強いHonda愛ゆえのアツい<NSX論>/ホンダ 新型NSX 試乗レポート(1/4)

強いHonda愛ゆえのアツい<NSX論>/ホンダ 新型NSX 試乗レポート
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河口まなぶが語り尽す! 強いHonda愛ゆえのアツい<NSX論>

ホンダ 新型NSX 公道試乗レポート/河口まなぶ

ホンダ新型NSXの車名は”ニュー・スポーツ・エクスペリンス”の略だという。では果たして、新型とはいったい何者なのか。新しいNSXがみせてくれるはずの“これまでなかった体験(エクスペリエンス)”とは。初代NSXに感銘を受け、実際に所有もしてきたモータージャーナリストの河口まなぶさんがあえて語る、強いHonda愛ゆえのアツい<NSX論>。じっくりとご覧あれ。

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相変わらず世間からの関心が高い ”Honda”ブランド

ホンダ 新型NSX 公道試乗レポート/河口まなぶ

ホンダというブランドに対する世の中の期待がとてつもなく大きいことは、ホンダの人間ではない僕ですら、痛感する。

僕、河口まなぶのYoutubeチャンネル[LOVECARS!TV!]や、Yahoo!ニュースでホンダを扱った時のインパクトは実に強烈だ。最近ではS660が登場した時のYoutube動画は再生数が100万回を超えたし、Yahoo!ニュースはトップページを飾ったほど。さらにwebでアクセスが追えるレポートをチェックすると、それこそ「ホンダ」について記しているだけで、ある一定以上のアクセスがあるほどだ。

これはかつて、アメリカの新聞に「Apple」の文字があると新聞の売り上げが増える、と言われたことと同じような感覚だろう。

21世紀にホンダとAppleを並べるのも今っぽくなくて(今ならテスラとDJIだろう)アレだが、言いたいことはどちらにも強い期待感がある(あった)という点。その期待感とはつまり、我々が想像だにしなかった、世の中を変えるような<新しい何か>をもたらしてくれるだろう、というような種類のものである。

1990年、日本車のビンテージイヤーに誕生した初代NSX

ホンダ 新型NSX 公道試乗レポート/河口まなぶ

今から26年前の1990年、ホンダは[NSX]というモデルを世に送り出した。NSX=ニュー・スポーツX、つまり新世代のスポーツカーの未知数である。そしてそれは国産初のスーパーカーといえる存在だった。

ちなみにこの時、ホンダはF1で世界を席巻しており、まさに黄金期と呼ぶに相応しい時代だった。会社の規模は現在よりはるかに小さかったが、商品と活動はホンダ、そして日本を世界に知らしめるに相応しい、強烈なインパクトを持っていたのだった。

ちょうどこの頃、日本車は世界の頂点に立った、と言われていた。国内生産台数が1000万台を超え、バブル景気に彩られた1989年には、日産はR32型 スカイライン GT-Rを世に送り出し、マツダはユーノス ロードスター(現・マツダ ロードスターの初代モデル)を送り出した。そしてこの前後数年の間に登場した名車を上げたら枚挙にいとまがない。まさに日本車の当たり年、ビンテージイヤーだった。

ホンダ 新型NSX 公道試乗レポート/河口まなぶホンダ 新型NSX 公道試乗レポート/河口まなぶ

そうした中で初代ホンダNSXの存在は、日本のみならず世界で見ても際立っていた。なぜならばそれは、世界初となるオールアルミのモノコックボディという、未曾有の斬新な構造を採用していたからだ。

NSXはその全てが、当時のスーパーカーたちと違っていた。乗り手がクルマに合わせて窮屈な姿勢を始めとする環境に合わせるのではなく、人間工学に基づいた優れた環境でのドライビングを可能としていた。

