【2023年】スズキ 新型ジムニー5ドアの価格や発売時期を大胆予想|ボディサイズやスペックなど、最新購入情報をお届け!
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:マルチ スズキ インディア/MOTA編集部
スズキのインド子会社であるマルチ・スズキ・インディア社は、2023年1月にインドで開催されていたAuto Expo 2023において、かねてより噂となっていた新型ジムニー5ドアを発表しました。
人気モデルのジムニーが5ドアとなり、快適性や使い勝手の良さ、そして何より日本での発売時期など気になるところでしょう。今回はそんな注目の新型ジムニー5ドアの価格や発売時期、スペックなどをカーライフ・ジャーナリストの渡辺陽一郎さんが詳しく解説します。
スズキ 新型ジムニー5ドアのおすすめポイント
・4名乗車時の快適性が優れ、乗降性も向上
・荷室長(荷室の奥行寸法)も拡大され、積載性も向上し、ファミリーカーとしても使いやすいSUVに
スズキ 新型ジムニー5ドアの評価
新型ジムニー5ドアの良い点
・ジムニーの優れた悪路走破性に、5ドアになったことでの乗降性や室内空間拡大など、ファミリーカーとしての実用性が加わった
・直線基調の外観はシンプルでカッコ良く視界も優れている
新型ジムニー5ドアの悪い点
・4WDがパートタイム式のため、舗装路は2WDで走行しないとならない
・4速ATは燃費性能とノイズに不満が伴う
総合評価 3.8 ★★★★☆
※採点項目の内容
外観:外観デザインの印象。主観に基づくので、印象は見た人によって異なります。
内装:インパネなど内装の操作性、視認性、質感などを評価しています。
走行性:加速性能、低回転域の粘り強さ、危険回避を含めた安定性の評価です。
運転しやすさ:小回りの利き、前後左右の視界などを評価しています。
乗り心地:路上からのデコボコの伝えやすさ、突き上げ感、騒音などの評価です。
価格の割安度・燃費・維持費:機能や装備と価格のバランスなどを含めた総合的な買い得度です。
外観 | 4 | ★★★★☆ |
内装 | 3 | ★★★☆☆ |
走行性 | 4 | ★★★★☆ |
運転しやすさ | 5 | ★★★★★ |
乗り心地 | 3 | ★★★☆☆ |
価格の割安度・燃費・維持費 | 4 | ★★★★☆ |
今はクルマの売れ行きが伸び悩んでいますが、SUVは拡大傾向です。新車として売られる小型/普通乗用車の30%近くがSUVになり、約25%のミニバンを抜きました。直近の新型車を見ても、マツダ 新型CX-60、スバル 新型クロストレックなどのSUVが目立ちます。
その意味で注目されるのが、インドで展開するスズキの子会社、マルチ・スズキ・インディアが発表した新型ジムニー5ドアでしょう。
スズキ 新型ジムニー5ドアのボディサイズ
全長 | 3985mm |
全幅 | 1645mm |
全高 | 1720mm |
ホイールベース | 2590mm |
エンジン | 1.5Lガソリン |
トランスミッション | 5MT/4AT |
乗車定員 | 4名 |
ちなみに日本で新型ジムニー5ドアを販売する場合、軽自動車として売ることはできません。軽自動車の規格は、全長が3400mm以下に限られるからです。ジムニーはエンジンを縦置きにした後輪駆動ベースの4WDを搭載するため、ボンネットが長く、現在の3ドアボディが軽自動車サイズの限界です。
しかし小型車版のジムニーシエラなら、軽自動車のような制約を受けないため、全長を拡大して5ドアボディにできます。
インドで発表された新型ジムニー5ドアの全長は3985mmで、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)は2590mmです。日本で販売される3ドアボディのジムニーシエラに比べると、全長は435mm、ホイールベースは340mm長く、後席側のドアを装着して後席の足元空間も広げました。
5ドアボディは4名乗車時の快適性が優れ、乗降性も向上しています。全幅は1645mmですから、国内で売られているジムニーシエラと同じです。
スズキ 新型ジムニー5ドアの外観(エクステリア)
新型ジムニー5ドアのボディ側面は、サイドウィンドウが3つに分割された「6ライト」のデザインです。荷室の左右にもウィンドウが備わり、後方視界にも配慮しました。フロントマスクの形状や装飾は日本仕様のジムニーシエラと若干異なりますが、大きな違いではありません。
最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)は210mmですから、ジムニーシエラと同じです。悪路のデコボコの乗り越えやすさを示すランプブレークオーバーアングルは、ホイールベースの拡大によって24度とされ、3ドアボディの28度に比べると減りました。それでもアプローチアングルの36度、デパーチャーアングルの50度は3ドアと共通で、5ドアボディになっても悪路走破力は十分に高いです。
スズキ 新型ジムニー5ドアの内装(エクステリア)
室内の基本的な機能はジムニーシエラに準じますが、新型ジムニー5ドアは後席の足元空間が広がるため、前後席をリクライニングして連結させる機能も採用されています。荷室長(荷室の奥行寸法)も拡大され、積載性も向上しています。ファミリーカーとしても使いやすいSUVです。
特に後席の乗り心地は、大幅に改善されます。3ドアボディのジムニーシエラはホイールベースが短く、後席が後輪の真上に位置しますが、新型ジムニー5ドアでは後輪の前側に設置されて突き上げ感が解消されるためです。
