激戦の軽自動車市場で培ったノウハウを小型車開発に反映/スズキ 新型「ソリオ」「ソリオ バンディット」ハイブリッド 試乗レポート(4/5)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正・和田清志
フロントシートとインパネ周りの美点と課題点
新型ソリオはカーナビやエアコンのスイッチパネルを先代型よりも前方に押し込み、運転席の周辺を開放的に仕上げた。運転席から助手席、あるいは後席への移動性も少し向上した。
その半面、インパネとドライバーの間隔が開き、左下に装着されるエアコンのスイッチは少し遠く感じる。いっぽうでインパネ周辺の質感はおおむね満足できる。デザインはオーソドックスだが馴染みやすい。
前席はサイズがタップリしている。特に座面の奥行が長い。乗員が座面に沈む量は大きめで、座り心地にはボリューム感がある。
ただし体重が加わる座面の後方と背もたれの下側は、もう少し密度感のある造りにして欲しい。そうなれば着座姿勢がさらに安定する。またバンディットのシート生地は、MZと同様のファブリックとしながら少し滑りやすく、着座感が気になった。
広々した後部座席、実際に座ってみるとどうなの?
後席は前後のスライドが可能で、背もたれを前に倒すと座面も連動して下がる。先代型と同様、荷室の使い勝手を高める工夫を盛り込んだ。
となれば後席の座り心地が良くない影響を受けそうだが、座面に底突き感はない。体が沈む量を10mmほど増やすと、さらに快適になるだろう。
背もたれはやや不自然に柔らかく、腰骨の上側あたりを中心に硬めにすると良い。現状では着座姿勢が少し安定しにくい。
床と座面の間隔が十分にあって快適だが、小柄な乗員が座ると膝の裏側を押された感覚になりやすい。シートの座り心地は乗員によって受け取り方が変わることが多いから注意したい。
後席のスペースはかなり広い。身長170cmの大人4名が乗車して、後席を後端までスライドさせた時の膝先空間は握りコブシ3つ半。前席背面に折り畳み式のテーブルを装着しながら、数あるコンパクトカーの中でも最大級だ。頭上にも握りコブシ2つ半の余裕がある。
低い床がもたらす良好な乗降性
このほか新型ソリオで注目される機能は乗降性。ドアの開口部が広く、特に後席のスライドドアは開口幅を先代型よりも60mm広くした。先代型のスライドドアはパレットから派生したタイプを流用して開口幅は580mmと狭めだったが、新型は640mmだから十分だ。
また床も低い。スライドドア部分の床面地上高は360mm。「ホンダ ステップワゴン」や「トヨタ ヴォクシー」&「ノア」に比べると約30mm低く、「トヨタ ポルテ」&「スペイド」の300mm、シエンタの330mmに迫る。開口幅の拡大と相まって乗降性は大幅に向上した。
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