新型ヴェゼル vs MX-30 ライバル人気コンパクトSUV 8番勝負! MX-30が対抗出来る3つのポイントは内装、取り回し性能、運転支援機能(1/2)

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2021年4月22日に発表されたホンダの新型ヴェゼルは、事前予約だけで1万7000台を受注し、既に半年以上の納期待ちが発生している状況だ。トヨタ ヤリスクロスや日産 キックスなど複数の競合車があるが、今回はマツダのMX-30を取り上げる。

走行性能など8つのポイントに分けて2台を比較したところ、最新のヴェゼルに対し、内装や取り回し性能、運転支援機能の3つのポイントはMX-30も対等に戦えることがわかった。

>>「ホンダ 新型ヴェゼル」と観音開きドアの個性派「マツダ MX-30」を写真で比較する[画像ギャラリー]

目次[開く][閉じる]
  1. ホンダ 新型ヴェゼルとマツダ MX-30に共通する魅力は独特のリラックス感覚と質感の高さ
  2. 内装の質感や視認性はMX-30も対等に勝負出来るが、後席の居住性や乗降性の面では新型ヴェゼルの圧勝だった
  3. 取り回しが良く安全機能も充実するMX-30だが、動力性能や燃費の面では新型ヴェゼルが圧勝だ
  4. 商品力はホンダ 新型ヴェゼルの圧勝! ただし観音開きドアなどの独自性を受け入れられるならMX-30も十分に推奨出来る

ホンダ 新型ヴェゼルとマツダ MX-30に共通する魅力は独特のリラックス感覚と質感の高さ

最近はコンパクトSUVの人気が高く、2021年4月に登場したホンダ 新型ヴェゼルも注目されている。運転しやすく、居住性や積載性も優れ、なおかつ内外装の質が高い。その意味ではマツダ MX-30(マイルドハイブリッド搭載車)もライバルに入るだろう。

ほぼ同じサイズのCX-30は、ほかのマツダ車と同じくスポーツ指向だが、MX-30は独特のリラックス感覚を重視している。そうした感覚は新型ヴェゼルとも近い。

MX-30は観音開きのドアを採用するなど個性的な商品とされるが、内外装の質感の高さなど、ヴェゼルとの共通点も多い。

今回はライバルコンパクトSUV比較として、ホンダ 新型ヴェゼルとマツダ MX-30(マイルドハイブリッドモデル)を項目ごとに比較してみる。

具体的には、内装/居住性/乗降性/荷室・シートアレンジ/デザイン・取り回し/走行性能・燃費/安全・運転支援機能/買い得度の8つのポイントだ。すると最新モデルの新型ヴェゼルに対し、MX-30が対等に戦えるポイントは、内装や取り回し性能、運転支援機能の3つが挙げられる。詳しく見ていこう。

内装の質感や視認性はMX-30も対等に勝負出来るが、後席の居住性や乗降性の面では新型ヴェゼルの圧勝だった

勝負その1! 内装の質感/視認性/操作性比較

新型ヴェゼルとMX-30のメーターの視認性は互角。インパネ中央のディスプレイは、MX-30の8.8インチが横長になるのが特徴だ。地図画面の見やすさを考えると、もう少し上下方向の厚みが欲しい。

操作性は、インパネ周辺のデザインがオーソドックスなために、新型ヴェゼルが馴染みやすいが、MX-30もセンターコンソールにコルクを使うなど工夫を凝らした。このデザインには、ヴェゼルやCX-30とは異なるMX-30ならではの魅力が備わる。

■勝者:引き分け

マツダ/MX-30
マツダ MX-30カタログを見る
新車価格:
264万円299.8万円
中古価格:
171.3万円284.6万円

勝負その2! 前後席の居住性比較

前席の居住性は両車とも似ている。ホンダ ヴェゼルは新型になって、背もたれや座面を柔軟に仕上げた。マツダ MX-30も車両の性格に合わせて座り心地に柔らかさが感じられ、両車ともリラックス感覚を重視する。

後席も同様に柔軟だが、足元空間は新型ヴェゼルが広い。身長170cmの大人4名が乗車した時、ヴェゼルでは、後席に座る乗員の膝先に握りコブシが2つ半収まる。MX-30は1つ半だ。

