【燃費】マツダ デミオ [ガソリン車・4代目] 燃費レポート/永田恵一(1/5)
- 筆者: 永田 恵一
新型デミオ 1.3リッターガソリンエンジン搭載モデルの実燃費をテスト!
現行モデルで4代目となるマツダのコンパクトカー「デミオ」は、高いユーティリティ性を誇った初代と2代目、スタイリッシュかつ軽量化に挑んだ先代モデルとなる3代目と、ここ20年ほど浮き沈みが激しかったマツダを車格という意味も含んで底辺で支え続けたモデルである。
2014年9月に登場した新型デミオは、日本カー・オブ・ザ・イヤーを獲得するなど、未だに話題に上る車となっている。また、2012年に登場した「CX-5」から本格的に開始したクリーンディーゼル搭載が目玉にもなる「スカイアクティブ戦略」を、新型デミオでも踏襲している。
CX-5以降に登場したマツダ車は、そのインパクトの強さからクリーンディーゼル搭載車が目立つ傾向ではあるが、今回は様々な意味での基準となる「デミオ 1.3リッター ガソリンエンジン搭載車」の燃費テストを行った。
新型デミオのコンセプトは3代目までのデミオとは異なり、「クラスレスなコンパクトカー」を掲げている(クルマにおける“クラスレス”とは、サイズや予算とは関係なく「魅力があって自分のものにしたいから」という前向きな理由で多くの人に買ってもらえるという意。いろいろ見方はあるとは思うが日本車ではフィットやスイフト、輸入車ではVWポロが代表的な存在だ)。
このコンセプトの実現のためにマツダが掲げた目標は、“スタイリングと品質感”“走りと燃費”“ロングレンジドライブ”という3つの要素を高い次元でバランスさせることであった。
前述した“走りと燃費”“ロングレンジドライブ” に大きく関係する機能面に関しては、マツダが「車全体で走りと燃費を向上させる」という意味でも提唱している「スカイアクティブコンセプト」を踏襲。
先代に比べ、最高出力、最大トルク共に大幅に向上した新型デミオ
「デミオ 1.3リッターガソリンエンジン搭載車」のエンジン自体は、燃費と動力性能の向上に大きく貢献する高圧縮比化、主に燃費向上に寄与するミラーサイクル、アイドリングストップの採用が目立つ先代デミオのビッグマイナーチェンジの際に加わったスカイアクティブと基本的に同様のエンジンが使用されている。
だが、先代デミオでは燃費の目標値達成のために諦めた面があった動力性能は、最高出力が先代モデルの「84PS」から「92PS」へ、最大トルクも「11.4kg・m」から「12.3kg・m」に向上(トルクは全域でも5~10%向上)した。
トランスミッションは、日本車のミドルクラス以下ではもはやほとんどマツダだけとなっている通常のAT(デミオを含むマツダの場合はロックアップ領域を拡大させ、MTのようなダイレクト感と燃費向上を実現した6速AT)と、5速MTを設定。結果、カタログに載るJC08モードは6速ATで「24.6km/L」を誇り、1.3リッターガソリン+6速ATのFF車はエコカー減税では取得税、重量税ともに免税が適応となる。
今回のデミオ 1.3リッターガソリン車の燃費テストでは、ホワイトレザーとクロスのシートなどを装備するトップグレードの「デミオ 13S Lパッケージ」の6速AT(JC08モード燃費24.6km/L、176万400円)を起用。
今回のデミオ 燃費テスト車は非常に「紛らわしい」仕様に
ちなみに、現行デミオはフロントグリルのマツダエンブレムの左右にあるガーニッシュが赤になるのが基本的にディーゼルエンジン搭載車の証なのだが、13S Lパッケージはそのガーニッシュがボディカラーと同色になるのも特徴だ。
そのため、(これはあまり役に立つ情報では無いかもしれないが)13S Lパッケージで今回のテスト車のように赤を選ぶとガーニッシュも赤となり、前から一見したところではガソリン車なのにディーゼルのデミオに見える。そのため、デミオディーゼルのオーナーであり、自動車メディアで有数の現行デミオマニアを自負する筆者は勝手に「紛らわしいデミオ」と呼んでいる仕様である。
テストは少々旧聞となるが、昨年2014年10月9日の午前9時頃にスタートし、午後6時頃帰京するというスケジュールで、次回掲載予定のデミオディーゼル(6速AT)と同時に行った。
テスト中の天候は曇り時々晴れで、最高気温24度。交通状況は平均的な流れであった。
燃費測定の基本ルール
・燃費の測定は、車両に純正搭載されている車載燃費計を使用
・スピードは流れに乗ったごく一般的なペースで走行
・車両の状態もエアコンは快適に過ごせる温度(オートエアコンなら25度)に設定
・走行モードが選択できる場合にはノーマルモードを選んで走行
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