トヨタや日産でも無理?若者向けに安くて楽しいクルマは作れないのか(2/2)
- 筆者: 桃田 健史
若者が購入したいと思えるクルマとは?
このように、日本全国では、様々な社会変化が起こっているなか、“若者が買いたい”と思えるクルマは今後、出てくるのか?そのためには、自動車メーカー自身が、社会の変化を強く意識することが第一だ。
例えば、トヨタの場合、高度経済成長期にキャッチコピー、『いつかはクラウン』を大々的に訴求した。若者はクラウンという到達点を目指して、エントリーモデルのカローラを買った。その後、コロナ、カリーナ、マークⅡと、クラウンへ到達するための階段を、年齢を重ねて収入が伸びるに従って、徐々に登っていった。
また、そうした王道の階段とは別に、若者は走りの楽しみや、所有することの優越感や満足感を得るために、セリカなどのスポーツカーを買った。さらには、ハイソ(サイティ)カーと呼ばれたソアラに憧れた。
こうした旧態依然とした製品企画は、現在でも、またこれから先も通用しないことは、トヨタ自身も十分に承知している。現在では、ミニバンと軽自動車という<生活利便性を最重視>が、若者層を含め全世代に対するクルマの訴求方法になっている。
答えを出すのは、本当に難しい
庶民とクルマの関係が大きく変化するなか、若者の心に強く突き刺さるクルマを作るのは、本当に難しい時代だ。
自動車メーカーとして、その答えを見つけたメーカーはない。
ビックデータ化、自動運転化、人工知能化、そして所有から共有。巨大な技術変革、そしてサービスの変革が起こるなかで、若者が購入したいと思えるクルマの形は、まだ見えてこない。
[Text:桃田健史]
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