スズキ 新型ジムニー5ドアのエンジン
新型ジムニー5ドアのエンジンは直列4気筒1.5Lで、5ドアボディを日本で販売する時は、動力性能は現行ジムニーシエラと共通化されます。最高出力は102馬力(6000回転)、最大トルクは13.3kg-m(4000回転)です。
トランスミッションは4速ATと5速MTを選べます。
新型ジムニー5ドアの4WDシステムには副変速機(手動で二駆と四駆を切り替えるための機構)が備わり、4輪駆動時に4L(ローレンジ)を選ぶと、ギヤ比がローギヤード化されて駆動力を高めます。その代わりパートタイム式4WDですから、カーブを曲がる時に、前後輪の回転数を調節できるセンターデフや多板クラッチは備わりません。舗装路は後輪駆動の2WDで走り、4WDは滑りやすい未舗装路や雪道だけで使います。
この使い勝手も3ドアのジムニーシエラと同じですが、5ドア化によって向上する走りの機能もあります。ホイールベースが長くなるため、ピッチング(前後方向の揺れ)も抑えられ、快適性が向上するのです。
スズキ 新型ジムニー5ドアの走行性能
また新型ジムニー5ドアは、ホイールベースの拡大によってステアリング操作に対する車両の反応が少し穏やかになりますが、後輪の接地性は向上します。
つまり新型ジムニー5ドアでは、乗り心地や安定性も良くなります。これらの特徴も、後席の広さや乗り降りのしやすさと同様、ファミリーカーに適した5ドアのメリットです。
スズキ 新型ジムニー5ドアの価格予想
2023年1月下旬時点では、海外でも新型ジムニー5ドアの価格は未定ですが、日本に導入されることを前提に予想してみましょう。
まず現時点で、3ドアボディのジムニーシエラには「JL」と上級の「JC」という2つのグレードがあります。JCにはLEDヘッドライトやアルミホイールが標準装着され、5ドアボディが設定される時にはJCが主力になるでしょう。
国内で販売されるジムニーシエラJCの価格は、5速MTが198万5500円で、4速ATは208万4500円です。5ドアボディの価格は、3ドアボディに比べておそらく20〜25万円の上乗せでしょう。
3ドアと5ドアを用意することになるジムニーには現在類似のモデルがありません。そのため、ライバル車と価格を揃えるということはできません。
しかし、一般的にベースより10万円高では物理的に5ドア化できず、30万円高では割高感が強くなってしまいます。そのため、20〜25万円程度に落ち着きそうです。
4速ATであれば、仮に22万円の価格アップとして5ドアボディは約230万円です。
スズキ 新型ジムニー5ドアのライバル比較
ジムニーは後輪駆動ベースの4WDを備える悪路向けのSUVですから、前輪駆動のプラットフォームを備えたシティ派SUVとは直接には比較できません。それでもユーザーは重複するため、新型ジムニー5ドアの価格を決める時には、全長を4m前後に設定したほかのSUVも意識します。
そこでコンパクトSUVに用意されるノーマルエンジンを搭載した4WDの価格を見ると、トヨタ ヤリスクロス 1.5Z・4WDは246万3000円、トヨタ ライズ 1.2Z・4WDは230万9000円、ホンダ ヴェゼル 1.5G・4WDは249万9200円、マツダ CX-3 15S・4WDは238万1500円です。
これらコンパクトSUVの価格を見ると、LEDヘッドライトやアルミホイールを標準装着した新型ジムニー5ドア(JC)の価格が230万円なら、価格の割安度が強まります。逆に240万円に達すると、副変速機などの搭載を考えても、割高な印象になってしまいます。
そう考えると、ライバル車と比較した際に割高感が出てしまうのは避けたいところ。新型ジムニー5ドア(JC)が市販される時の価格は、230万円から高くても235万円でしょう。限界価格は239万5000円です。
スズキ 新型ジムニー5ドアの発売時期予測
新型ジムニー5ドアの発売時期も気になります。スズキの販売店によると「メーカーから国内発売の予定は聞いていません」とのことです。しかもジムニーの納期は今でも長く「軽自動車のジムニー、小型車のジムニーシエラともに1年以上」とのことです。
ジムニーとジムニーシエラは、2018年の発売直後から納期が1年以上と長く、スズキは増産体制を組みました。発売直後の1ヶ月平均販売台数は、ジムニーが約1900台でジムニーシエラは約600台でしたが、2022年の1ヶ月平均はジムニーが約3450台、ジムニーシエラは約1500台です。
コロナ禍でありながらジムニーの生産規模は発売直後の1.8倍、ジムニーシエラは2.5倍に達しますが、納期は短くならないのです。販売店では「増産するほど、お客様からの注文も増えます。そこにコロナ禍による納期の遅れも加わり、納期が短縮されません」と述べています。
そうなると新型ジムニー5ドアが日本国内で発売されるのは、コロナ禍による納期遅延が落ち着いてからでしょう。それでも発売すれば、注文が集中して納期が延びます。
新型ジムニー5ドアが欲しいのであれば、あらかじめ販売店に話をしておき、発売スケジュールが分かった時点で連絡をもらえるようにしておきましょう。
【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:マルチ・スズキ・インディア/MOTA編集部】
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