独プレミアム・コンパクト・クロスオーバーSUV 徹底比較(4/4)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:堤晋一
「SAV」の意味するところ
このカテゴリーの先駆者であるX3は、後発モデルのベンチマークになったことはいうまでもないが、あらためて乗っても、その素性のよさに感じ入る。シルキーな直列6気筒エンジンに、前後50:50を意識した前後重量配分、SUVを感じさせないハンドリングなど、運動性能と快適性の両立ぶりはさすがのものがある。
また、ボディサイズについても、好みの問題はあるだろうが、X3ぐらいのサイズが日本で使うにはもっとも無理がないのではと思える。
見た目にはオフローダーを想起させる無骨さもあり、「xDrive」という先進的な4WDシステムを身に着けてはいるが、本命はあくまでオンロードでのスポーティな走りにあるといえる。“SAV”を標榜する意味がうかがい知れるモデルである。
今回の試乗でも、現役モデルとして第一線にいることを、あらためて痛感させられた次第である。
アウディが評価されている要素が凝縮
近年アウディのブランドイメージが、BMWやメルセデスと肩を並べるところまで成長してきたことで、X3やGLKの対抗馬としてのQ5への注目度もかなり高くなっていることだろう。
クルマ自体の実力は十分に高く、後発モデルとしての強みもあるだろうし、アウディが評価されている要素が凝縮している。とくに、オンロードでの軽快で安定した走りが印象的だ。
ただし、悪路や低μ路では少々気を使うべき要素も見受けられなくはない。Sトロニックはダイレクト感には優れるが、駆動力をかけたときの最初の一歩は、ATのほうがスムーズでイージードライブが可能である。
ちなみに、取材車両のNAの3.2L V6モデルの下に、リーズナブルな2L直噴ターボモデルもラインアップし、ピークトルク値では逆転現象も起きているほどだが、ターボエンジンは、過給の安定しない低回転域のドライバビリティにおいて、悪路や低μ路ではどうしてもシビアな部分が顔を出すのは否めない。
最終的にはESPが助けてくれるので走破性に不安はないが、舗装路ではあまり気にならない話だが、クルマの素性として、そうした部分を持ち合わせているのもQ5である。 また、2トン近いボディに2Lターボという組み合わせは、単にイメージ的にも物足りない印象がある。3.2L V6モデルのほうがオールマイティに使えるであろう。
ひと味違うメルセデス
いつしか非常に多くの車種をラインアップするようになったメルセデスは、SUVタイプのクルマについても、たんに大・中・小ではなく、それぞれに相応しいキャラクターを与えている。
内容的にはMLクラスの弟分というほうが近いが、「G」の称号を与えたあたりに、メルセデスがGLKクラスに込めた意図が垣間見える。それは、このクルマのエクステリアデザインにも表れている。
675万円という価格は、メルセデスのラインアップの中では、Cクラスでは上のほうとなり、Eクラスにはやや届かず、MLに比べるとだいぶ安い。そんな中で、定番をあえて外した、ひと味違うメルセデスを、比較的リーズナブルに味わえるという意味でも、GLKの存在意義はあると思う。実際、乗用モデルから乗り換えても、あまり違和感のないドライブフィールに仕上がっている。
左ハンドルしか選べないことは、販売を考えると弱点であることは否めないが、X3やQ5では選べない左ハンドル仕様が、このクラスで選べるという見方もできると思う。
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