ライバルはBMW「M4」と名指し! AMG C63Sクーペは「M」と何が違うのか!?(2/4)
- 筆者: 桂 伸一
- カメラマン:メルセデス・ベンツ日本
ゴロゴロと舵音サウンドが今ひとつ、日本上陸までに変わるか!?
話を戻すと、Dレンジに入れたまま軽快に勢い良く進む走行特性に注文はない。ただ、クーペ故にチューンしたエキゾーストサウンドは、フラップが開くと敢えて4気筒の鼓動を変えようとしたのか、音量こそ抑えめだが、ゴロゴロと鳴る舵音サウンドが今ひとつ。
エンジニア氏にそう伝えると、すでに他国のジャーナリストからも指摘されたのだろう、否定をしなかったので、まだ変わる可能性はある。
走行モードを「スポーツ+」にすると、ステアリングの中立から切り始めの反力が増えたのはいいとして、サスがヒョコヒョコとピッチング方向にショックアブソーバーが硬くなる傾向。
さて欧州で発売され日本上陸までの時間に、そのあたりがどう変わるのかが興味深い。
試乗コースのメッカ「アスカリ」で待っていたのは…
約90km走行して、渓谷の都市ロンダを目指すが本当の目的地はその近郊にある“アスカリ・レース・リゾート”である。そこは中速型レイアウトのサーキットで1周5.4km。様々なコーナーが用意され、温暖な気候とコースの途中を何カ所にもショートカットできるため、ドライビングアカデミーや欧州メーカーもテストや試乗会、撮影等も開かれている試乗コースのメッカ。
アスカリで待っていたのは「AMG C63Sクーペ」だった。パワートレイン、その他チューニング箇所も基本的にC63Sセダンに準ずるが、改めて言うと、エンジンは4リッターV8ツインターボ、510ps/700Nmを多板クラッチ操作の7速AMGスピードシフトMCTと組み合わせる。
Sには振動とダイレクト感をコントロールするダイナミックエンジンマウント、電子制御LSD。より仕事量が多いフロントにはコンポジット製390mmディスク、リア360mmのスチールと使い分けるブレーキシステム(欧州仕様試乗車)。
サスペンション形式はフロント4リンク、リア5リンクだが、クーペではリアサブフレームをよりワイドなモノに交換して、ワイドなタイヤ/ホイールによる、コーナリング限界、つまり強い横力に耐える横剛性とトー変化を抑えるジオメトリーが抜群の相性を生みリアの接地安定性をさらに高いモノにした。
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