ジープ チェロキー・ラングラー 雪上試乗レポート/山本シンヤ(4/4)
- 筆者: 山本 シンヤ
- カメラマン:阿部昌也
世界を代表する“ヨンク”
翌日、白馬からFCAジャパン本社までは、軍用四輪駆動車として誕生したJEEP直系のラングラーの4ドアボディモデル「ラングラー・アンリミテッドスポーツ」に乗る。トヨタ ランクル70やメルセデス・ベンツ Gクラスと並ぶ、世界を代表する“ヨンク”の一台だ。
「実用性のために4ドアにしました」と言うものの、フレーム構造、前後リジットサスペンション、副変速機付きパートタイムAWDとシンプルな構造は“機能性”と“信頼性”が第一。道なき道を走ることを最大の目的としているので、積雪路面であってもコンディションのいい白馬“ごとき”ではその能力の一部しか発揮できない。ただ、シンプルで武骨なスタイリングが雪道に非常にマッチする。
ドライビングスキルを育てるクルマ、「ジープ ラングラー」
舗装路では、従来モデルよりも乗り心地が柔らかくなっているが、シートバックが立ち気味のリアシートに座っていると路面からの突き上げは結構来る。ハンドリングはフレーム式特有のゆるい、スロー、捻じれ…と言ったいわゆる昔のヨンクの乗り味である。ボディサイズは全長4705×全幅1880×全高1845mmと大柄だが、スクエアなスタイルなので四隅の把握がしやすい。取り回し性は想像するほどは悪くはない。ただし、最小回転半径は何と7.1m…。
もちろん、乗用車のように乗ってしまえばダメな部分はたくさんあるのだが、クルマの特性とシッカリと対話しながら“ゆっくり”、“スムーズ”、“静か”に操作をすれば、クルマは素直に応えて綺麗に動く。
「ドライビングトレーニングにはスポーツカーが一番」と言う人もいるが、スポーツカーは成り立ちから含めて基本性能が高いので、ドライバーのミスが起きにくいし、クルマもカバーしやすい。そう、クルマが凄いのか、ドライバーが凄いのかが解りにくい。
その点ラングラーはドライバーの操作がクルマの挙動に大きく表れる。それは一般道の街乗りレベルでも体感可能だ。そういう意味ではラングラーは「ドライバー養成マシン」、「運転が上手くなるクルマ」と言ってもいいだろう。コイツを上手に運転することができれば、普通のクルマも上手に運転できるはずだ。
手法は異なってもJeepブランドのDNAは共通
閑話休題、パワートレインは284ps/347Nm のV6 3.6リッターに5速ATの組み合わせ。瞬発力はないが実用域のトルクが太いので、2040kgの車重にもパフォーマンスで不満は感じなかった。目を三角にして高速道路を疾走すると言うより、クルーズコントロールをセットして、直進時のふらつきを上手にドライバーがステアリングで修正しながら粛々と走る…というのがラングラーらしい乗り方だと思う。ちなみに燃費は約10km/Lと、予想を超えた燃費だったのも報告しておこう。
JEEPを名乗りながらも、チェロキーとラングラーは全くの別のクルマである。ただ、手段や方法が異なってもJEEPブランドのDNA「もっと遠くへ」、「もっと自由な世界へ」という考えは共通だ。4代目マツダ ロードスターは「守るために変えていく」が開発キーワードになった。そういう意味では、“変わらない”ラングラーがあるからこそ、チェロキーは大きく“変わる”ことができたと思う。それはランクル70に対するランクル プラド/200、メルセデス・ベンツ Gクラスに対するGLクラスも同じ考えだと思う。
[レポート:山本シンヤ/フォト:阿部昌也]
JEEP チェロキーLimited 主要諸元
全長x全幅x全高:4630x1860x1700(mm)/ホイールベース:2700mm/車両重量:1900kg(サンルーフ付)/乗車定員:5名/駆動方式:4WD(オンデマンド式4輪駆動)/ステアリング位置:右/使用燃料:無鉛レギュラーガソリン/エンジン種類:V型 6気筒 DOHC ガソリンエンジン/総排気量:3238cc/最高出力:272ps(200kW)/6500rpm/最大トルク:32.1kg・m(315N・m)/4300rpm/燃料消費率:8.9km/L[JC08モード燃費]/タイヤサイズ:225/55R18/メーカー希望小売価格:4,611,600円[消費税8%込]
JEEP ラングラー・アンリミテッドスポーツ 主要諸元
全長x全幅x全高:4705x1880x1845(mm)/ホイールベース:2945mm/車両重量:2020kg/乗車定員:5名/駆動方式:後2輪・4輪駆動 (選択)/ステアリング位置:右/使用燃料:無鉛レギュラーガソリン/エンジン種類:V型6気筒 DOHC ガソリンエンジン/総排気量:3604cc/最高出力:284ps(209kW)/6350rpm/最大トルク:35.4kg・m(347N・m)/4300rpm/燃料消費率:7.5km/L[JC08モード燃費]/タイヤサイズ:245/75R17/メーカー希望小売価格:¥3,790,800円[消費税8%込]
愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!
-
一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?
これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。
-
一括査定は本当に高く売れるの?
これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は最短3時間後、最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。