オーテックジャパン「ワクワクモータース・チガサキ」マーチ ボレロR 試乗レポート/山本シンヤ(5/5)

オーテックジャパン「ワクワクモータース・チガサキ」マーチ ボレロR 試乗レポート/山本シンヤ
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マーチ NISMOとボレロR・・・全然異なる走りだった

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マーチにはNISMOがラインナップされている(しかもそれはオーテックが開発している)ので、実は乗るまでは「乗り味は似ているのかな?」と思っていた。

だが結論から言えば、同じスポーツハッチを目指しながらも、マーチ NISMOとボレロRは全然異なる走りであった。エンジンを回し切る、アクセルを踏みきる楽しさを重視したパワートレインは、信号ダッシュから超ビジーシフトで否応なしに変速操作を楽しむセットアップになっている。イタリアの小排気量ハッチバックのようにMTを駆使して走る楽しさがある。シフトフィールもカチッとしているので、ついつい無駄なシフト操作をして「ニヤっ」としている自分がいる(笑)。クロスミッション搭載の競技スペックモデル「マーチR」もこんな感じだったな・・・と。

これぞまさに現代版「街の遊撃手」

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フットワークについては、「マーチ NISMO」の“王道”的ホットハッチ的テイストに対し、「マツダ デミオ」や「トヨタ ヴィッツG’s」、「ホンダ フィット RS」、「スズキ スイフトスポーツ」のようなオールマイティな特性である。トレッド拡大やオーリンズサスはもちろんだが、リアフロアの剛性アップがかなり効いているようで、語弊を恐れずに言えばマーチとは思えない剛性感と安心感、そして快適性を備えた走りに変貌している。ワインディングでの楽しさはもちろん、街中をミズスマシのようにキビキビ走る感じは、まさに現代版「街の遊撃手」と言った印象。

ちなみにボレロRの「R」はRacingではなくRespuesta(スペイン語でレスポンスの意味)。まさにネーミングの通りのクルマに仕上がっていた。

もちろん、ボレロRもA25同様に公認のナンバー付き改造車なのだが、全幅拡大のためマーチなのに3ナンバーモデルとなっている(取得した希望ナンバーは、ワクワクにあわせて「8989」だ!)。

ワークス系レーシングドライバーも一目置いたその仕上がり

オーテックジャパン「ワクワクモータース・チガサキ」マーチ ボレロR・A25(V36スカイライン改) 試乗レポート/山本シンヤ

ワクワクモータース・チガサキ ボレロRは、完成後に富士スピードウェイで開催されたワークスチューナー4社(NISMO/TRD/M-TEC/STI)が合同で開催する「ワークスチューニングサーキットデイズ」に一般車両にまぎれて参加させたそうだが、他メーカーのレーシングドライバーから注目を浴びたそうで、オーテック/NISMOの社長である宮谷正一氏は「みんなビックリしていたので誇らしかったですよ」と語った。

ちなみに開発メンバーは「現時点ではワンオフモデルですが、ボレロRは何とか世に出せるように努力をしていきたい」と。

オーテックらしい「ワクワク」なモデルの再来を熱望!

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ここ最近の日産コンプリートモデルは「NISMO」モデルが一気にバリエーションを拡大している。そんな中、オーテック(とオーテックファン)はちょっと寂しい思いをしているのも事実である。オーテックとNISMOの住み分けをより明確にするためにも、ライダー/AXISに変わる新たなモデルも必要だと思う。

そう考えると、A25やボレロRのような「オーテック濃度がより濃いモデル」の登場を期待したいところだ。日産車にワクワクをプラスできるのは、NISMOだけではないのだ。

[レポート:山本シンヤ]

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山本 シンヤ
筆者山本 シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車雑誌の世界に転職。2013年に独立し。「造り手」と「使い手」の両方の気持ちを“解りやすく上手”に伝えることをモットーに「自動車研究家」を名乗って活動をしている。西部警察は子供時代にリアルでTV放送を見て以来大ファンに。現在も暇があれば再放送を入念にチェックしており、当時の番組事情の分析も行なう。プラモデルやミニカー、資料の収集はもちろん、すでにコンプリートBOXも入手済み。現在は木暮課長が着るような派手な裏地のスーツとベストの購入を検討中。記事一覧を見る

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