間もなく登場のトヨタ 新型アクア! 10年間販売した初代アクアのヒット要因は低価格&低燃費、そして豊富なバリエーションにあった

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トヨタのコンパクトハイブリッドカーとして2011年12月に登場したアクア。気づけば今年2021年で10年目を迎えるロングセラーモデルとなっているが、いよいよこの夏にもフルモデルチェンジという情報が入ってきた。そこで今回は、これまでの10年で160万台弱の販売台数を誇るアクアの歴史を振り返る。

目次[開く][閉じる]
  1. 日本市場を意識したサイズで大注目! トヨタ アクアはプリウスに次ぐ大ヒットを期待されたモデルだった
  2. 200万円以下で買えるコンパクトハイブリッドとあって大注目! トヨタ アクアはスポーツモデルやSUVなどバリエーションも豊富だった
  3. これまで日本国内で160万台弱を販売

日本市場を意識したサイズで大注目! トヨタ アクアはプリウスに次ぐ大ヒットを期待されたモデルだった

通常5年前後でフルモデルチェンジが行われる日本車において、デビューから10年にも渡って販売されるトヨタのコンパクトハイブリッドカー「アクア」は大変珍しい存在だ。

中には“フルモデルチェンジするほどではないけれど、無くすほど売れていないわけではない”という消極的な理由によって販売が続けられたモデルも存在しているが、アクアは現在でも販売台数ランキングのトップ15前後にランクインするほど売れているモデルでなのである。

そんなアクアの源流とも言えるのが、2010年の北米国際自動車ショー(デトロイトモーターショー)に出展された「FT-CH」というモデルだった。

当時は「圧倒的な環境性能」を追求しながら「走る楽しさ」との両立を目指したコンパクトクラスのハイブリッド専用車、という表現のみでメカニズムなどは公表されなかった。

だが、全幅が日本の5ナンバーサイズいっぱいの1695ミリであったことで、日本市場も意識していたことを垣間見ることができた。

そして翌年、2011年の同モーターショーには「プリウスC コンセプト」と名前を変えて再び登場。このときは「プリウスV(日本名:プリウスα)」も合わせて出展され、プリウスファミリーの拡大を予感させるものとなっていた。

なお北米市場でのアクアは、このショーのときの名前である「プリウスC」として販売されており、明確にプリウスファミリーであることをアピールしていた(北米市場では2019年で終売)。

200万円以下で買えるコンパクトハイブリッドとあって大注目! トヨタ アクアはスポーツモデルやSUVなどバリエーションも豊富だった

2011年12月、圧倒的な燃費性能を引っ提げアクア登場

2011年12月に日本で発売が開始されたアクアは、5ナンバーサイズのコンパクトハイブリッドカーとして、圧倒的な燃費性能を引っ提げて登場。

パワートレインは2代目プリウスに搭載されていた1.5リッターエンジンとモーターを組み合わせたTHS-IIをベースに、より小型軽量に改良されたものが採用された。

その結果、10・15モード燃費で驚異の40.0km/L(JC08モード燃費は35.4km/L)を実現。さらに価格も169万円~185万円と、ハイブリッド車ながら200万円を切る低価格というのも人気を後押ししたと言えるだろう。

初の一部改良では燃費性能の向上とスポーツコンバージョンモデル「G's」が登場

2013年11月に行われた一部改良では、エンジンのフリクション低減やモーターやインバーターなどの制御を改良し、ハイブリッドシステムの効率を向上。その結果、JC08モード燃費で従来比+1.6km/Lの37.0km/Lを実現した。

また、サスペンションのチューニングや遮音材の追加によって乗り心地と静粛性の向上も果たし、スポーツコンバージョンモデルの「G's(ジーズ・のちのGRスポーツ)」を追加設定。

このG'sは、専用デザインの前後バンパーなどのエクステリアの変更はもちろん、専用のサスペンションや補強材やスポット増しによるボディ剛性アップ、17インチホイールの採用などでハイブリッド車のイメージを一新するスポーティな乗り味を実現し、一躍人気グレードとなった。

