豊田通商などが自動車向け音楽配信会社を設立~社名は「ETスクウェア」に~
自動車向け音楽ストリーミングサービス「music-Chef(ミュージックシェフ)」を配信
トヨタグループの商社「豊田通商」と、同社100%出資のカーエレクトロニクスメーカーである「豊通エレクトロニクス」、さらに民間著作権管理事業者「イーライセンス」の3社が10月1日、自動車向け音楽配信事業会社「株式会社ETスクウェア」を共同出資し設立した。
ETスクウェア社では、10月19日より自動車向け音楽ストリーミングサービス事業「music-Chef(ミュージックシェフ)」の提供を開始する。music-Chefのコンセプトは「車向けレコメンデーション型音楽配信サービス」。自動車に特化した設計で、ワンタッチ操作により扱える。
画面上で音楽ナビゲータの「シェフ」を選択すると、端末のGPSから車両の走行情報を取得。ドライブ時の季節や場所、走行状況などを検出し、music-Chefエンジンによってユーザー毎にパーソナライズされたレコメンド(オススメ)の楽曲を自動的に配信する仕組みだ。
さらにユーザーの好みも学習し、よりパーソナルなレコメンドへと進化してゆくのも特長となっている。
ユニバーサル ミュージック、エイベックス・マーケティング、EMIミュージックジャパン、ワーナーミュージック・ジャパン、ビクターエンタテインメント、日本コロンビア、ポニーキャニオン、フォーライフミュージックエンタテインメントをはじめとする日本の主要レーベルが一堂に参加。スタート当初より50万曲以上の楽曲が提供される予定となっている。
また楽曲をオススメする「シェフ」として、m-floのVERBALやアーティストのMINMI、DJの小林克也をはじめ、ギタリストのChar、人気モデルの道端アンジェリカから、はるな愛、デーブ・スペクターに至るまで個性豊かなラインナップを揃え、最新のJ-POPや洋楽、JAZZから、往年の歌謡曲に至るまであらゆるジャンルを網羅する。
また特集コンテンツとして、AMラジオ局のニッポン放送が歴代ヒット曲を届ける「オールナイトニッポン」を、また文化放送からは演歌や歌謡曲を中心にした「走れ歌謡曲」をそれぞれ配信するほか、様々な特集が用意される。
ただしシェフのトークなど、音楽以外の声が配信されない点は残念なところだ。
スマートフォン向けアプリのほかに、車載専用端末「レリビィ」も用意
music-Chefは、スマートフォン(Android[アンドロイド]端末)向けアプリに配信されるほか、豊通エレクトロニクスでは自動車向け専用タブレット端末の「レリビィ」を発売し対応する。
レリビィは、7インチマルチタッチスクリーン液晶を搭載したAndroid3.2対応タブレット端末で、重さはわずか380g。専用カーキットとして、車載用ホルダーと吸盤タイプのホルダースタンドも用意される。内蔵のGPSおよびGセンサー、デジタルコンパス、接近センサー、光センサーなど各種センサーを用いて、music-Chefアプリのほかに、プリインストールされたカーナビアプリ「いつもNAVI」などの動作をサポートする。販売価格はオープン価格となっている。
なおレリビィの利用には、Wi-Fi経由でインターネットが接続出来る環境を用意する必要がある。
music-Chefの利用料金は、1泊2日プランが350円から(「レリビィ」「スマートフォン」ともに)月額1000円まで。通信費用は別途発生する。
10月11日に都内で行われた記者発表会でETスクウェアでは、2013年度までにmusic-Chefの100万会員、60億円の売り上げを目指すことを明らかにした。そのため今後は自動車メーカーへの積極的な売り込みなども実施し、純正採用も目論んでいるようだ。
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