整備ビッグデータから探る、新型コロナが自動車整備業界に与えた影響


6万台超の整備実績が示す事実

自動車メンテナンス受託管理のリーディング・プレイヤーである株式会社ナルネットコミュニケーションズ(本社:愛知県春日井市、代表取締役社長:鈴木隆志)は、自社が運営する点検・整備等を含めた包括的サービス「メンテナンスリース」における、月平均6万台以上の点検・整備件数および費用を分析し、新型コロナウィルス感染症の流行が自動車整備業界に与えた影響を公表しました。


ナルネットコミュニケーションズでは、オートリース会社を中心とするさまざまな企業が月々、定額で自動車の維持管理をアウトソーシングできる「自動車メンテナンス受託」を事業の柱のひとつに据えており、現在の総管理台数は13万台を超えています。

2020年1月以降、世界中に広がった新型コロナウィルス感染症の流行は多くの業種・企業に影響を及ぼしており、自動車整備業界、オートリース業界も例外ではありません。今回、新型コロナウィルス感染症流行前の2019年度(2019年4月~2020年3月)と、それ以降の2020年度(2020年4月~2021年3月)、2021年度(2021年4月~2022年3月)の点検・整備費用等を比較することにより、コロナ禍が自動車整備業界に与えたインパクトを分析しました。


稼働台数および総点検・整備費用は純増

ナルネットコミュニケーションズが管理するリース車両の台数は年を追うごとに増えており、月ごとの稼働台数(当社にてメンテナンス受託している車両数)を集計した年間稼働台数も約67万台(2019年度)から約69万台(2020年度)、そして約75万台(2021年度)へ約12%増加しています。年間稼働台数の増加率の推移をグラフで表したものが図1です。なお、この間に日本の新車販売台数は15%程度減少していることと比較すれば、当社自動車メンテナンス受託事業は堅調と言えます。

図1




コロナ禍で消耗品の交換件数が低下

車種別の年間稼働台数を見ると、「乗用車」「軽自動車」「バン」は増加の一途を辿る一方で、「トラック」は漸減しています。点検・整備費用については、2019~2021年度の各年度において全車種で漸増していました。

点検・整備費用の細目を分析したところ、多くの項目で整備件数および費用(工賃+部品)が増加していたものの、新型コロナウィルス感染症が流行し始めた2020年度については、消耗品の代表格であるエンジンオイルおよびオイルフィルタの点検・整備費用が、「軽自動車」を除いて減少していることが判明しました。各車種における増減の度合いを示したグラフが図2~図5です。なお、2021年度に入ってからは減少に歯止めがかかり、点検・整備費用は増加に転じています。

図2




図3




図4




図5



2020年度は、新型コロナウィルス感染症の流行に伴う緊急事態宣言や外出自粛要請などの影響で、通勤や顧客・社内の対面による面談を目的とする自動車の使用が控えられたことにより、「乗用車」「バン」の交通量が顕著に減少。そのことが、エンジンオイル等の消耗品の交換の頻度やスパンに影響を与えたと推察されます。交通量の減少は事故整備の減少につながりますが、今回の分析からはそれを示唆する結果は得られませんでした。軽自動車については、コロナ禍による販売台数の落ち込みが他車種より少なく、かつ回復も早かったためか、稼働台数の低下がみられず、そのことが整備費用の伸びた原因と思われます。また、軽自動車は一度に乗り合わせる人数が少ないと想像でき、感染リスクが低い点など、使用形態の差も作用したと考えられます。


巣ごもり需要の拡大が、トラックの整備費用に影響?

図6は「トラック」の総稼働台数と点検・整備費用の増減率の推移を示したグラフです。

図6


総稼働台数は減少しているにもかかわらず、新型コロナウィルス感染症の流行が始まった2020年度以降、点検・整備費用は増加しています。いわゆる「巣ごもり需要」でインターネット通販等の宅配荷物が急増したことにより、トラック輸送のニーズが増加。国土交通省の調査(※)では、2021年度のトラック輸送トン数は2019年度に比べ3.7%増加、宅配便貨物個数は13.8%増加しています。これに比例して、「トラック」の一台あたりの走行距離が伸び、整備機会が増えたと推察されます。
※参照元: https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001483673.pdf

今回の整備費用データの分析により、コロナ禍が自動車整備業界や物量業界に大きな影響を及ぼしたことがあらためて浮き彫りとなりました。

ナルネットコミュニケーションズでは、メンテナンスを受託した車両の整備状態を常に適切に保ち、かつ入庫に伴うユーザーの手間を省いて、リーズナブルなコストでサービスを提供できるよう、長年積み重ねたノウハウを活かして効率的な管理を実施しています。今回、公表した数値以外にも各車の整備費用や内容のデータを逐一集積して、合理的な自動車メンテナンスを整備工場を通じて提供しています。

契約内容や点検スケジュール・実施状況をインターネットを通じて提供する車両管理システム『なるほどネット』を導入しているほか、万一のトラブルにおいても、24時間365日、 緊急ロードサービスのエキスパートが顧客第一主義で対応する『緊急ロードサービス』をご利用いただけます。


ナルネットコミュニケーションズについて

ナルネットコミュニケーションズは、愛知県を本拠地とする自動車メンテナンス受託管理会社です。1978年「日本オートリース」として誕生後、徐々に事業を拡大し、オートリース会社に対する車両管理・メンテナンスや残価保証、個人向けリース商品の企画・提案、車両買取などを実施しています。



全国約10,000カ所以上の提携工場に管理車両のメンテナンスを委託、本社で車両情報を一元的に管理し、効率的なデータ収集や顧客対応を実施しています。少ない入庫回数で充分なサービスを行うことで車両稼働率を向上させ、自動車ユーザーの利便性を高めるほか、独自の整備データベースに蓄積した整備記録に基づくメンテナンス料算出を行うことで整備工場の業務効率化を支援しています。




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樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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