ひと通りの修理を経て機関系も(ほぼ)ばっちり! でも課題がまだひとつだけ残っていた…【Twingoな日々 Vol.3】
- 筆者: トクダ トオル(MOTA)
- カメラマン:MOTA編集部・ブリヂストン
前回の故障⇒修理・点検であらかた問題点を抽出し尽くしたのだけど
前回の「Twingoな日々 Vol.2」では愛車トゥインゴ弐号機突然の故障、そして修理・整備のてん末についてご報告しました。イージーシステムのセンサー交換に始まり、ブレーキシリンダーのオイル漏れからマフラーの排気漏れ等々。改めて振り返ってみるだけで、また涙が止まりません…(号泣)。
>>23年落ちの割にはキレイ!? 1996年式ルノー トゥインゴを画像で見る[フォトギャラリー]
そんなワケで、今回の修理でそれなりに手を入れたトゥインゴ。ただし予算の都合でエンジンマウントの交換だけは先送りしたところまでは記しましたが、実は今回もうひとつメカニック氏から指摘を受けていたことがあります。それはタイヤ。
ぱっと見た限りでは溝も十分にある現状の装着タイヤですが、点検してみると経年劣化が原因と思われる亀裂やひび割れがいくつも見受けられるというのです! 最悪の場合、走行中にバーストしてしまう事も…ひぃいい。
タイヤの製造年を調べてみると…8年が経過した古タイヤだった!
タイヤの製造年、実はタイヤに刻印されているってご存知でしたか。マイトゥインゴのタイヤの場合「3011」と記されているのがそれで、頭の30は第30週を、後ろの11は製造年“(20)11”を示しているんです。2011年の第30週は7月25日(月)~7月31日(日)[※ISO方式]で、ちょうど丸々8年前の今頃に製造されたタイヤなんですね。古っ。ヤバっ。
トゥインゴを購入した輸入車販売店によると、筆者のトゥインゴ弐号機は前オーナーの事情により「しばらく車庫で寝ていた時期がある」とのこと。最近の車検証には走行距離の記載があるのですが、前回平成28年度の車検時には47,100キロ、2年後の平成30年度は52,000キロとそれぞれ書いてあります。つまり2年間の走行距離は5,000キロにも満たないというワケ。
中古車は走行距離が少ないほうがいいに決まってるじゃん!? というご意見もありましょうが、それは新車から数年のハナシ。そもそも23年落ちのベテランの割に走行距離が5万キロ台とちょっと少な過ぎる(あんまり走ってない)のも、それはそれで心配の種でもあります。機械なんですからずっと寝かせておくよりも、ある程度は動かしたほうが良いと思うのです。
…と、余談はここまで。
メーカーも5年以上経過したタイヤは速やかな点検を推奨している
タイヤメーカーのサイト内にある「タイヤの点検・整備」というページの中で“長期経過タイヤの点検・交換”という項には、以下のような記載があります。
『使用開始後5年以上経過したタイヤについては、継続使用に適しているかどうか、すみやかにタイヤ販売店等での点検を受けられることをお奨め致します』[ブリヂストンWebサイトより]
その理由についても『タイヤは様々な材料からできたゴム製品であり、ゴムの特性が経時変化するのに伴い、タイヤの特性も変化します。その特性の変化はそれぞれ環境条件・保管条件及び使用方法(荷重、速度、空気圧)などに左右されます』[同上(一部略)]
スリップサインが出るほどすり減っておらず、むしろ充分なタイヤ溝の深さがある状態だった2011年製造の現タイヤは、確かに道路運送車両法の基準では問題ない状態。でもゴムの特性上、5年以上経過したタイヤは所期の性能を発揮出来ない可能性があるということです。
トゥインゴの小さな小さな145/70R13タイヤは今や適合ラインナップが少ない…
そんな訳でようやく本題。1996年式ルノー トゥインゴの純正タイヤサイズは145/70R13。ざっと各社のカタログを見回しても…いまや軽乗用車でも14インチタイヤがベーシックで、13インチ、特に扁平率70サイズはラインナップが少ないのが現状です。かといってインチアップさせるのはちょっと違う。