MX-30も後席に座る乗員の足が前席の下に収まりやすく、4名乗車は可能だが、ゆったりと座れるのはヴェゼルになる。

■勝者:ホンダ 新型ヴェゼル

勝負その3! 乗降性比較

前席の乗降性は同程度だが、後席は異なる。マツダ MX-30では、後席側のドアがヒンジを後ろ側に装着した観音開きになるからだ。これをマツダではフリースタイルドアと呼び、すべてのドアを開いた時には開放感が得られる。またMX-30では、後席の背もたれの左右は、ドアパネルではないから固定されている。後席と内張りを繋げるラウンド形状が採用され、これもMX-30の世界観やコンセプトを反映させたものだ。

その代わり、MX-30の実用性は低い。最も面倒なのは、前席側のドアを開かないと後席側を開閉できないことだ。前席のドアが閉まっている時は、後席も開けられず、閉じ込められた状態になってしまう。

つまり実用性の面では2ドアクーペとあまり変わらないが、MX-30では、使い勝手がさらに悪い面もある。クーペであれば、後席側からレバーを引くなどして助手席を前側にスライドさせ、後席の乗員が自分で降車できる配慮も見られる。しかしMX-30は、後席側のドアがあるため、クーペのような乗降性に配慮した機能は採用されない。前席の乗員がドアを開かないと、実質的に降車できないのだ。

■勝者:ホンダ 新型ヴェゼル

勝負その4! 荷室の使い勝手とシートアレンジ比較

新型ヴェゼル、MX-30ともにデザイン性を重視してリヤゲートを寝かせたから、背の高い荷物は積みにくい。それでも床面積は両車とも相応に確保され、実用的には満足できる。

異なるのはシートアレンジだ。ヴェゼルは、通常の場合には後席床下に収まる燃料タンクを、前席の下に搭載するレイアウトを先代モデルから継承した。したがって後席を低い位置まで落とし込むように畳めるから、容量の大きな荷室に変更できる。

またヴェゼルならば後席の座面を持ち上げて、車内の中央に背の高い荷物を積むことも可能だ。ユーザーにとってこれらのシートアレンジはどれも実用性が高く、ヴェゼルの荷室はメリットが大きい。

■勝者:ホンダ 新型ヴェゼル

取り回しが良く安全機能も充実するMX-30だが、動力性能や燃費の面では新型ヴェゼルが圧勝だ

勝負その5! ボディスタイルと取りまわし性比較

ホンダ 新型ヴェゼルの後席側のドアは横開き式、マツダ MX-30は観音開きという違いはあるが、両車のボディサイズとスタイルは似ている。ホンダ 新型ヴェゼルは全長4330mm×全幅1790mm×全高1590mm。これに対しMX-30は全長4395mm×全幅1795mm×全高1550mmだ。外観を横方向から眺めると、両車ともに水平基調で、リヤピラー(柱)とリヤゲートを寝かせた。ドライバーからの後方の見え方も似ている。

最小回転半径は、新型ヴェゼルの場合、16インチタイヤを装着するベーシックなグレードが5.3m、売れ筋になる18インチタイヤのe:HEV Zとe:HEV PLaYは5.5mだ。

MX-30は18インチタイヤの全グレードの最小回転半径が5.3mだから、取りまわし性はMX-30が優れている。

■勝者:マツダ MX-30

勝負その6! 走行性能と燃費比較

新型ヴェゼルは直列4気筒1.5リッターのガソリンエンジンを用意するが、グレードはベーシックなGに限られる。主力は1.5リッターハイブリッドのe:HEV(イーエイチイーブイ)だ。エンジンは主に発電を行って駆動はモーターが担当するから、加速は滑らかでノイズも小さい。動力性能を通常のガソリンエンジンに当てはめると、2.5リッタークラスに相当するパワフルさだ。

MX-30が搭載する2リッターマイルドハイブリッドは、モーターの駆動力は最高出力が6.9馬力と小さい。従って動力性能は実質的に2リッターのガソリンエンジンと同等だ。

カタログ燃費(WLTCモード燃費)で比較してみると、2WDの場合ホンダ 新型ヴェゼルe:HEV Zが24.8km/L、1.5リッターガソリンエンジンのGは17km/L。これに対し、マツダ MX-30は15.6km/Lになる。

■勝者:ホンダ 新型ヴェゼル

勝負その7! 安全装備と運転支援機能比較

新型ヴェゼル、MX-30ともに、衝突被害軽減ブレーキ、後方の並走車両などを検知して知らせる機能、誤発進抑制機能など最新の安全機能は標準装着される。先進運転支援機能も含めて互角だ。

■勝者:引き分け

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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