ついに登場した新型プリウス! 先代型から乗り替えるユーザーは実用性の低下と値上げに要注意!【2022年】

  • 筆者: 渡辺 陽一郎
  • カメラマン:MOTA編集部/トヨタ自動車
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トヨタ プリウスの車名は、多くの皆さんがご存知でしょう。エンジン駆動とモーター駆動を併用するハイブリッドの主力車種です。

このプリウスがフルモデルチェンジを行います。2022年11月16日(水)に概要が公開され、発売はハイブリッドモデルは今冬、プラグインハイブリッド(PHEV)モデルは2023年春頃に予定しています。

今回は発表された内容から新型プリウスのボディサイズや燃費、価格予想などをカーライフ・ジャーナリストの渡辺 陽一郎さんが解説します。

目次[開く][閉じる]
  1. 新型プリウスのデザイン
  2. 新型プリウスの特徴
  3. 新型プリウスのボディサイズ
  4. 新型プリウスのパワーユニット(動力源)、燃費

新型プリウスのデザイン

新型プリウスの外観は、従来と同じ5ドアハッチバックですが、フロントウインドウは大きく寝かせました。全高は40mm下げています。タイヤサイズは19インチ(195/50R19)も用意され、スポーツ指向を強めます。

ハイブリッドシステムは、従来と同じ1.8Lに加えて2.0Lも用意され、2.0Lをベースにしたプラグインハイブリッドもあります。このように新型プリウスは、従来型に比べると外観はカッコ良く、走行性能も向上して、スポーティカーのようになりました。

この背景にある狙いは「プリウスを廃止せずに存続させること」です。

プリウスの過去を振り返ると、初代モデルは1997年に世界初の量販ハイブリッドとして発売されました。

その後も進化を続け、2009年に発売された3代目は、居住性、走行性能、燃費を向上させて、価格は割安に抑えました。国内では販売店舗数も全店扱いにしています。

そのために3代目プリウスの国内登録台数は、2010年に、1か月平均で2万6000台に達しました。2021年に国内で最も多く販売されたヤリスシリーズ(ヤリスクロスとGRヤリスを含む)が1万8000台ですから、3代目プリウスの人気は凄かったです。

ところが2015年に登場した4代目の従来型プリウスは、2016年の登録台数が1か月平均で約2万台です。3代目に比べて勢いが弱まり、2019年には、コロナ禍前でしたが約1万台に半減しています。

そして2021年の1か月平均は約4000台でした。2019年と比べても、売れ行きは半分以下です。国内の新車全体の販売台数は、2021年は2019年の86%だったので、プリウスの半減は深刻です。

ここまでプリウスの売れ行きが下がった理由は、ハイブリッド車の増加です。2010年の時点では、トヨタの場合、ハリアー/エスティマ/クラウンのハイブリッドやSAIはありましたが、アクアは登場しておらず、ヤリス(ヴィッツ)/カローラ/シエンタ/ノア&ヴォクシーなどのハイブリッドもありません。今はトヨタ車の大半にハイブリッドがあり、ハイブリッド専用車のプリウスは売れ行きを下げました。

つまりプリウスは「ハイブリッドを普及させる」という目的を見事に成し遂げて、使命を終えたのです。廃止する方法もありました。

しかしプリウスはハイブリッドの基幹車種で、トヨタは廃止を避けて存続させる判断をしました。状況はクラウンに似ています。クラウンも「日本向けの高級セダン」の使命を終えて、国内登録台数を最盛期のわずか10%まで下落させました。

しかし基幹車種なので存続を図り「世界でも販売できるSUV」に発展させています。合計4種類のボディをそろえてシリーズ化して、絶対に廃止させない方針です。

そうなるとプリウスはどうすべきか。実用的なハイブリッドは、今はSUVのカローラクロス、ミニバンならシエンタやノア&ヴォクシーなど豊富にそろいます。

新型プリウスの特徴

そこで新型プリウスは「最先端ハイブリッドの価値」を追求しました。ハイブリッドにとって一番の特徴は優れた燃費/環境性能ですが、モーター駆動も併用するから瞬発力もあります。そこで新型プリウスは、燃費の向上と併せて、ハイブリッドならではの滑らかな走りを追求します。

またハイブリッドは発電したり、PHEV(プラグインハイブリッド)なら外部からの充電も行います。この機能を活用すると、100V・1500Wの電源コンセントを装着して外部への給電が可能になり、災害時にも役立ちます。

そこで新型プリウスは、ドアを閉めた状態で、車内のコンセントから電源コードを外部へ引き出せるサイドウインドウのアタッチメントも用意しました。細かな装備ですが、電力供給機能を際立たせます。

