オーテックジャパン「ワクワクモータース・チガサキ」マーチ ボレロR 試乗レポート/山本シンヤ(2/5)
- 筆者: 山本 シンヤ
- カメラマン:オートックワン編集部
「原点に戻るクルマ」~ワクワクモータース・チガサキ A25~
そんなオーテック社内に面白いサークル活動がある。それが今回紹介する「ワクワクモータース・チガサキ」である。2012年、オーテックが25周年を迎える際に、開発メンバー以外にもオーテックのクルマ造りのプロセスに触れることで、「オーテックと言う会社はこのような事もできる!!」という事を実際に体験してもらう・・・という一環でスタートした。自分たちが欲しくなるクルマを絵に描いた餅ではなく、実際に一台のクルマとして仕上げることで“知見”を広げる意味もあったそうだ。総勢60名のメンバーで構成されているが、驚きなのは開発費用を含め全てがボランティア&就労時間外の活動という点だ。
この活動の中から生まれた第一弾が「A25」である。
AUTECH創立25周年を迎えるにあたり、「オーテックらしいクルマとは?」「自分たちが欲しいと思えるクルマは?」と、ある意味原点に戻るためのモデルを作りたい想いがあった。様々なアイデアの中で多かった意見が、「FR(後輪駆動車)に乗りたい」「MTモデルに乗りたい」「家族で乗れるクルマ」だった。そのアイデアを日産のリソースを使って開発するとなると…ベース車はスカイラインだった、というわけだ。
オーテックには外観造形/設計/エンジン実験/車体板金/機械加工/塗装/内装縫製/車両組み立て/完成車両検査/改造登録申請業務と、改造車づくりに必要な仕事をすべて社内で賄える仕組みがある。そのメリットをフルに活かしたモデル…と言えるだろう。
改造はVVEL追加や6速MT換装など多岐に渡る
A25は、V36型スカイライン セダン 350GT(5AT)の中古車をベースに、車両すべての部分にオーテックの血が注ぎこまれた。パワートレインはVQ35HRエンジンにVQ37用の「VVEL」機構を追加。さらに専用の吸気系に等長エキマニ&エキゾースト(フジツボ製)、専用コンピューター、軽量フライホイール&強化クラッチも採用されている。
面白いのはこのような仕様にも関わらず、レギュラーガソリン仕様という点だ。
トランスミッションはスカイラインクーペ用の6速MTに換装、軽量プロペラシャフト(カーボン+アルミ製)に3.916のローギアードファイナルデフ(インフィニティ G37 コンバーチブル用)、機械式LSD(NISMO製)などを採用する。
日産の他モデル用パーツを上手く流用
シャシーはZ34やFUGA用の補強をプラスした上で、スカイラインクーペ用のリンクを移植し、車高調整機構付サスペンション(オーリンズ製)に変更して、ステアリング特性は欧州向けを使う。タイヤはフロント245/40R19、リア285/35R19のポテンザRE-11、ホイールはZ34 NISMO用を流用する。
ボディ周りはフロントはスカイラインクーペ用を加工して装着するが、リア周りは完全な新造形に変更(リアフェンダー、トランクパネル、バンパー)。ブリスター形状ではなく昭和テイストのオーバーフェンダー風にしたのは、ハコスカをイメージしているから!?
テールランプは…解る人にはすぐわかるR34スカイライン用を流用。ボディカラーは専用色「湘南ブラック」だ。
外装色は「湘南ブラック」、室内は「湘南ブルー」でコーディネイト
一方、A25のインテリアは「湘南ブルー」でコーディネイト。フロントシートはブリッドのバケットシートを装着するが、助手席は乗り降りしやすい回転シート仕様。この辺りは福祉車両も手掛けるオーテックならではのアイデアだ。
後席は専用リアコンソール付きの2座仕様で、後席DVDならぬ後席CANメーター/データロガーを装着。また、時計やメーター(280km/hスケール)などにオーテックロゴを加えるなど細部にもこだわっている。もちろん、これらのモディファイはすべて保安基準に合致しており、法規に適合したナンバー付き改造車となっている。
[ワクワクモータース・チガサキ A25 公道試乗レポート・・・次ページへ続く]
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