俳優の哀川翔氏が参戦するAXCR2018の模様を現地カンボジアからお届け! 【Day.6】

  • 筆者: 松田 タクヤ
  • カメラマン:古閑 章郎

LEG5 コンポントム → コンポンチャム間197キロを走破

昨日の水没地獄のSSから脱出したFLEX SHOW AIKAWA RACING TEAMのランドクルーザープラドは、その夜ホテルにてメカニックたちの手によって入念な整備を受けた。

実は18日土曜の最終LEG6に組み込まれているSSの距離が23.2kmと短く、順位の変動が少ないことが予想されるため、実質的にプッシュできる最後のSSとして翌17日のLEG5に万全の体制で備えねばならなかったからだ。

学校教育の一環でメカニックとして派遣されていた中央自動車大学校の学生達もこの夜はいつも以上に活躍した。このチームは大黒柱である哀川翔選手が彼らと身近に接し、よく激励に来たりするのでチームが明るく、士気が高いのも特徴だ。

哀川翔選手も次から次へと襲いくる「経験したことがない」状況に何度も遭遇しながら、ここまでマシンを大きく壊すことなく順調に走らせてきている。実はFLEX SHOW AIKAWA RACING TEAMのランドクルーザープラドはトップチームほど大きな改造を受けているわけではない。

>>この日は大きなトラブルもなく順位を上げた!LEG.5の画像ギャラリー【写真42枚】

“ユーザーのクルマとかけ離れないカスタム”がコンセプトのFLEXプラド

トップチームはサスペンションアームそのものを改造してトレッドを広げたりストロークを増したり、レーシングスペックの長いダンパーを装着したりして、極悪路でもハイスピードのまま駆け抜けられるようにしているのだが、このプラドは基本的にノーマルの脚まわりをベースにアッパーマウントやロアマウントに補強を施し、ダンパーにはユーザーでも購入可能なJAOSの高性能製品を使い、ノーマルプラスαのコンセプトでセットアップしてあるクルマなのだ。

もちろん、過去の経験から壊れやすいところ、トラブルの原因になりそうなところには追加対策が施されてある。そのあたりの工夫にFLEXならではの技術が活かされているのだが、基本は「ユーザーの車からあまりかけ離れた仕様にならないよう、バランスよく仕立てた車で過酷なラリーに挑戦すること」をプロジェクトの柱に据えてきたのだ。

完走を目標として、攻めながらもクルマをいたわるドライビングスタイル

したがって、哀川翔選手もフラットダートなどノーマル仕様の強度でも十二分に活躍できるエリアでは果敢に攻めつつ、凹凸の激しい路面などトップチームと同じ速度域で走るのが厳しいエリアでは、クルマをいたわるドライビングへ切り替えている。

それもこれも全て「完走」の二文字を手に入れ、その喜びをチーム全員で分かち合うための作戦だ。基本的にクルマの扱いが丁寧な哀川翔選手だが「壊さない」という想いがメカニックに伝わって信頼関係が醸成されているのだろう。この過酷なラリーをリタイアせずに戦い続けられているのも、ドライバーの哀川翔選手の優しい人間性に因るところも大きい。

そして迎えたLEG5、哀川翔選手とナビの保井隆宏選手は万全を期し、ゴールを目指してスタートしていった。結局、この日前後半に分けて設定されていたSSは、後半セクションに地元のトラックが侵入し、ぬかるみでスタックした上に故障して立ち往生してしまったので四輪の車幅では通過できなくなりキャンセルとなってしまったが、前半セクションだけで競技が成立。SSの様子は哀川翔選手とナビゲーターの保井隆宏選手に語っていただこう。

【Day.6】哀川翔選手と保井隆宏選手へのインタビュー

今回のSSはどうでしたか?

保井:今日もナビゲーションが難しかったですね。全日本ラリー選手権などパッセンジャーカーのラリーでも同じようにコマ地図を使って助手席でナビゲーションするんですけど、基本的に事前に試走してコースを全て確認してペースノートを作り、レース本番ではマシンやドライバーに合わせてタイミングよく指示を出していくようなスタイルなんですよね。

でもこういったクロスカントリーラリーでは、コマ地図が示す競技区間を事前に走ることができません。初めて走るコースをコマ地図を順に追いながらクリアしていくんです。

ある種アドベンチャー的な要素が組み合わされているんですよ。ぶっつけ本番だからミスコースなんてこともあるし、ミスコースしたら現場でどうすべきかすぐに判断していかないと、時間がどんどん過ぎていってしまいます。

このコマ地図は競技前に現地を確認しながら距離を測って制作していくものなのですが、作る人によって癖があったりして、実際のナビゲーションもその癖を加味しながら読み取っていくものなんです。その癖がちょっとわかりづらかったですね。なので、今日も少しミスコースしてしまいました。

哀川:しょうがないよ。だって70メートルとか、信じられないような短い距離でバンバンコマ地図が打ってあるんだもん。それよりね、もう凸凹がすごいのさ。走ってるとハンドルにキックバックがきて、それを抑えようと必死で握ってるもんだから、もう両手がパンパン!いやあタフなラリーだよね。ホント。

総合順位もジャンプアップしましたが、手応えはありましたか?

哀川:うん、行けたね。イケてたよ今日は。キッチリ走りきったね。この調子で明日もしっかり走ってプノンペンにゴールしたいね。あと少し、みんなあと少しだよ!もう1日頑張って行こう!!

総合順位を18位から15位までジャンプアップさせたFLEX

この日果敢に攻めた結果、18番スタートだった哀川翔選手は14番手のタイムを刻むことに成功し、総合順位では18位から15位にまでジャンプアップすることができた。

ここまで大きなトラブルなくきているFLEX SHOW AIKAWA RACING TEAMのランドクルーザープラドではあるが、いつ何があるか分からないのがアジアクロスカントリーラリーの難しさであり楽しみでもある。

さぁ、明日はいよいよLEG6だ。どんなドラマが待ち受けているのか、今の時点では誰もわからない。AXCR2018最終日、哀川翔選手と保井隆宏選手の活躍に期待したい!

■Day.1のレポートはコチラ

■Day.2のレポートはコチラ

■Day.3のレポートはコチラ

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■Day.5のレポートはコチラ

[Text:オートックワン編集部 Photo:古閑 章郎]

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筆者松田 タクヤ
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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