新型リーフは買いづらい? 航続距離の不安が消えた先の「新たな壁」とは

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「EVって航続距離が心配…」「バッテリー劣化で売却損も?」そんな不安から電気自動車の購入をためらっていませんか? 初代リーフで懸念された「電欠問題」は、中古車市場にも大きな影響を与えました。

しかし、2025年6月に概要が公表された新型リーフは、この航続距離の不安を根本から覆す可能性を秘めています。バッテリー技術の驚異的な進化で、航続距離は600km超えも視野に。

ただし、高性能化の代償として価格高騰の懸念も。新型リーフはEV普及の起爆剤となるのか、それとも新たな課題を生むのか。EV購入を検討中の方は必見です。

目次[開く][閉じる]
  1. EV購入の最大の壁「航続距離の不安」は過去の話になるのか?
  2. 初代リーフの「電欠問題」が中古車価格を暴落させた衝撃
  3. 新型リーフ、航続距離は600km超え! バッテリー技術の驚異的な進化とは?
  4. 航続距離の不安は解消! しかし、新型リーフの価格は高騰する?
  5. 新型リーフだけじゃない! 日産のEV戦略に期待される「マイクラ」の日本導入

EV購入の最大の壁「航続距離の不安」は過去の話になるのか?

電気自動車(EV)の購入を検討する際、多くの方がまず気になるのが「航続距離は大丈夫?」という点ではないでしょうか。

特に初代リーフの時代には、使っていくうちに航続距離が大幅に短くなるという課題があり「電欠」への不安からEV導入を躊躇した方も少なくないかもしれません。

実際、2024年度の国内新車販売におけるEV比率はわずか1.5%に留まっており、リーフの航続距離への懸念が、EV普及を阻む一因となっている可能性も否定できません。

しかし、2025年6月に概要が公表された新型リーフは、このリーフの航続距離に関する不安を根本から解消することを目指しています。

初代リーフの「電欠問題」が中古車価格を暴落させた衝撃

2010年に登場した初代リーフは、総電力量24kWh、JC08モードで200kmの航続距離でした。

しかし、多くのユーザーが指摘したのは、使用期間が長くなるにつれて充電可能な容量が減少し、「満充電しても80kmしか走れない」といった実情です。これは、ガソリン車で例えるなら「燃料タンクが小さいうえに、使っているうちにさらに小さくなってしまう」ような現象でした。

このバッテリー劣化による航続距離の短縮は、初代リーフの中古車市場に深刻な影響を与えました。中古車が敬遠され、下取り価格も大幅に下落。「EVはリセールバリューが低く、損をする」というイメージが定着してしまったのです。

実際、残価設定ローンにおいても、リーフの5年後の残価率は19%(補助金考慮後24%)と、他車種と比較して極端に低い数字となっていました。

新型リーフ、航続距離は600km超え! バッテリー技術の驚異的な進化とは?

新型リーフは、初代リーフが抱えていた航続距離に関する課題をどのように改善したのでしょうか。

開発者は「急速充電を繰り返すような過酷な使い方をしても、1回の充電で走れる距離が大幅に短くなる心配はない」と明言しています。

初代リーフ登場から15年が経過し、バッテリー技術は大きく進化しました。

特に、急速充電時における駆動用リチウムイオン電池の温度管理が綿密に行われるようになったことが大きいと言えます。

バッテリーへの負荷が大幅に減ったことで、耐久性が向上し、急速充電を繰り返しても航続距離が短くなりにくくなっています。

新型リーフに搭載されるバッテリーは52.9kWhと75.1kWhの2種類。特に大容量の75.1kWhモデルでは、WLTCモードで600km以上の航続距離を目指しているとのことです。初代リーフの3倍以上もの航続距離を実現することで、ユーザーの充電に関する不安は大幅に解消されるでしょう。

さらに、75.1kWhのバッテリーで150kWの急速充電器を使用した場合、15分の充電で250km走行可能という試算もあります。短時間での大容量充電が可能になり、日常使いはもちろん、長距離移動の利便性も大きく向上します。

航続距離の不安は解消! しかし、新型リーフの価格は高騰する?

新型リーフは航続距離の不安を解消し、安心して使えるEVとして登場します。

しかし、高性能化と引き換えに懸念されるのが車両価格の高騰です。

大容量で劣化の少ない高性能バッテリーの採用に加え、空気抵抗を大幅に低減する「フラッシュドアハンドル」などの先進装備もコストアップの要因となります。

現行リーフの価格帯が408.1万円~583.44万円なのに対し、新型リーフは550万円~750万円程度になる可能性が指摘されています。

これは日産の電動車のフラッグシップモデル「アリア」と重複する価格帯であり、これまでのリーフが位置していた400万円台のEVが、日産のラインナップから事実上消滅する可能性もあります。

これでは、リーフの航続距離に対する不安が解消されたとしても、価格が高すぎてはEV普及は進みません。

新型リーフだけじゃない! 日産のEV戦略に期待される「マイクラ」の日本導入

新型リーフの価格高騰が懸念される中で、EV普及の鍵を握るのは多様な価格帯の車種展開です。そこで期待されるのが、欧州向けに発表された「マイクラ」の日本導入です。

マイクラが400万円~550万円程度の価格帯で日本に導入されれば、日産のEVラインナップに新たな選択肢が加わり、より多くの人がEVを購入しやすくなるでしょう。もちろん、マイクラにも最新のバッテリー温度管理技術が採用され、安心して使えるEVとなるはずです。

リーフの航続距離の進化は歓迎すべきことですが、EVのさらなる普及には、多様な航続距離と価格帯の車種展開が不可欠です。

新型リーフの登場が、EV市場にどのような変化をもたらすのか、今後の動向に注目が集まります。

【筆者:渡辺 陽一郎 画像提供:日産自動車】

日産/リーフ
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新車価格:
408.1万円583.4万円
中古価格:
15万円449万円

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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