)ウィッシュボーン式/タイヤサイズ:225/55R17/メーカー希望小売価格:6,580,000円(消費税込)

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今井 優杏
筆者今井 優杏

自動車ジャーナリストとして、新車や乗用車に関する記事を自動車専門誌、WEBメディア、一般ファッション誌などに寄稿しながら、サーキットやイベント会場ではモータースポーツMCとしてマイクを握り、自動車/ モータースポーツの楽しさ・素晴らしさを伝える活動を精力的に行う。近年、大型自動二輪免許を取得後、自動二輪雑誌に寄稿するなど活動の場を自動二輪にも拡げている。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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