激戦の軽自動車市場で培ったノウハウを小型車開発に反映/スズキ 新型「ソリオ」「ソリオ バンディット」ハイブリッド 試乗レポート(2/5)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:茂呂幸正・和田清志
軽ではSエネチャージと読んでいた仕組み、ソリオでは「ハイブリッド」と明言する理由
今回試乗した新型ソリオのグレードは、標準ボディの「G」(145万4760円)、同じく標準ボディで最上級の「ハイブリッド MZ」(184万1400円)、「ソリオ バンディット MV」(182万5200円)の3種類。試乗車の駆動方式はすべて前輪駆動の2WDである。エンジンは直列4気筒の1.2リッターだが、Gはノーマルタイプ、そのほかはマイルドハイブリッドだ。後者はモーター機能付き発電機のISGを搭載。このISGが電装品に電力を供給するための発電、アイドリングストップ後の再始動(スターターモーターの役割)、エンジンの支援(ハイブリッドの機能)を担当する。
仕組みは「ワゴンR」などの軽自動車が採用する”Sエネチャージ”とほとんど同じだが、ソリオの名称は「マイルドハイブリッド」。ソリオがハイブリッドを名乗る理由も開発者に尋ねた。
「軽自動車では2012年に登場したワゴンRで”エネチャージ”という言葉を使いました。これが定着したので、2014年にハイブリッド機能を追加した時も”Sエネチャージ”としています。一方、小型車にはハイブリッドが多く今では馴染み深い存在です。なのでマイルドハイブリッドにしました」と言う。
フルハイブリッドほどではないが、十分に高い燃費効率
そこでまずは新型ソリオのマイルドハイブリッドの動力性能を試した。
ハイブリッドの機能は、発進直後から時速100kmまで、最大30秒間にわたって作動する。モーターの最高出力は3.1馬力、最大トルクは5.1kg-mになる。
基本的には発電とエンジンの再始動を行うモーターだから、エンジンを支援する駆動力は小さい。エンジン回転と速度が上昇している時は、モーター駆動の効果を体感しにくいが、発進直後の印象はノーマルエンジンのGとは違っていた。
エンジンが1300〜1500回転くらいでゆっくりと走りながらアクセルペダルを少し踏み増すと、マイルドハイブリッドはGに比べて滑らかに速度を高める。一般的なハイブリッドと違ってモーターが力強く感じることはないが、エンジンの駆動力を支援する役割は理解できる。
この回転域を超えるとモーターの作動はほとんど感じないが、コンパクトカーとして動力性能に不足はない。前述の軽量化により、2WDの車両重量はハイブリッドMZ、バンディットともに950kgだ。「ホンダ フィット」の1.3リッターエンジン搭載車と比べて70kgほど軽いから、実用指向のコンパクトカーでは十分な性能だ。
JC08モード燃費は2WDが27.8km/L。本格的なハイブリッドではないから、「トヨタ アクア」の37km/Lなどに比べると差が付くが、ノーマルエンジンと考えれば「トヨタ パッソ」の27.6km/Lを超えてトップの数値になる。燃費効率は十分に高い。
[背の高いソリオ、ハンドリングはどうなの!?・・・次ページへ続く]
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