僅か“1日”で完売するほどの圧倒的な人気!スバリスト視点で見る「スバル WRX STI S207」徹底解説(3/5)

僅か“1日”で完売するほどの圧倒的な人気!スバリスト視点で見る「スバル WRX STI S207」徹底解説
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欧州の超高性能セダンと真っ向から勝負する“気概”を感じる

前置きが長くなりましたが、ここからはSTIの言葉をさらに引用しながらS207の詳細を見ていきましょう。

STIコンプリートカーの共通コンセプトは、「誰がどこで乗っても同乗者も含めて『気持ちいい』と感じ、運転が上手くなるクルマ」。走りの愉しさと質感で世界ナンバーワンを目指す。

そのために磨き上げたのは、強靭でしなやかな走り。ドライバーが意図した通りの動きができるようにするためには、4輪のタイヤ摩擦円を最大化することがポイント。スバルの車体を知り尽くしているからこそできる車体剛性バランスの均一化、すなわち車体曲げ捩り剛性の変曲点の最小化と均一化およびヒステリシス排除技術の適用。

ドライバーの技量に関わらず、クルマが上手く補ってくれる「良い道具」感。

「CLASSY」=「格上の質感の実現」

ここまでは、おおむね過去のSTIコンプリートカーでも標榜してきたポイントですが、S207の解説文を読むと、WRXベースのSシリーズとしては初めて「同乗者も気持ちよい」という意味の言葉が重ねて使われている点に注目です。

「上質な居住空間と快適な乗り心地、静かで軽快なサウンドを追求」と、コンフォート面の向上にも心血を注いだことが伝わります。

S206の時点でも十分に快適で家族ウケも悪くない仕上がりだと感じたものですが、値段がさらに100万円高くなったこともあり、ここにも欧州の超高性能セダンと真っ向から勝負する気概を感じます。遮音用中間膜を挟み込んだフロントウインドウスクリーンなど、静粛性の追求もさらに本気度を増した印象です。

STIコンプリートカーといえば、悶絶必至の甘美な足さばきと堅牢感が「必ず期待以上のレベルで味わえる」ことで実績を積み重ねてきましたが、今回もこれまでと同様に徹底追求したのは「ピッチングの小さいフラットでしなやかな乗り心地」。

・伝えるべき力は遅れなく瞬時に伝える

・吸収すべき力はスムースに吸収し、いなす

・伝えてはいけない力は遮断する

この考え方に基づいた高剛性車体の活用を極めたとあります。

お馴染みとなったフレキシブル系の補剛パーツをはじめ、公開モノ、非公開モノも含め様々な〝いなし強化パーツ〟を各部に装着。門外不出の職人ワザがさらに磨かれていることは間違いありません。

操縦性についても、S206の時点で「異次元フィール」といえる人車一体感が得られたので、正直、アレを超える甘美さが想像できないのですが、ステアリングギア比は、2013年発売の「WRX STI tS TYPE RA」で採用した11対1のクイックなレシオを採用。現行型標準のWRX STIと比較してヨーレートの応答遅れ時間を約13%、横G遅れを約10%低減。

車線変更時ロールレートを約23%も低減したとあり、数値だけをみると、S207でもトンでもなく鋭利なレスポンスを示すハンドリングを実現した模様です。

これだけクイックに仕立てても動きにトリッキーさが微塵も出ないことは、「WRX STI tS TYPE RA」で存分に実感しましたので、決して過敏過ぎることはないでしょう。これまた想像の範疇を超える安定性との両立ぶりが味わえるはずです。

さらに、足回りでは新たに採用された

・ビルシュタイン製減衰力可変ダンパー「DampMatic Ⅱ」

・255/35R19タイヤ(ダンロップSPORT MAXX RT)

ビルシュタインのDampMaticは、メルセデスなどの欧州車に標準装着されることで知られ、独自の洗練された減衰特性を発揮。具体的には、低速域ではしなやかな動きで突き上げやピッチングを吸収し、強めの横Gがかかるコーナリング時には踏ん張り感が高まるという、路面からの入力に応じて減衰力を「可変」します。

乗り味的には、欧州の高性能セダン的な適応力の高いダンピングとアンチロール性がより強まることが期待できるでしょう。

タイヤはスバル車の純正史上もっとも幅が太い255サイズで、しかもS206で素晴らしいマッチングを魅せたミシュランのパイロットスーパースポーツに代わり、専用セッティングのダンロップSPORT MAXX RTを採用。

銘柄自体は標準のWRX STIにも装着されるもので、ダンロップはニュル24時間レースでのパートナーでもあることから、基本的に車種ごとの専用セッティングを行わないミシュランよりも、より微細な領域でのマッチングが高まったことがうかがえます。

よりワークスレプリカに近づいた、ともいえるポイントですね。

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マリオ 高野
筆者マリオ 高野

1973年大阪生まれ。免許取得後にクルマの楽しさに目覚め、ヴィヴィオとインプレッサWRXを立て続けに新車で購入。弱冠ハタチでクルマローン地獄に陥るも、クルマへの愛情や関心は深まるばかりとなり、ホンダの新車セールスマンや輸入車ディーラーでの車両回送員、ダイハツ期間工(アンダーボディ組立て)などを経験。2001年に自動車雑誌の編集部員を目指し上京。新車情報誌やアメ車雑誌の編集部員を経てフリーライターとなる。編集プロダクション「フォッケウルフ」での階級は「二等兵」。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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