マツダの屋台骨「アクセラ」大改良!多岐にわたる改良と新技術搭載でどう変わったのか(2/4)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:和田清志
1.5リッターディーゼル搭載の注目グレードの印象
まずはアクセラスポーツ15XDプロアクティブだ。5ドアボディに1.5リッターのディーゼルを搭載する注目のグレードになる。
外観の変更点は分かりにくいが、主に前後のバンパー付近の形状が変わり、鋭角的な印象が少し弱まった。フロントグリルは以前と同様の五角形だが、バンパーの最下端を水平に近づけることで、見栄えを安定させている。
1.5リッターのディーゼルは、最高出力が105馬力(4000回転)、最大トルクが27.5kg-m(1600~2500回転)を発生する。この数値はCX-3と同じで、ナチュラルサウンドスムーザーも装着した。ピストンに組み込まれたパーツで、ディーゼルエンジン特有の振動を打ち消す役割を果たす。
さらにアクセラでは、1回の行程で数回に分けて行われる燃料噴射のタイミングを、1万分の1秒単位で制御して、エンジンの加振力と構造系の共振を互いに打ち消す工夫も施した。排気ガスを燃焼室に再循環させるEGRも改良され、アクセル操作に対する反応を機敏にしている。
もともとマツダのディーゼルエンジンは静粛性が優れ、振動も小さかった。それでも改良前の仕様に比べると、1500~2500回転付近でアクセルペダルを緩く踏み増したり、閉じたりする状況では音質が丸くなっていた。
Gベクタリングコントロールとは
動力性能は1.5リッターのディーゼルでも実用的には十分。2WDの車両重量は1360kgだから、CX-3に比べると100kgほど重いが、中/低回転域の駆動力が高いために運転しやすい。ディーゼルでは高回転域の吹き上がりも良く、最高出力は前述のように4000回転で発揮するが、タコメーターを見ると5000回転以上がゼブラゾーンだ。
操舵感では前述のG-Vectoring Controlが注目される。ハンドルを切り込んだ瞬間にアクセル開度を絞り、前輪に荷重を与えることで、車両の向きを変えやすくする。逆にカーブを曲がり終えてハンドルを直進状態に戻す時は、駆動力を高めて後輪に荷重を加え、後輪側の接地性を高める。
ただし、この制御はきわめて細かく行われ、減速の仕方は0.01Gくらいだ。通常の穏やかな減速の10%以下だから、非装着車とあえて乗り比べないと違いは分かりにくい。加減速が大きい時も差が生じることはなく、フットブレーキを使っている時には機能自体が作動しない。
特にアクセラの売れ筋グレードには、カメラセンサーを使ったレーンキープアシストが用意され、車線の中央を走りやすいようにハンドル操舵の支援を行う(ライントレース機能)。これが作動している状態でカーブを曲がる時は、ハンドルが自分で回ろうとする動きが目立ってしまう。
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