オーテックジャパン「ワクワクモータース・チガサキ」マーチ ボレロR 試乗レポート/山本シンヤ(3/5)
- 筆者: 山本 シンヤ
- カメラマン:オートックワン編集部
どこか懐かしい「昭和テイスト」
実際に乗ると、どこか懐かしい雰囲気があった。例えばエンジンは決してパワフルではないのだが、レギュラー仕様でありながらも7500rpmまでキッチリ回る。「VQもやればできるじゃん…」というエンジンに仕上がっている。ただ、現代のエンジンのように全域トルクフルな特性とはちょっと違って、昔のDOHCエンジンのような“カムに乗る”感覚を意図的に残したセットアップ。回せば回すほど楽しいエンジンになっているのが嬉しい。
フットワークは見た目のワイルドさから想像すると、いい意味で裏切られた感じである。車高の低さや大径タイヤから想像できないほど足はしなやかに動く。路面によって若干揺すられる部分もあるが、快適性は非常に高いレベルだと思う。一方、ワインディングでペースを上げて走らせると、ベース車で感じた「クイックなのに応答遅れ」と言うステア特性は影を潜めており、比較的“素直”な乗り味に調律されていたのが印象的で、まさに“ワクワク”させる一台に仕上がっていた。
開発メンバーは「オーテックらしいクルマの一つの回答です」と語るのだが、僕は「ハコスカGT-Rを現代的解釈すると、このようなモデルになるのかな?」と感じた。やはりスカイラインはスポーツセダンである・・・それを再確認できた一台と言える。
A25開発終了で解散予定だった「ワクワクモータース・チガサキ」
様々な部分で普段はできないチャレンジが盛り込まれているA25、これまで様々なイベントに展示しているが、「これはいつ発売ですか?」、「いくら出してもいいから売ってほしい」、「オーテックさん解っていますよね」、「あなたたちだけ楽しむのはズルいですよ」・・・と、様々な意見・苦情をたくさんもらったそうだ。
実はこの活動は、車両にナンバーを取得した時点で企画終了だったのだが、メンバーから「やめたくない!!」と言う声がたくさんあがり、役員会に提出して継続となった。クルマを作ると同時に人間も作った・・・と言えよう。
[「ワクワクモータース・チガサキ」第二弾「ボレロR」試乗レポート・・・次ページへ続く]
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