THE NEXTALK ~次の世界へ~ 本田技研工業 グローバルテレマティクス部 サービス開発室 主任 野川忠文 インタビュー(5/5)
- 筆者: 御堀 直嗣
- カメラマン:佐藤靖彦
正しくあるかないかが大事
インターナビ事業室の若手の一人として、インターナビ開発を牽引する野川忠文の座右の銘とは?
「正しくあるかないかが大事」という姿勢で仕事に取り組む、野川忠文は、インターナビの将来についてどう考えているのか?
【野川忠文】インターナビも、カーナビゲーションではありますが…変わってきたのは、「車載インターフェイス」と言うべき存在になって、通信を介してサーバーとつながって、大きな世界とつながる大きな窓ということ。しかも、クルマとクルマの関係も出てきて、クルマ全体で情報化していくことをやっています。自分のやっているこの領域で、クルマの世界を変えていきたい。そのための進化の余地は大いにあります。
ただ、進化というのは、実際には少しずつ変わっていくものなので、普段は気づかないでいるかもしれません。自然につながっていって、気付いたらインターフェイスを使っていて、改めて振り返ったときに「最近のクルマは便利になったね!」って、そう思ってもらえるものかもしれません。いずれ、「昔のクルマはたいへんだったんだねぇ~」と、言ってもらえるようなクルマ社会にしていきたいですね。
世の中を変えるには、日本だけでなく、世界を変えなければならない。ホンダだけでというのではなく、互いに切磋琢磨していくことで、さらにモビリティの世界が変わって、いまでは想像もできない世界が生まれてくれればいいなと思います。
野川忠文の話に、走り、曲がり、止まるとか、ファン・トゥ・ドライブという言葉は出てこない。
しかし、「つながる」をキーワードに語られたインターナビの話は、クルマで出掛けたいという気持ちを起こさせた。クルマが従来なかった機能を備え、ますます人の役に立っていくことで、クルマが世間で改めて見直されるようになっていく。
インターナビの進化や電気自動車の備えるビークル・トゥ・ホーム(電気自動車から家庭への電力供給)のような新しい価値は、ともに21世紀のクルマの魅力を切り拓く鍵のような気がする。
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