トヨタ 新型 ハリアー・ハリアーハイブリッド[3代目・2013年12月発売モデル] 試乗レポート/今井優杏(3/4)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:島村栄二・和田清志
2.0リッターガソリンモデルは、あえての「アメリカン」な乗り味
ラブコールを受けて再生したから、その乗り味はいじらしいまでに先代イメージを踏襲している。特に感じたのは2.0リッター直4ガソリンエンジンの、アメリカンすぎるアシの味付けだ。
つまり、とにかく柔らかい。ロールするのだ。
ここのところ流行しているオンロード方向のSUVが大体持っている、快活でアクティブに締まったアシのイメージのままコーナーに差し掛かると、舵角を計算出来なくて思わず後半にステアリングを切り足してしまうほど、サスペンションが激しく沈む。
ハンドルのほうもどちらかというとルーズめに味付けしてあり、大き目に切っていかないと、思わぬ軌道を外側に大きく描くことになる。
そんな挙動だから、細々したコーナーが左右に続くワインディングなんかを走ると助手席の人が顔を青くしたりするから、注意して欲しい。
17インチタイヤ車は小回り性能が抜群
たとえば同じボディにV6 3リッターあたりのエンジンが用意され、トルクが充分に出ていて、上り坂でもエンジンパワーがコーナリング後半まで舵角をアシストするような設定ならいいのだが、2.0リッターNAエンジンにこのユルさはちょっと酷だ。コーナー後半にパワーが途切れ、失速することで踏み足し・切り足しが絶対に生じる。
ハンドル操作が大きくなることはそれだけ無駄な労力を使わなければいけないということ。ドライバーの疲労に直結するので、やや試乗の後半は疲れてしまった。
ただ、ひとつ感激することが。17インチタイヤ装着車の小回りが異様なほどにイイのだ。とにかくくるんくるん回れてしまうから、細い路地の奥なんかによく通うような人にはいいかもしれない。
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