なぜ、プリウス/ハイエース/ランクルは盗まれやすいのか!?【週刊 クルマ事件簿】
- 筆者: 清水 草一
愛車が盗まれてしまうのは、クルマ好きにとって悪夢だが、最近の動向はどうなっているのだろう?
まず件数だが、盗難の件数のピークは2003年の6万4223件だった。そこからほぼ一貫して減り続け、昨年は1万213件。なんと6分の1以下になった(警察庁統計)。
確かに2000年代初頭は、家屋のピッキングドロとともに、自動車窃盗が爆発的に増えた時期だった。背後には、外国人窃盗グループの存在があった。
が、盗難被害の激増が大きく報道されたことで、ユーザー側は自衛を心がけるようになり、車両側もイモビライザーの標準装備が拡大。盗難車の国内流通や輸出の取り締まりも厳しくなり、窃盗グループも次々に検挙された。その結果、自動車盗難件数は劇的な減少を見せたのだ。
それでもまだ、年間1万台以上ものクルマが盗まれている。
日本の自動車保有台数は約8千万台。つまり、年間8千台に1台が盗まれた計算で、10年間に換算すると、800台に1台。我々にとって、かなり身近な犯罪被害と言えるのではないだろうか。
自動車盗難被害の四天王ならぬ三天王
では、盗まれやすい車種は?
1位 プリウス 986件
2位 ハイエース 878件
3位 ランドクルーザー 478件
(2017年 警察庁統計)
2016年はハイエースが1位、プリウスは2位だったが、2017年はそれが逆転した。
実は、2013年までは、ハイエースが圧倒的に盗まれやすかった。あまりに盗まれるため、2012年モデルからイモビライザーを標準装備。それで盗難件数が減少した。
ただし、イモビライザーがついていれば盗まれないかというと、そんなことはない。窃盗グループはあらかじめ特定車種のイモビカッターを持ち、獲物を物色する。ただ、イモビカッターなしで盗むのは非常に困難。その分被害が減少すると考えられる。
盗難件数ではなく盗難率で見ると、保有台数の少ないランクル(3位)がダントツ1位で、プリウスの4倍以上になっている。
ランクルは昨年、1000台に2.2台が盗まれてしまった。10年保有していれば100台に2台盗まれる計算になるから、ランクルユーザーは真剣に注意が必要だ。
日本損害保険協会の調査(保険金を支払った事案数)でも、ベスト3の顔触れは同じ。プリウス、ハイエース、ランクルは、自動車盗難被害の四天王ならぬ三天王と言える。
実用車の帝王に悪路の帝王。そして燃費の帝王が狙われる!?
ではなぜ、三天王が集中的に狙われるのか?
その理由は、盗難車は盗まれた後どうなるか、にカギがある。
もちろんこれに関しては、正確な統計は存在しない。なにしろ盗難車は、発見・検挙されなければ、闇に消えてしまうのだから。
が、多くの場合は一旦バラバラに分解され、部品になると言われている。
部品は海外に輸出されて、ふたたび完成車に組み立てられて走る場合もあれば、部品のまま使用される場合もある。
盗難車にそれほどの価値がない場合は、ナンバープレートだけが国内で犯罪に利用されることもあるが、盗難人気車種に関しては、多くが海外に売られると思っていいだろう。
日本で盗まれたクルマは、多くがアジアやアフリカなどの発展途上国で活躍(?)する。つまり途上国で人気のあるクルマが盗まれやすいことになる。
ハイエースは実用車の帝王であり、ランクルは悪路の帝王。そしてプリウスは燃費の帝王。この3台の人気が途上国で高いため、現地では再組立て・修理等のノウハウが蓄積されていることが想像される。
[Text:清水草一]
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