“駆けぬける歓び”オンリーBMW 徹底比較(3/4)

“駆けぬける歓び”オンリーBMW 徹底比較
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期待を超える上質感と居住空間

インパネフロントシート

ボディが従来よりもひとまわり大きくなったことで、居住性とくに後席の空間や荷室容量が拡大された。ホイールベースが長いので、後席のニースペースにだいぶ余裕がある。おしりを落とし込ませて身体を斜めに座らせ、広く使う設定となっている。

5シリーズは、基本はドライバーズカーだと思うが、後席の居住性も高く確保されている。リアサイドウインドウに手動式の、リアウインドウに電動のサンシェードが備わるあたりにも、それが表れている。

ラゲッジルームも広く、フロアが低いことに加えて、奥行きがたっぷりあり、ゴルフバッグを縦に積めそうなほど。その点は、同じく居住空間の拡大を図った3シリーズに比べてもアドバンテージである。

530iに標準のダコタレザーのシートは、質感が非常に高い。

大きなメーターフードと、その横に連なるモニターのフードがあり、シフトもジョイスティック風の新しい方式を採用している。センターコンソールはあまり強調せず、横方向の広がりを強調したような構成となっている。

上質、高級感がある、ステアリングにはチルト&テレスコピックを電動で調節可能な機構を装備。パネルは独特の上質感がある。

また、5シリーズでは、エアコンの調節ダイヤルのクリック感もより上質になっており、iDriveのダイヤルの触感も違う。さらに、ヘッドアップディスプレイ、ナイトビジョン、車線逸脱警告システムなどの上級装備も設定されている。

リアシートラゲッジメーターシフトガラスルーフ

巧みなパッケージング

インパネフロントシート

5シリーズとの共通性が見て取れるインパネは、メーターフードには2眼メーターが見やすく収まり、ダッシュのセンターにはモニターが備わる。

横一文字にパネルを通し、横方向の広がりを感じさせながら、あくまでドライバーをメインにレイアウト。シンプルな中に、素材とデザインの面白さを感じさせる。

シートやトリム、インパネの素材はいろいろな仕様が選べるところも興味深い。

数値面での向上もあるが、実用上も確実に広くなったことを感じさせる室内空間は、パッケージングの巧みさを感じる。

3シリーズの後席でも、おしりを低く落とし込ませるとともに、背もたれを寝かせることで、成人男性が乗っても狭さを感じないような設定とされている。また、後席にもエアコン吹き出し口が設定されている。

ツーリングでは、大面積の開口部を持つガラスルーフが選べるところもメリットだ。これだけ広いおかげで、後席乗員もその恩恵を十分に味わえる。

ラゲッジルームは、アンダーボックスも充実している。BMWのツーリングらしく、ガラスハッチは単独で開閉可能。開けると自動的に開くトノカバーもBMWらしいアイデアで、実用上でも、重宝する。

リアシートラゲッジメーターシフトガラスルーフ

「プレミアム」を名乗るに相応しい仕立て

インパネフロントシート

インテリアデザインは、他の上級シリーズとの共通性もあるが、1シリーズのみデザインテイストがだいぶ違う。また、当初はなかった取材車両のハイラインパッケージが設定された。レザーの上質感など、プレミアムコンパクトを名乗るに相応しい空間が構築されている。やはりBMWたるものエントリーモデルといえども、こうした質感にユーザーは期待するはずだろう。

iDrive&ナビのモニター画面は、固定式ではなく、ダッシュ中央で転回するタイプ。インパネは、センターコンソールを運転席側に微妙に傾けたレイアウトで、直線部分を極力つくらず、同クラスではライバルにないエキゾチックなイメージを与えるものとなっている。

後席は、頭上空間はさすがにそれほど広くないが、成人男性でも十分に乗れる。コンパクトサイズの中で、デザインだけでなくスペースユーティリティにも配慮したことが伺える。

テールゲートはBMWエンブレムの上部を押すと開く。ラゲッジスペースはそこそこ広く、実用上は問題ない。フロア下にはアンダーボックスがあるほか、フロア全体を掘り下げたような形状とすることで容量を稼いでいる。

リアシートラゲッジメーターシフトガラスルーフ

内装・装備の総評

エクステリアデザインとのバランス、BMWらしさなど、インテリアも興味深いデザインを見せている。5シリーズと3シリーズには共通性が多く見て取れる。1シリーズは、デビュー当初はもう少し高級感のある仕様があるといいと思っていたが、のちに追加された。

3シリーズは、従来の5シリーズと比べても遜色ない居住空間がある。

やはり、1、3、5とクラスが上がれば、それ相応の上質感が備わり、居住空間も向上するわけだが、その上質感は、視覚的な部分だけでなく、たとえば空調やiDriveのダイヤルなど、触って感じる部分にも配慮されていることがわかる。

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岡本 幸一郎
筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

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