マクラーレンMP4-12 スパイダー試乗レポート/石川真禧照(1/2)

マクラーレンMP4-12 スパイダー試乗レポート/石川真禧照
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クーペに続き登場したオープンカーのマクラーレン MP4-12C スパイダー

フォーミュラ1レース界の名門、マクラーレンはF1マシンなどのレーシングカーのほかに、公道を走るスポーツカーも作っている。そのクルマは手創りの少量生産。2012年に登場したクーペに続き、オープンカーのスパイダーが日本でも発売された。

クーペが2790万円だったが、スパイダーは3000万円(税込)という価格。庶民には宝くじでも当たらない限り、購入は夢の世界。そのMP4-12Cスパイダーに試乗した。

さっそく乗り込もう。ドアを開けるのは、ドア上部の張り出した部分の下に手を入れると、小さなボタンがある。

それをプッシュすると、ロックが解除され、ドアが浮き上がる。クーペのときはボタンがなく、手を差し込むとセンサーが反応してロックが解除されたのだが、人によってセンサーが反応しないことがあったことから、ボタン式になったのだ。

ドアを跳ね上げる。複合素材で作られているドアは実に軽い。幅30cmほどのドアシルを乗り越えてシートに座る。

その着座の低さはわかりやすく言うと、プリウスのテールランプがちょうどドライバーの目の高さという感じだ。

キーを座面先端のポケットにしまい、エンジン始動。スタートボタンを押すと3.7リッターV6ツインターボは運転席のすぐ後ろで即座に目覚めた。同時に爆音に近いエキゾーストサウンドが周囲に轟く。

センターコンソールの「D」ボタンを押し、走り出す。走行モードはAT/MTのほかに、「ウインター」「ロウンチ」がある。ATモードを選択し、いきなり加速性能のチェック。これが失敗だった。まだ体が「MP4-12C」に馴染んでいないウチに、強烈な加速Gが襲ってきた。

0~100km/h加速は手元の時計で4秒ジャスト。カタログの3.3秒には及ばなかったが、その加速は頭の血がすーっと後ろに持って行かれるよう。一瞬気を失うかと思ったほどだ。

特に、6000回転から8200回転の領域ではツインターボが思いっきりチャージしている加速だ。

しかも、この時は「パワートレイン」の選択は、「ノーマル」。「スポーツ」や「トラック(レースコースのこと)」モードにすればもっと強烈(狂暴?)になるのは間違いないだろう。

でも、フツーにアクセルを踏んでいるときはとてもジェントル。7速には80km/hでシフトされる。そのままアクセルを踏めば、100km/hは2400回転での巡航になる。1500回転からの加速も十分。

このような走りなら、女性がハンドルを握っても大丈夫だし、ロングツーリングでも快適に乗ることができるだろう。

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石川 真禧照
筆者石川 真禧照

1947年東京都生まれ。1970年日刊自動車新聞社入社。翌年同社退社後、フリーの自動車評論家となる。1982年「I.W.OFFICE」を設立し、自動車を中心としたメディア活動を開始。「自動車生活探検家」として、『GORO』『DIME』(小学館)、『HOT DOG PRESS』(講談社)、『カーセンサー』(リクルート)など多数のメディアで活躍、現在に至る。日本モータースポーツ記者会会員。日本自動車ジャーナリスト協会副会長。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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