ボルボ V60 T5 R-DESIGN[新パワートレインDrive-E搭載・2014年モデル] 試乗/岡本幸一郎(2/3)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:オートックワン編集部
意外と価格帯も近い「T5」と「T4」、どっちが買い!?
この「Drive-E」による新T5エンジンを搭載する「T5」は、S60/V60については、既存の「T4」や「T6」と置き換わるのではなく、両者の間を埋める新規モデルとして追加設定された。ただし、「T5」に設定されるのは上級の「SE」とスポーティな「R-DESIGN」のみで、「T4」にあるベースモデルはない。
「T6」は別格として、「T4」と「T5」の車両価格の差は25万円とそれほど大きくない。そして、エコカー減税が50%から75%(金額にして7万円以上!)になるため、実質的な出費の差は、さらに小さいものとなる。
加えてエンジンスペックも、最高出力が48kW[65ps]、最大トルクでは実に110Nm[11.2kgm]もの大差がついており、JC08モード燃費についても「T5」のほうが0.8km/Lも上回る。
どちらを推奨するかというのは、すでに結論が見えているような話だが、そこでさらに「T5」の優れたドライバビリティがダメを押す。価格差を補ってあまりがありすぎるほどの実力の持ち主である。
圧倒的に力強くスムーズなV60 T5の走り
「T4」でも性能面で大きな不満はないが、やはり「T5」のほうが圧倒的に力強く、かつスムーズだ。エンジン自体の振動は極めて少なく、車内への透過音もよく抑えられていて、静粛性にも優れている。とにかくトルクの太さが段違いだ。
トランスミッションがDCTかATかという違いは大きく、トルコンの有無による扱いやすさの差は歴然としている。それでいて「T5」の新しい8速ATは、DCTと比べて遜色ないほどのダイレクト感もあるし、8段に刻まれたギアのシフトチェンジも極めてスムーズに行なわれる。
また、これまで未設定だったパドルシフトが、2014年モデルより、ようやく設定されたことも歓迎したい。
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