アクア初のマイチェンではSUVブームに合わせクロスオーバーモデルのX-URBANが登場

2014年12月には、マイナーチェンジを実施し、新意匠のフロントバンパーやバイビームLEDヘッドランプの採用でエクステリアのイメージを一新。

さらに、急速に勢いを増していたクロスオーバーSUVブームに合わせて、新グレードの「X-URBAN(エックス アーバン)」を新設定。パワートレインに変更はないものの、最低地上高を20ミリアップさせる専用サスペンションや、専用フロントグリル、サイドマッドガード、ルーフモールなどを備えてクロスオーバーらしいアクティブなイメージを体現したものとなっていた。

2015年には先進安全装備を搭載

2015年11月に行われた一部改良では、先進安全装備である「Toyota Safety Sense C」を装着(一部グレードではオプション)。これにより衝突被害軽減ブレーキやレーンディパーチャーアラート、オートマチックハイビームなどが装着され、より安全性も向上している。

2度のマイナーチェンジでデザインと燃費性能を進化!

2度目のマイナーチェンジが行われたのが2017年6月のこと。このマイナーチェンジでは、エクステリアが大幅に変更されており、バンパーはもとより、ヘッドライトやボンネット、フェンダーまでもが一新され、より近代的なルックスに変貌を遂げた。

また、内装でもセンターメーターにTFTマルチインフォメーションディスプレイを標準装備し、ホワイトソフトレザー(合成皮革)を採用するグレードも用意するなど、全体的に高級感がアップした。

メカニズムの面でもボディ剛性の向上とタイヤサイズのアップ(175幅から185幅へ)をすることで、優れた操縦安定性を確保。さらにエンジンの改良やハイブリッドシステムの制御を見直し、Lグレードでは当時のクラストップとなる38.0km/L(JC08モード)をマーク。デビュー時が35.4km/Lだったことを考えるとかなりの進化と言えるだろう。

そして、従来型に存在していたクロスオーバースタイルの「X-URBAN」を「Crossover(クロスオーバー)」へと変更。新デザインのバンパーのほか、フェンダーアーチモールを備えてよりアクティブなイメージを実現。さらに足回りも専用のチューニングとし、SUVらしいしっかりとした操舵感を追求していた。

G’sからGR SPORTへの進化と先進安全装備がさらに向上

2017年11月には、スポーツコンバージョンモデルである「G’s」が「GR SPORT」へ置き換えられ、新たな専用デザインのバンパーが採用されている。

進化を止めることがないアクアは翌2018年4月に先進安全装備である「Toyota Safety Sense C」を「Toyota Safety Sense」と改め、新たに衝突被害軽減ブレーキに昼間の歩行者検知機能を追加。さらにペダル踏み間違え時の衝突被害軽減に寄与する「インテリジェントクリアランスソナー」をオプション設定した。

また同年12月には、後付けの踏み間違い加速抑制システムを発売。これは前後に装着する超音波センサーによって障害物を検知し、ペダルの踏み間違いと判断された場合は加速が抑制されるというもので、2018年4月以前に販売されたアクア(一部グレードを除く)が対象となっている。

そして2020年9月には、すでに販売された「Toyota Safety Sense C」装着車に、新たに昼間の歩行者検知機能を追加するソフトウェアのアップデート(有償)もスタート。既存のアクアユーザーもより安心して乗ることができるようになった。

これまで日本国内で160万台弱を販売

このように、大きな変更をピックアップしただけでもかなりの進化が続けられたアクア。現在までに日本国内で160万台弱が販売されており、その台数は驚くばかり。

初のフルモデルチェンジとなることで、周囲の期待とプレッシャーも計り知れないモノがあるとは思うが、2代目アクアは初代を超えるようなモデルになるのかどうか、注目したいところだ。

[筆者:小鮒 康一]

トヨタ/アクア
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新車価格:
214.6万円283.7万円
中古価格:
30.5万円368.2万円

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小鮒 康一
筆者小鮒 康一

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後に急転直下でフリーランスライターへ。国産旧車に造詣が深いが、実は現行車に関してもアンテナを張り続けている。また、過去に中古車販売店に勤務していた経験を活かし、中古車系の媒体でも活動中。最近では「モテない自動車マニア」の称号も獲得。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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