車へのアーシングって効果はあるの?
- 筆者:
車へのアーシングって効果はあるの?
車のアーシングというのは効果があるのでしょうか。よく伝導効率99%以上とか書かれた宣伝を目にし、いかにも効きそうだと感じるのですが(OPTEXさん)
其の疑問、「MJブロンディ」がお答えいたします!
アーシングとはいったいどういうものかと言うと、クルマの電装品のマイナスアースの強化です。
プラス側は直接電装品に配線されていますが、マイナス側はボディに流して、ボディを介してバッテリーのマイナス端子に戻ってくるようになっています。そのマイナス側の電流の流れを、ノーマルよりもよくしてやろう、というものです。
最大の狙いは、プラグがしっかり発火するようにすること。
それ以外にも、ライトが少し明るくなったりする効果はあると言われていますが、走りの性能に関係するのは、プラグの発火だけと言っていいです。
アーシングするとなぜ性能が向上すると言われているかというと、プラグがより確実に発火するようになるからです。プラグもマイナス電流はボディ(というよりエンジンヘッド)に流して、そこからバッテリーに戻ってくる形になっているので、電気の流れがイマイチだと、火花が飛ばずに失火することがあるわけです。
極論すれば、アーシングのキモはそこだけなので、エンジンヘッドにより多く配線するのが、アーシングの基本でもあります。逆に言えば、プラグがしっかり発火しているクルマは、アーシングしても意味がないことになります。
アーシングはあくまで「落ちた性能を補う」種類のもので、性能が完調時よりアップすることはないわけです。性能が落ちたクルマが元に戻ることはあっても、性能がちゃんと出ていればやっても意味はないってことですね。
アーシングは、ノーマル状態でも必要十分なレベルで行われていますから、そこに後付けで追加したところで、そんなに大きな期待はできません。
「伝導効率99%」といった謳い文句も、かなり眉唾ですね。どんなにアーシングの伝導効率が良くても、アースするボディそのものの伝導効率は変わらないですから、アース線だけ伝導効率がよくても、それほど意味はありません。
アーシングをするなら、ある程度古くて性能が落ちているであろうクルマにすること。アース線の材質の差はまず出ないので、安い製品で十分です。
線の材質より、アースする場所や接続の仕方の方がずっと重要です。
MJブロンディの「ひとりごと」
私も一度だけ、調子がイマイチだった愛車(フェラーリF355スパイダー)にアーシングを試しましたが、「なんとなく効いた気がするなぁ」という程度でした。アイドリングがちょっとバラけていたのが少し良くなったとは感じました。
アーシングは、主に低い回転で効果が出るようです。なぜなら、プラグの失火は主に低い回転で起きているからです。
なので、たとえ効果が感じられても、最高出力がアップするようなことはない、と考えたほうがいいですね。
自動車評論家、「清水草一」になんでも聞いちゃおう!
自動車評論家、清水草一(MJブロンディ)が、みんなの疑問に面白く答えてくれる自動車用語解説。ただ今、清水さんに聞きたいことを募集しています!
皆さんのクルマに関する素朴な疑問を是非お寄せ下さい。お待ちしております!
https://service.autoc-one.jp/mypage/article/message_detail?no=112
上記URL、もしくは
「マイページにログイン」→「マイページトップ」→「マイページの最新情報」にある【アンケート】
からも投稿頂くことができます。
この記事にコメントする