マツダ MX-30はEVになっても車内スペースはそのまま! そのワケとは?!
- 筆者: MOTA編集部 木村 剛大
- カメラマン:MOTA編集部
マツダ初の電気自動車MX-30 EVモデルが2021年1月28日(木)にデビューした。先に投入されたMX-30の電気版という位置付けで、日本市場に限っては追加モデルというイメージだ。内外装ともにどちらのパワートレインを選んでもデザイン、そして使い勝手上の差はほとんどない。同じクルマなら当たり前! と思うかもしれないが、これこそがMX-30だからできたこと。その理由について解説しよう。
女性から絶大な人気! そのワケとは?!
先にも述べた通り日本市場には先にマイルドハイブリッドモデルが2020年10月に登場。既存のCX-5やCX-30などのモデルとは一線を画すモデルで、フリースタイルドアと名付けられた観音開きドアを採用するなど個性的な出立ちでの一台である。
このクルマの開発を主導したのは竹内 都美子氏。女性の目線を多く取り入れ開発を手がけたとあって、収納スペースなどの使い勝手、さらにはデザインの面でも、女性ユーザーからも絶大な注目を集めているという。
現在のラインアップ中、女性人気が高いモデルはMAZDA2とCX-3、その次にMX-30がランクインする。ちなみに直近の販売データをみてみると、男女比率は8:2とSUVとしては珍しい傾向だという。
どっちを買ってもラゲッジ容量は一緒! 懸念事項は充電ケーブルの収納場所だ
前置きが長くなってしまったが、今回注目するのはMX-30の車内だ。ハイブリッドカーなどの電動モデルと内燃機関といった複数のパワートレインを持つクルマは数多く存在する。その場合、電動モデルのほとんどは搭載するバッテリーの関係からラゲッジルームやシート位置が微妙に違うなどの差が生じるクルマも。
>>たしかに結構違う! ハイブリッドとガソリンモデルのラゲッジを写真で比較
だがMX-30はEV、マイルドハイブリッドとどちらのモデルを選んでも車内の違いがまったくない。国内においては投入タイミングが逆なのだが、MX-30は当初EV専用モデルとして開発されていたために、バッテリーの搭載を考慮したうえで開発がなされているのだ。そのためフロアやラゲッジルームを犠牲にすることがなかったというワケ。
車内の使い勝手という面においては、どちらを選んでも相違はないのだ。ただひとつラゲッジルームで異なるのが充電コードの存在である。EVモデルの場合充電コードをラゲッジ右側に固定する仕様となっており、その分積載量が減ってしまうのだ。
アンダーボックスなどの見えない部分に収納できればいいのだが、現状そのようなスペースは余っていないのが残念なところ。当初よりEVモデルを考慮しての開発だったならば、収納スペースは確保すべきだとも思うが。
見分けるのは超難解! 答えは3箇所
もう少し違いがほしい……エクステリはエンブレムとステッカーだけ
ちなみにEV、そしてマイルドハイブリッドモデルの外見上の違いはほとんどない。見分けるとするならばリアに装着されるエンブレム、あるいはEVモデルにのみクォーターガラスにELECTRICというステッカーの有無といった程度だ。
メーターとエアコンに注目! 車内の違いは2箇所
車内も一見すると差はないように思える。シフト周辺ボタンも同じなのだが、違いは大きく2つある。一つはメーター、そしてエアコンパネルだ。マイルドハイブリッドモデルは右から燃料計、7インチモニター、そして回転計。それに対してEVモデルは電池残量計、7インチモニター、一番左端にはパワーメーターという順で配置されているので、ひと目でその差を確認できるレベル。
だが、なかかな気づかないのがエアコンパネルである。先に登場したMX-30 マイルドハイブリッドモデルは左右で温度を調整できるデュアルエアコンを搭載しているのに対し、EVモデルはシングルエアコンを採用。注視してみなければ判断がつかないマニアックなポイントではあるが。
MX-30は先述の通りEVを主眼として開発されたモデルである。それゆえに電動車で犠牲になりがちな車内スペースを両モデルとも同数値を確保しているのはさすが! と言える。
残念ながら国内市場に限っていえば年間目標販売台数は500台と消極的な数値であるが、今後投入する他のEVもまたMX-30のように車内スペースをしっかり確保したクルマに仕上げて欲しい。
失礼ながらMX-30 EVモデルは決して大ヒットするようなクルマではない。だが、この考えが他の車種にも波及することに期待したい。
【筆者:MOTA編集部 木村 剛大】
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