そこでホイール径はそのままに、扁平率を少しあげて65サイズに選択肢を拡げると…ブリヂストンの「Playz PXシリーズ」“Playz PX-C”に、元の145/70R13とタイヤ外径寸法が近い155/65R13サイズがありました。ちなみにPlayz PX-Cの13インチ版はこれ1サイズのみのラインナップでした。
ブリヂストンのラインナップの中でPlayz(プレイズ)は、ベーシックなNEXTRY(ネクストリー)やエコタイヤのECOPIA(エコピア)の上位に位置していて、“疲れにくい”をウリにしたタイヤです。中でもPlayz PX-Cは「偏摩耗を抑制し、快適な操縦安定性を実現する軽・コンパクト専用設計」(Webサイトより)というから、まさにトゥインゴ向きのようです。
ちょっと旧いクルマだからこそタイヤ交換のリフレッシュ効果は絶大
善は急げ!と、コックピット豊洲へ。こちらはタイヤ・ホイールを中心にカスタマイズ全般を得意とするカー用品店。タイヤを車軸のど真ん中で取り付ける独自技術“センターフィット”をウリにするなど、クルマ好きの間でも定評のあるショップです。スムーズな取付ののち、駐車スペースからトゥインゴを転回させたら・・・え? ステアリングが軽くなった!?
筆者のトゥインゴ弐号機にはこれまで、微妙に大きい155/70R13のタイヤが装着されていました。計算上の外径寸法は547.2mm。それに対し純正の145/70R13は533.2mm、そして今回新たに付け換えた155/65R13は532.2mmとほぼ同等です。なんと今どきパワーステアリングが非装着(!)で重ステの我が1996年式トゥインゴにとって、この差は少なくなかったようです。
ちなみに翌年1997年モデルからは晴れてパワーステアリングが備わり、純正タイヤサイズも地味ぃに155/70R13へ拡大している初代トゥインゴ。ショップなどに置いてあるタイヤ適合の早見表にも、年式が年式だけにもはや155/70R13のほうしか書いていないケースもあるようで、前オーナーさんもそうした経緯で装着したものと思われます。
走り出した瞬間、思わず笑ってしまうくらい
さあ、早速都内の道を走り出してみると…ええっ!? いくら鈍感な筆者でも明確に違いを感じることが出来ました。それも、思わず笑っちゃうくらい。新しいタイヤって、やっぱりいいなあ…。
今さら釈迦に説法かもしれませんが、タイヤ交換のリフレッシュ効果ってかなりのもの。長く乗った愛車との倦怠期を迎えているアナタも、だまされたと思ってタイヤ交換してみることをオススメしますよ。
まず第一に、明確な音の差が出ています。旧式のOHVエンジンを搭載し、車体の遮音もそれなりだから、決して静かとは言えない初代トゥインゴだけど、ゴーゴーと賑やかだった音のうち、劣化したタイヤから発せられる要因が結構な割合だったのだと今さらながらに気づかされました。
これなら“もっと遠くへ”行ってみたくなる
そして面白いくらい安定感が違う。長年つけっ放しのうえゴムが硬化した古いタイヤと、バランス取りしながら新品装着したタイヤという違いも少なからずはあるとは思ってましたが、いやはやこんなに違うとは。編集部に戻り、以前にも助手席に乗せたことがある編集部員を同乗させたのですが、やはりその差は助手席でも明確だったそうです。これならもう少し遠くへ行ってみてもいいかも。
そんな訳で、Playzのお題目である“疲れにくい”については、もう少し長距離のドライブを試してみてさらにじっくり検証していきたいと思います。こちらもお楽しみに…。
>>次回【Twingoな日々 Vol.4】新旧のルノー トゥインゴが東京・代官山で競演!? 続きはこちら
[筆者:トクダトオル(MOTA編集部)/撮影:MOTA編集部・ブリヂストン/取材協力:コックピット豊洲]
前回の「Twingoな日々」VOL.2はこちら
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