マツダ CX-5はサスペンションやシートにこだわり乗り心地がさらにフラットになった! 新グレードの実力とは

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マツダが2021年11月8日(月)から予約を開始し、12月から販売を開始したSUVの基幹車種「CX-5」の一部改良モデル。今回の改良によってエクステリアデザインや特別仕様車の追加などがなされている。12月に改良モデルを試乗する機会を得た。モータージャーナリストの岡本幸一郎さんに進化したポイントを紹介してもらった。

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  1. 2代目のパッケージングを分かりやすく整理したのが今回の改良モデルだ
  2. フィールドジャーニーは耐水仕様などアウトドアに使いやすいグレードに仕上がっている!
  3. フィールドジャーニーにはオールシーズンタイヤやオフロードモードが設定される

2代目のパッケージングを分かりやすく整理したのが今回の改良モデルだ

まだSUVブームがいまほど本格的でない中に現れ、マツダの新世代商品群の第1弾として発売された初代CX-5は、SUVの既成概念を打破するスタイリッシュなデザインや、スカイアクティブ-Dが実現した、ディーゼルらしからぬ快適なドライブフィールなど、大きなインパクトを与えた。

それから5年足らずでフルモデルチェンジし、2017年に登場した2代目も基本的にはキープコンセプトながら、さらにオシャレに洗練されて現れた。半面、初代が持っていた、使い倒せそうなタフな雰囲気は少々薄れた。さらには、いろいろなユーザーのニーズに対応するため、時間の経過とともにパッケージなどの選択肢が増えて複雑になっていた。そこで、まだまだ売れ行きが好調なCX-5のラインアップをわかりやすく整理しようというのが今回の改良の狙い。3つの個性を揃え、それぞれの世界観にふさわしく差別化を図った。

さらに、このところマツダは少しでもよいものをユーザーに提供するため、折を見て商品改良を実施しているのはご存知のとおりだが、CX-5も1年前の商品改良でも、走りがかなりよくなったように感じていたところ、今回もさらによくなっていたことを、あらかじめお伝えしておこう。

フィールドジャーニーは耐水仕様などアウトドアに使いやすいグレードに仕上がっている!

見た目については、もともとCX-5はとてもスタイリッシュだと思っていたが、全体的にさらに見栄えがよくなったのは全グレード共通している。中でも新たに加わった、SUVっぽさを表現したこれまでにないテイストの「フィールドジャーニー」は、見慣れたCX-5とは雰囲気が一変しているのは見てのとおり。インテリアも遊び心のある色使いをしていたり、荷室を耐水仕様としたり、走りに関してもいくつかの部分を専用設定とするなど、キャラクターに合わせて差別化されている。

スポーツアピアランスはレザーシートが選べるのがポイント

一方、同じく新設の「スポーツアピアランス」は、既存の「ブラックトーンエディション」に対してレザーシートが選べるようになったのがポイントだ。もうひとつの「エクスクルーシブモード」は従来から継続となる。

改良におけるメカニズム面での全車共通の進化点としては、マツダ3より採用しているスカイアクティブ-ヴィークルアーキテクチャ(GVC)の考え方を取り入れ、車体にもリアシート下にクロスメンバーを追加し、それに合わせてサスペンションをチューニングし直したのが大きいという。

これによりピッチ挙動が低減し、荒れた路面でのツブザラを拾いにくくなり、静粛性も高まるなど、走りの質感が向上したことは、少し走ってみただけでも明らかだ。最初に19インチタイヤ&ホイールを履く「XDスポーツアピアランス」の2WDをドライブしたのだが、よりなめらかでフラットな乗り味になり、静粛性も高まり、走りの一体感も増していることを体感した。

一体感のある走りには、きちんとS字の姿勢がとれるようにバネ特性を見直すとともに、取り付け剛性を高めて車体と一体となって動くように改良したというシートも少なからず寄与しているようだ。

フィールドジャーニーにはオールシーズンタイヤやオフロードモードが設定される

一方、目玉のフィールドジャーニーは、2.0リッターのガソリンエンジンを搭載する「20S」の4WD車に試乗した。17インチのオールシーズンタイヤを履くほか、サスペンションや4WDシステムも微妙に差別化されているため、後述するオフロードモードの設定だけでなく、舗装路での走りも少なからず違いがある、乗り心地は当たりがマイルドで動きもおだやか。GVC自体には手が加えられていないが、ボディや足まわりに手が加えられたことが効いて、より自然でカドのない乗り味となっている。ひと味違うCX-5として注目すべき存在だ。

スカイアクティブ-G 2.0のエンジン自体には従来から変更はなく、車速域が高まるにつれて線の細さを感じるのは否めないものの、ダイレクト感のある俊敏な出足と、軽快なドライブフィールが持ち味。スポーツモードを選択すると特性が変わり、加減速だけでなくGVCの効きもメリハリのある印象になって、より積極的に走りを楽しむことができる。

さらに、オフロードモードの恩恵を特設コースで体感した。スタックして対角輪が滑っているときにブレーキをかけて脱出できるようにするという既搭載の「オフロード・トラクション・アシスト」に加えて、新型ではガソリン車は空転しないようにあえて低速ギアでロックアップが自動的に解除される機能と、上り勾配を検知するとアイドル回転数を上げて走りやすくするという機能が新たに追加されており、ノーマルモードよりも断然ラクに脱出できることを確認した。

イメージがあまりないせいか、マツダは4WD技術においても優れたものを持っていながら、なかなかそれを上手く訴求することができていないことを開発関係者も切実に感じている様子だったが、実力はかなりのものであることは間違いない。

さらに、今回は場所の都合で新型の目玉である中高速でのAWD制御やGVCオフロードモードについては試すことができなかったのだが、そちらも自信作とのことで、どのように制御するのかぜひ試せる機会を楽しみにして待つことにしたい。CX-5の進化はまだまだ止まりそうにない。

【筆者:岡本 幸一郎】

マツダ/CX-5
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新車価格:
291万円422.5万円
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53.6万円432.5万円

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岡本 幸一郎
筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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