ジープ チェロキー・ラングラー 雪上試乗レポート/山本シンヤ(1/4)
- 筆者: 山本 シンヤ
- カメラマン:阿部昌也
新生FCAジャパン初のフルラインナップ試乗会が開催!
1925年に設立された「クライスラー」と1899年に設立された「フィアット」が完全統合され、2014年10月に「FCA(フィアット・クライスラー・オートモーティブ)」が誕生。世界7位の自動車グループとして経営が一本化された。本社統合に伴い日本法人も2015年1月1日に「FCAジャパン」へと変更。
この二つのメーカーの統合の経緯を語ると長くなるのでここでは省略するが、プロダクトに関して言うと、「小型~中型」が得意なフィアット/アルファロメオ/アバルトに対して、大型~SUVが得意なクライスラー/JEEPと、お互いにない物を補充し合うという意味では、意外と理にかなっているのかな…という気もしている。
そんな新生FCAジャパン初となるオールラインナップ試乗会が開催された。通常の試乗会とはちょっと異なり、東京・三田にあるFCAジャパン本社から軽井沢を経由し、1998年の長野オリンピックの会場にもなった八方尾根スキー場のある白馬までの往復約600km、1泊2日のショートトリップだ。
ちなみに試乗車はFCAジャパンのフルラインナップ(アルファロメオ/クライスラー/フィアット/JEEP/アバルト)から各編集部で自由に選択が可能なのだが、「雪国に行くならSUVじゃないですか!!」というオートックワン編集部・T氏の一言で、今回はJEEP祭りになった(笑)。
アメリカンスタイルにイタリアの美的感覚が加わった!?
FCAジャパンから軽井沢までは「JEEP チェロキーLimited」をセレクト。チェロキーと言えば、日本でも1984~2000年まで発売された2代目(XJ型)は、日本の道でも持てあまさないボディサイズ、ボクシーでシンプルなデザイン、モノコックボディの採用に加えて、右ハンドルモデルのラインナップや当時SUVを持たないホンダの販売網での販売、300万円前後の魅力的なプライスなどにより、アメリカンSUVとしては稀にみる大ヒットモデルとなった。しかし、3代目/4代目(北米ではリバティと呼ばれた)は懐古主義的なスタイルやSUVブームの終焉により、2代目のようなヒットにはならず…。
心機一転となる5代目の現行モデルは、JEEP伝統の7スロットグリルや台形ホイールアーチなどのデザイン要素は継承されてはいるものの、スクエアなボディから一転して曲面を多用した大胆なスタイルに刷新された。イタリアの美的感覚が色濃く加わったのだろうか!?
また、従来モデルは縦置きの後輪駆動ベースのAWDだったのだが、5代目は横置きFFのプラットフォーム(何とアルファロメオ・ジュリエッタと共通)を採用。つまり、5代目チェロキーの「全身フルモデルチェンジ」は、クライスラー/フィアット統合の成果が色濃く反映されているというわけだ。
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