独プレミアム・コンパクト・クロスオーバーSUV 徹底比較(1/4)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:堤晋一
SUVというカテゴリーでは、いつしかトラックではなく乗用車をベースとしたクロスオーバーの割合が増えていった。やがて、ボディの大きなものから小さなものまで、非常に多くのモデルが存在するようになった。
BMWでは、まず1999年(日本導入は2000年秋)に、5シリーズをベースとするX5を発売。独自の「SAV(Sports Activity Vehicle)」というコンセプトを標榜し、成功を収めた。その成功を礎に、のちに3シリーズをベースとするSAVであるX3を投入した。X3は、ある程度ボディサイズの大きなモデルが主流だったプレミアムSUVのカテゴリーで、初めてのコンパクトなモデルである。また、Cセグメントクラスの乗用車をベースとするクロスオーバーSUVの中で、プレミアムという概念を持つものは存在しなかった。そんな中で送り込まれたX3は、プレミアム・コンパクト・クロスオーバーSUVのパイオニア的存在として、予想を上回るヒット作となった。2006年秋に内外装のデザインやトランスミッションを変更。このほどグレード名が変更された。価格は、「X3 xDrive25i」が570万円、「X3 xDrive30i」(取材車両)が645万円。
アウディでは、これまでA6をベースとするオールロードクワトロというSUVライクなモデルをラインアップしていたことに加え、Q7という大型クロスオーバーをラインアップ。その弟分にあたるQ5が加わった。ちなみに、発売のタイミングがフォルクスワーゲン・ティグアンの直後であり、さらにはこれまでのアウディとVWの関係からして、ティグアンの兄弟車と勘違いしやすいところだが、実際は全く異なる。Q5は、縦置きのエンジンレイアウトとしたA4/A5とプラットフォームを共有するクロスオーバーである。当初の日本導入モデルは、「Q5 2.0TFSIクワトロ」(価格569万円)と、「Q5 3.2FSIクワトロ」(価格660万円)の2グレード。
メルセデスは、古くからGクラスをラインアップしたことに加え、最近ではMクラスやGLなどのSUVを充実させていた。その最後発モデルとなるのが、GLKで、2008年秋に発売。日本に導入されるのは、3L V6エンジンを搭載する「GLK300 4MATIC」のみで、左ハンドル仕様のみの設定となる。価格は675万円。それなりに価格は高いが、X3をベンチマークとして、GLK、X3の最もセグメントされたこのカテゴリーに対する注目度はけっして低くはないだろう。
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