また同時にキャッチコピーが「緊張ではない、解放するスポーツだ」とされたこともあって、誰もが運転できるスーパーカーとも言われた。

確かにNSXは運転しやすいスーパーカーだったが、多くの人が知らなかったのはその奥に、きちんとスポーツカーとしてのロジカルな設計および走りと、マン・マシン・インターフェイスを極めた先にある究極のドライビング・マシンとしての優れた中身を備えており、操れる者にとっては圧倒的に奥深く味わい深い領域を実現していたことだった。

初代NSXは、世界のスポーツカーの固定概念を強烈なまでに”崩壊”させたイノベーターだった

ホンダ 新型NSX 公道試乗レポート/河口まなぶ

ホンダがNSXで実現したのは、それまでの固定観念に縛られた世界を崩壊させ、新たな価値観でスポーツカーの世界を再構築したことだろう。事実、NSXの登場以降、フェラーリはそれまでに比べると圧倒的に進化したモデルであるF355を送り出したし、ポルシェは911を993型へと進化させる際に、様々な旧来的なものと別れを告げた。そしてゴードン・マーレイは、NSXにヒントを得て名車マクラーレンF1を設計したのは有名な話だ。

知らない人も多いだろうが、実はNSXはスーパースポーツというよりも、ミドルクラスのスポーツカーというコンセプトで開発された。つまりポルシェやフェラーリのベーシックなモデルと同等かそれ以下のクラスである。にも関わらず、このクルマは世界中のスポーツカーやスーパースポーツに影響を与えることとなったわけだ。

こうした流れは、AppleがiPodとiTunesで音楽機器と音楽業界を新たなものに再定義したことにも似ている。これまでの価値観や固定観念を崩壊させ、その先の世界を全く新たな概念で再構築した。

黄金のHonda F1第二期もまた、世界を大きく変えた

ホンダ 新型NSX 公道試乗レポート/河口まなぶホンダ 新型NSX 公道試乗レポート/河口まなぶ

そしてこれは、黄金のF1(第二期)にもいえたことだった。当時ホンダがF1で強かった大きな理由として、他にはないテレメトリー(走行データの遠隔測定機能)を駆使していたことが挙げられる。

当時のF1は多くがレーシングチーム中心だった中で、ホンダは数少ない自動車メーカーであり、その中でも最新の機器を投入していた。テレメトリーによる詳細な分析が、マシンを強いものへと進化させた。もちろんドライバーも素晴らしいラインナップだったが、それ以上にF1の固定観念を崩壊させ、新たな価値を定義したからこその強さでもあった。

そう、ホンダの強みはこれまでにないモノを歴史と伝統ある場所に持ち込んで、それらを崩壊させる別の価値観で他を圧倒する、という部分にあったわけだ。

初代ホンダNSXと、第二期ホンダF1はその点で共通していた。つまり他人と同じ土俵には乗らずに、新たな土俵を作りあげ、新たな価値観で他を圧倒する存在だった。

そしてこれは、ホンダをホンダたらしめる要素で他の分野でも同じだ。その後、市販車の世界ではオデッセイで他を出し抜きミニバンの主役に躍り出た。フィットで小型車のパッケージングを革新させた経緯もある。そして自動車に止まらず、アシモというロボットで世の中を驚かせ、ついにはジェット機も作ってしまった。

前置きがかなり長くなったが、そうした歴史を経て今のホンダがある。そしてそんなホンダが、新たなNSXを世に送り出した。

そんな風にこれまでの経緯からすれば、いかに凄いクルマが登場するのか!? と誰もが思うのが自然な成り行きだ。

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河口 まなぶ
筆者河口 まなぶ

1970年生まれ。大学卒業後、出版社のアルバイトをしたのちフリーランスの自動ライターとなる。1997年に日本自動車ジャーナリスト協会会員となり、自動車専門誌への寄稿が増え、プレイステーション「グランツーリスモ」の解説も担当。現在、自動車雑誌を中心に一般誌やwebで自動車ジャーナリストとして活躍。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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