生産終了も今なお人気のトヨタ エスティマは歴代モデルすべてが挑戦的なモデルだった!? 復活するなら水素自動車か!?

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2019年に惜しまれながらも生産終了となったトヨタ エスティマ。じつは現在も中古車市場で高値で取引されるほど、未だ人気が衰えないモデルである。エスティマの歴史を紐解くと、初代から一貫して常に挑戦を繰り返した画期的なモデルでもあるのだ。そこで今回はエスティマの功績を振り返るとともに、新型エスティマに期待したいことを考えてみた。結論から言えば、復活があるならば新型エスティマは水素自動車になる可能性大なのだ!

目次[開く][閉じる]
  1. 30年弱続いたエスティマ! 歴代全てのモデルが画期的だった
  2. 現在のミニバンの常識を作ったのは初代エスティマ!? 好評のあまり5ナンバーサイズモデルも追加
  3. エコカー黎明期にハイブリッドモデルを設定! 2代目エスティマはプリウスとは異なるハイブリッドシステムだった
  4. 3代目モデルは約13年も生産! アルファードの台頭で生産終了に
  5. エスティマ復活なら水素自動車になる可能性大

30年弱続いたエスティマ! 歴代全てのモデルが画期的だった

トヨタのラージミニバン「エスティマ」が販売終了となり、まもなく2年となる。絶版は残念であったが、3世代に渡って30年近く続いたエスティマは歴代すべてのモデルが挑戦的なミニバンであり、ここではその歴史を振り返ってみた。

現在のミニバンの常識を作ったのは初代エスティマ!? 好評のあまり5ナンバーサイズモデルも追加

1990年に登場した初代エスティマは現在のミニバンという名称すら存在しない時代であった。当時は「商用車ベースのワゴン車」あるいは「1BOXカー」と呼ばれていた時代に“高性能ニューコンセプトサルーン”をコンセプトに開発された。

このコンセプトの実現のため、初代エスティマで採用されたのがエンジンを1列目シート下に75度傾けて搭載し、補器類は独立した短いボンネットに置くというミッドシップレイアウトだった。

完成度はピカイチも、当初は小排気量エンジンを搭載する予定だった!?

初代エスティマはエンジンの小型化が目論見ほど進まず、想定通りとはならなかったところもあったのも事実である。このレイアウトにより当時の1BOXカーとはまったく違うノーズを持つスタイル。そして高い衝突安全性、重量配分の適正化による高い走行安定性と楽しいハンドリング、低床化によるウォークスルーと広いキャビンを得た。

さらに初代エスティマは未来的な内外装に加え1992年には5ナンバーサイズとしたルシーダ/エミーナの追加もあり、人気車となった。

コストが嵩み画期的なパッケージングは初代のみ

当初は2.4リッターのNAガソリンエンジンでスタートした初代エスティマはパワー不足というユーザーからの声が多かった。

だが特殊な設計であったために、V6エンジンのような大きなエンジンは積めず、スーパーチャージャーの追加で対応するなど自由性に欠けるていたのだ。そしてコストの高さにより、画期的なパッケージングは初代エスティマ限りとなった。

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エコカー黎明期にハイブリッドモデルを設定! 2代目エスティマはプリウスとは異なるハイブリッドシステムだった

2000年登場の2代目エスティマはシルエットこそ初代モデルに近いものであったが、オーソドックスなFFレイアウトとなり、V6エンジン搭載車も設定された。

しかし、トヨタのハイブリッドカーとしては初代プリウスに続く第二弾となる、エスティマハイブリッドが2001年に追加された。

2代目エスティマのハイブリッドモデルは、当時はトヨタもハイブリッドのシステムを決めきれないところもあったのか、初代プリウスの2モーターとなるTHSとは異なるCVTを使った1モーターのTHS-Cを採用していた。

後輪はモーター駆動! 今の電動車に似た仕組みだった

また2代目エスティマに設定されたハイブリッドモデルの4WDはプロペラシャフトを持たず、後輪はデファレンシャルに内蔵されたモーターで駆動。ハイブリッドカーはモーターでタイヤを駆動することも生かし、VSCを使った緻密な四輪の制御も行うという先進的なものであった。

給電機能など現在でも通じる先進機能も

さらに2代目エスティマのハイブリッドは100V1500Wの給電機能も備えていたほか、モデリスタの手による移動オフィス仕様となるモバイルオフィスも設定。

2003年のマイナーチェンジでは2代目プリウスに先駆けて現代のハイブリッドカーでは当たり前となった駆動用バッテリーの電気を使ってエアコンを作動させる電動エアコンも採用されていた。

しかし、THS-Cは2代目エスティマのハイブリッドで実用化されたものの、総合的な性能ではプリウスに採用されたTHSに軍配が上がったのだ。画期的なシステムだったにもかかわらず、2代目エスティマのハイブリッドと初代アルファードハイブリッド限りとなったのはちょっと残念でもある。

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3代目モデルは約13年も生産! アルファードの台頭で生産終了に

2006年登場の3代目エスティマは2代目モデルのキープコンセプトで、ハイブリッドシステムはTHS2となるなど、正常進化であった。

3代目エスティマの販売は好調だったが、アルファード&ヴェルファイアが現行モデルとなった2015年あたりから下降が始まった。それでも8年間は十分売れたのだから大成功とも言える。そして2016年に延命措置に近いビッグマイナーチェンジを行い、2019年に絶版となってしまった。

エスティマ復活なら水素自動車になる可能性大

エスティマは特に初代モデルの画期的なパッケージング。そして2代目モデルに設定されていた、現在の方式とは異なるハイブリッドモデルの追加など、挑戦的なミニバンであった。だからこそ、今後もしエスティマの復活があるなら燃料電池や水素エンジンのミニバンなどとして、また世の中を驚かせてほしい!

>>エスティマ生産終了から2年! 後継車は未だ現れず 未来的な卵型フォルムはEVやFCVとなってよみがえる!?

【筆者:永田 恵一】

トヨタ/エスティマ
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333.2万円398.9万円
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19.8万円368.7万円

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永田 恵一
筆者永田 恵一

1979年生まれ。26歳の時に本サイトでも活躍する国沢光宏氏に弟子入り。3年間の修業期間後フリーランスのライターとして独立した。豊富なクルマの知識を武器に、自動車メディア業界には貴重な若手世代として活躍してきたが、気付けば中堅と呼ばれる年齢に突入中。愛車はGRヤリスと86、過去には日本自動車史上最初で最後と思われるV12エンジンを搭載した先代センチュリーを所有していたことも。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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