EV時代到来!とは言うけれど・・・本当のところみんなどう思う!?【週刊 クルマ事件簿】

自動車の電動化は待ったなしどころか待ちっぱなし!?

日経新聞を読んでいると、もう間もなく内燃機関自動車(フツーのガソリン車やディーゼル車)は消滅し、EV時代がやってくるような印象になるが、ユーザーはどう考えているのか?

先日発表された、日本自動車工業会の乗用車市場動向調査(2017年度版)には、「エンジン(動力)タイプ意向の変化」という項目があり、クルマを買い替えようという意向がある人に、どのエンジン(動力)タイプを選ぶつもりかを聞いている。

買い替え予定車のエンジン(動力)タイプ

1位 ガソリンエンジン/62%

2位 ハイブリッド/30%

3位 電気自動車(EV)/4%

4位 ディーゼルエンジン/2%

4位 プラグインハイブリッド/2%

6位 燃料電池車/0%

EVの購入を考えている人は、わずか4%。プラグインを含めても6%だ。日本政府が推進している水素社会の目玉・燃料電池車(EVの一種)にいたっては、なんと0%! 実際にはゼロではなく微量はあるようだが、四捨五入するとゼロだ。

自動車の電動化は、こと日本国内に関しては、待ったなしどころか待ちっぱなしという感もなきしにもあらずである。

ただし、EVには伸びしろはありそうだ。というのも、現在売れている割合を見ると、EVは1%強。つまり、近い将来現在の数倍に増える可能性は秘めている(数倍に増えても数パーセントだが)。

ちなみに近年のエンジン(動力)別の国内販売割合は、ぶっちゃけガソリン車が約7割、ハイブリッドが3割弱。ディーゼルは3%、EVが1%というところだ。

ディーゼルへの期待値が驚くほど低い!

今回の調査で個人的に最も注目したのは、ディーゼル車への買い替えを考えているユーザーの衝撃的なまでの少なさだった。わずか2%とは!

近年、ディーゼルの本場・ヨーロッパでも、ディーゼル車の販売比率は落ちている。数年前までは約半数がディーゼルだったが、直近は約4割にまで減った。

と言っても4割というのは凄い数字だ。日本におけるハイブリッド車の販売割合を上回っている。

2012年、マツダが画期的なクリーンディーゼルエンジン「スカイアクティブD」をリリースし、輸入車勢でもメルセデスやBMWなどが積極的にディーゼル車を日本に投入。BMWでは、今や販売台数の半分近くをディーゼル車が占めているが、一般ユーザーの期待値は驚くほど低く、少なくとも飛躍的な伸びは期待できそうにない。

背景には、2015年に発覚したVWによるディーゼル不正事件で、日本国内にもディーゼル車に対する失望のようなものが広がったことがあるだろう。前回2015年の調査では、ディーゼル車への買い替え意向割合は3%あったのだが、それが2年後の今回、2%に落ち込んでいる。

クリーンディーゼルには、まだまだ技術的な可能性もあるのに・・・

個人的には、仕事柄ロングドライブが多いため、「実用車はディーゼル車がベスト」と考え、現在はBMW 320dに乗っている。なにしろ日本ではガソリンより軽油の方がずっと安い。実はこういう国は珍しく、欧米ではガソリンも軽油も価格はほぼ同じだ。

軽油が安い日本では、ディーゼル車の燃料代は、ロングドライブならプリウスなどハイブリッド車とほぼ同じで済む。それでいて加速感ははるかに上で、特に高速巡航では快適そのものだ。

クリーンディーゼルには、まだまだ技術的な可能性もあり、日本でも販売シェアが1~2割まで高まってもいいと考えているのだが……。

[レポート:清水草一]

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清水 草一
筆者清水 草一

1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。代表作『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高はなぜ渋滞するのか!?』などの著作で交通ジャーナリストとしても活動中。雑誌連載多数。日本文芸家協会会員。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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