モーター駆動を併用するハイブリッドは、ノイズを小さく抑えられるため、新型プリウスでは遮音をさらに入念に行います。音質の優れたオーディオシステムも用意して、ハイブリッドの優れた静粛性をメリットとして生かします。

以上のように新型プリウスは、ハイブリッドシステムから細かな装備まで「最先端ハイブリッドの価値」を追求する方針です。そのために以前に比べると、実用性の優先順位は下がり、スペシャリティカー的な傾向を強めます。この点は先代までのプリウスオーナーにとっては注意が必要です。

新型プリウスのボディサイズ

先ほど触れたように、新型プリウスでは実用性の優先順位が下がっています。具体的にはボディサイズとスタイルが挙げられます。新型プリウスのボディサイズは全長4600mm、全幅1780mm、全高1430mmとされ、従来型に比べると25mm長く、20mmワイドで、40mm低いです。ホイールベース(前輪と後輪の間隔)は50mm拡大して、2750mmになりました。

この寸法の違いもあり、新型プリウスの外観は、低く構えた印象です。フロントピラー(柱)が大きく寝かされ、ボンネットからフロントウインドウを直線的に繋げています。ボディを拡大して、さらに斜め後方の視界も悪化しますが、先進性と走りの良さは表現できました。

車内の雰囲気は5ドアクーペ風です。全高が40mm下がったことで、後席は床と座面の間隔が減りました。頭上の空間に不足はありませんが、腰が落ち込んで膝の持ち上がる座り方です。従来型に比べて閉鎖感を強めています。ドアの開口部も上側が下がり、乗降時には頭を低く抑える必要があります。乗降性も悪化したので、従来型から新型に乗り替える時は後席に注意しましょう。

新型プリウスのパワーユニット(動力源)、燃費

新型プリウスのパワーユニット(動力源)は以下の通りです。1.8Lハイブリッド(最高出力:140馬力/0-100km/h加速:9.3秒)、2Lハイブリッド(193馬力/7.5秒)、2L・PHEV/プラグインハイブリッド(223馬力/6.7秒)というものです。PHEVの充電された電気を使ってエンジンを駆動させずにモーターだけで走行できる距離は50%以上伸びるため、100km前後に達します。

PHEVの加速性能は、停車時から時速100kmまでの所要時間が6.7秒ですから、かなり速いです。ミニ ミニクーパーSなどと同等です。運転を楽しめる性能です。

新型プリウスのWLTCモード燃費は、今のところ公表されていません。開発者によると、最も燃費の優れた1.8Lエンジン搭載車でも、40km/Lの大台に乗せるのは不可能です。ヤリスハイブリッドの35.4km/L〜36.0/Lにも劣ります。

それでも従来型のプリウスEは32.1km/Lで、新型プリウスはこれを上まわるため、新型プリウスのWLTCモード燃費は32.5/L〜34km/Lくらいになりそうです。つまりアクアの33.6km/L〜35.8km/Lに近い性能です。従来型のプリウスSやプリウスAの2WDは30.8km/Lですから、従来型から新型に乗り替えると、燃料代を7〜10%節約できます。

次期プリウスの価格は分かりません。車両の性格が先進性を重視して実用指向を弱めるため、値上げされそうです。従来型のプリウスSは273万1000円、プリウスAは300万4000円ですから、新型プリウスは価格の安いグレードが299万円くらいでしょう。1.8Lの売れ筋が320万円前後で、2.0Lは340万円前後です。

PHEVは従来型のプリウスAプレミアムが401万円で、この価格はほぼ据え置かれると思われます。そしてPHEVでは、2022年度の実績では経済産業省から55万円の補助金が交付されます。これを差し引くと約350万円ですから、2.0Lハイブリッドと価格が接近します。

つまり補助金の交付を含めると、2.0Lハイブリッドよりも、PHEVの買い得度が強まります。その意味で売れ筋になるのは、1.8LとPHEVです。2.0Lは走行性能や技術面で注目されるものの、売れ行きは伸び悩みます。

販売店によると、「今後の細かなスケジュールは未定ですが、12月中旬になると価格も明らかにして受注を開始するでしょう」とのことです。

それにしても新しい発展をした新型プリウスは、皆さんからどのように評価されるのでしょうか。時代が大きく変化する中で、伝統的なクラウンとプリウスがフルモデルチェンジを行い、新しい方向に発展しています。クルマ選びが楽しくなってきましたね。

【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:MOTA編集部】

トヨタ/プリウス
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新車価格:
259.7万円364万円
中古価格:
29.8万円398.3万円

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

なかの たくみ (MOTA編集長)
監修者なかの たくみ (MOTA編集長)

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