三菱自が満を持して投入する新型SUVに“エクリプス”の名前を復活させた理由

三菱自が満を持して投入する新型SUVに“エクリプス”の名前を復活させた理由
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三菱自動車において久々のニューモデルとなるのが“エクリプス クロス”だ。すでにスペックを含めた詳細がネット上にアップされているが、同記事ではリリースに出ていない情報をお届けしたい。

三菱のクロスオーバーSUVはASX(日本名RVR)とアウトランダーがラインナップされているが、エクリプス クロスはこの隙間を埋めるモデル・・・ではなく、新たな提案を行うモデル。そういう意味では、SUVのスペシャリティモデルと言うわけだ。ちなみに車名(エクリプス)は、三菱ファンなら懐かしい名前の復活である。

商品企画を担当する林祐一郎氏は「このモデルはクーペのSUVですが、社内でも『クーペと言えばエクリプスでしょ』と言うことで、車名はスンナリと決まりました。北米の三菱ファンの方には『あのエクリプスとは全然違うじゃないか』と言う意見もありましたが、クロスオーバーSUVのスペシャリティクーペと言う意味ではぴったりなネーミングだと思っています」と語る。

エクステリアはダイナミックシールド第2世代のフロントマスク、ウエッジシェイプのサイドビュー、アグレッシブなリアスタイルを採用。最近のクロスオーバーSUVは有機的なデザインが多いが、エクリプス クロスは三菱らしい直球勝負で筋肉質のカチッとしたデザインが逆に新鮮に見える。

実は、ボディカラーもこだわりのポイントで上塗り工程を2回行う新色の高彩度レッドを採用。正式なネーミングは現在検討中だが、個人的にはマツダの“ソウルレッド”に対抗するには“レッドダイヤモンド”がふさわしいかな、と(笑)

インテリアは悪路走行や車両感覚の掴みやすさにも役立つ三菱伝統の水平基調のデザインを踏襲するが、デザイン/質感共に大きく進化しており開放感と安心感を両立。また、三菱初となるヘッドアップディスプレイや薄型ディスプレイオーディオ、タッチパッドコントローラーなど、最新デバイスも積極的に採用している。

クーペと言うことで居住性はいまいちではと思われがちだが、リア席は十分なヘッドクリアランスに加えてロングスライド&多段階リクライニングなどにより、見た目以上に広く快適な空間が確保されている。

パワートレインはガソリンモデルが三菱初のダウンサイジングターボとなる1.5リッター直噴ターボ+8速スポーツモードCVT、ディーゼルは低圧縮ディーゼルの2.2リッターターボ「DI-D」+8速ATの2タイプ。日本仕様はディーゼルが先行発売される予定なのだそう。

「PHEVは搭載できる/できないと言う意味で言えば搭載は可能ですが、エクリプス クロスはクーペですので、内燃機関の魅力を提案していきたいと考えています」

プラットフォームはアウトランダーがベースだが、骨格の剛性アップや3点止めのストラットタワーバー、構造用接着剤の採用などエクリプス クロス専用に手が入っている。

「構造用接着剤は2017モデルのアウトランダーSエディションに採用されていますが、元々はエクリプス クロスのために開発した技術です。これは投入タイミングの差なので、個人的にはちょっと悔しいです(笑)」

体幹を鍛えた車体に最適なサスペンションチューニングにより、ダイレクト感や安定性のみならず、快適性や静粛性にもこだわっているそうだ。

また、AWDシステム「S-AWC」は電子制御AWDにAYCブレーキを追加した最新版で、走行条件や路面環境に合わせてAUTO/SNOW/GRAVELの3モードを用意する。個人的にはハンドリングの部分はエクリプスと言うよりもランエボDNAが受け継がれていることを期待したい。

ちなみにエクリプス クロスの企画は2013年頃からスタート。当時、クロスオーバーSUVクーペは他メーカーからも登場していなかったので、このカテゴリーの先駆者となるはずだったが、一連の問題で投入が遅れてしまった。

しかし、投入時期が遅れたことで、従来のタイミングでは間に合わなかった技術や工法、そして細かい部分までのこだわりなどを盛り込むことができたそうだ。

日本の投入予定は来年初めを予定しているので、クロスオーバーSUVを購入検討中の人は、ちょっと待った方がいいかもしれない。

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山本 シンヤ
筆者山本 シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車雑誌の世界に転職。2013年に独立し。「造り手」と「使い手」の両方の気持ちを“解りやすく上手”に伝えることをモットーに「自動車研究家」を名乗って活動をしている。西部警察は子供時代にリアルでTV放送を見て以来大ファンに。現在も暇があれば再放送を入念にチェックしており、当時の番組事情の分析も行なう。プラモデルやミニカー、資料の収集はもちろん、すでにコンプリートBOXも入手済み。現在は木暮課長が着るような派手な裏地のスーツとベストの購入を検討中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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