モデル末期でもニューモデルを設定する、スバルらしい理由 /スバル インプレッサスポーツ ハイブリッド 試乗レポート(3/5)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:和田清志・SUBARU
良くも悪くもノーマルエンジンに近い走行感覚
ならば実際に運転するとどうなのか。「インプレッサスポーツ ハイブリッド 2.0i-Sアイサイト」を試乗した。
ハイブリッドの動力性能は、感覚的にはノーマルエンジンに近い。今日のハイブリッド(特にトヨタのTHS-II)は、モーター駆動のみで発進し、時速25~40km付近でエンジンが始動する印象だが、インプレッサスポーツハイブリッドでは最初から普通にエンジンが始動して発進した。電気自動車風のハイブリッド感覚は希薄だ。
それでもハイブリッドの良さを絶妙に味わえる場面がある。例えば2300回転前後で巡航中に、アクセルペダルを緩く踏み増した時だ。
2リッターの水平対向エンジンは、最大トルクが20kg-m(4200回転)で、この数値はノーマルエンジンも同じ。性能的には十分だが、若干高回転指向に感じる。しかもリニアトロニックと呼ばれるスバルのCVT(無段変速AT)は、自然な運転感覚をねらってギヤ比の変化が控え目だ。アクセルペダルを踏み増すと、エンジン回転が先行して高まり、その後を追うように車速が上昇するCVTの動きを抑えた。
適度なモーターアシストで心地良い加速感
となればアクセルペダルを踏み増した直後は、エンジン回転が高まりにくく、高回転指向の性格と相まって反応が鈍く感じることがある。
この時に効果を発揮するのがモーター駆動だ。モーターの最高出力は13.6馬力、最大トルクも6.6kg-mと小さいが、2300回転前後では、2リッターエンジンが発揮する性能も45馬力/15kg-mくらいだろう。アクセル操作に応じて反応の素早いモーターの駆動力が即座に立ち上がると、エンジンとCVTの作動を補って滑らかに加速できる。
逆にフル加速する時はモーター駆動の恩恵がほとんど感じられず、燃費の節約効果も乏しいが、穏やかに走る時はメリットが大きい。走りの気持ち良さというよりも、一種のリラックス感覚だ。
[ハンドリングや乗り心地は・・・次ページへ続く]
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