4座スペシャリティクーペ最新事情 徹底比較(2/4)

4座スペシャリティクーペ最新事情 徹底比較
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パワフルながらジェントルでスムーズ

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吸気バルブの作動角とリフト量を連続可変制御することで、吸気抵抗を低減し、応答性を高めるというVVELを採用したVQ37VHRは、最高出力245kW(333ps)、最大トルク363Nm(37kgm)を発生し、全域で力強くフラットにトルクを発揮する。

今回、ATが5速から7速となり、ステップ比が細分化されたことで、より効率よくスムーズな走りを身につけた。

ロックアップ領域を拡大しながら滑らかにつなぐスリップロックアップという制御を加えたことで、ダイレクト感の向上と燃費の向上を実現し、ドライバビリティが上がっている。ただし、Zとの差別化からか、エンジンフィールはいくぶん大人しめで、ATの変速レスポンスもつめておらず、リラックスして乗れる味付け。また、室内に伝わるサウンドも控えめとなっている。静粛性は今回の3台の中でも最良だ。

日本車離れした雰囲気のあるエクステリアは、輸入車勢にも負けない存在感があり、華やかなイメージを持つ。

タイプS系は、フロントバンパーやサイドシルスポイラーが異なり、4輪アクティブステア、スポーツチューンドサス、4輪アルミキャリパー、19インチタイヤなどが与えられる。アクティブステアに過度な演出はなく、ステアリングレシオの速さも適度で、リアステアも違和感なくチューニングされている。フラットライドを意識した印象のフットワークは、Zに比べるとずっと大人しい味付けで、他の2台と比べてもジェントルといえる。

また今回、ボディパネルのほとんどに、時間の経過により小キズが自然に消えるスクラッチシールドを採用したこともニュースだ。

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MTのダイレクト感をATのイージードライブで

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M3に続いて、オーソドックスな美しいクーペフォルムを持つ3シリーズの2ドア上級モデルである335iクーペとカブリオレにも、ダブルクラッチ式の7速スポーツATが与えられた。

軽量マグネシウム合金製クランクケースを採用した3L直6の高精度直噴エンジン+ツインターボは、最高出力225kW(306ps)、最大トルク400Nm(40.8kgm)という、BMWのストレート6で歴代最強といえるパフォーマンスを発揮。

従来と比べギアが1段増えた7速スポーツATは、MTなみのダイレクト感と、ATなみのイージードライブの見事な両立ぶりに感心させられる。シフトチェンジは極めて素早いながらも、M3よりもマイルドなつながりで扱いやすい。操作に合わせてギアだけがスッとスムーズに移り変わる。過給機付きエンジンながら、ブリッピングも極めて素早く正確だ。

珠玉のエンジンを、さらにあますところなく味わえるようになった。また、燃費もだいぶ向上しているように思われた。

クリープもATと遜色ないほど自然な仕上がり。ゼロ発進の初期のゲインを落とし、そのあとにグッと加速Gが立ち上がるようになっている。これは演出というよりも、機構的な宿命でもあるのだろう。乗り心地もよく、フラットライド感が高い足まわりは、速めの入力を上手くいなしつつ、大きく挙動が変化しそうになったらグッと抑える味付け。アクティブステアも洗練され、直進性と俊敏性とを巧みに調律させている。

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マスタング初のグラスルーフ採用

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45台限定で発売されたマスタングの「45THアニバーサリー」は、4.6L V8エンジンを搭載したV8 GTクーペ プレミアムをベースに、マスタング初となるグラスルーフを採用したのが最大の特徴。これが外観上の識別点でもある。

また、ボディサイドには、2009年モデル全車に装着される「45TH Anniversary」のスペシャルエンブレムが付く。ボディカラーは、パフォーマンス・ホワイトと、専用色アロイ・メタリック(写真)の2色が用意される。このスタイリングには、もはや説明の必要もないだろう。ロングノーズ&ショートデッキ、前後ランプの意匠など、誇り高き初代マスタングのアイデンティティを受け継ぎ、ファンの期待に応えている。

あえて旧来の手法を踏襲した、フロントストラット、リア3リンクコイル式のサスペンションを持つシャシーは、上記2モデルとはまったく異質だが、大排気量FR車らしい豪快なハンドリングを楽しめる。ただ、登場時に比べると、非公式ながら改良が加えられたのか、微妙に洗練されたような気がするも、さだかではない。

OHVではなくSOHC化されたオールアルミ製4.6L V8エンジンは、スタートした瞬間から猛々しいクランキング音を発し、踏めば現代的なアメリカンV8サウンドを轟かせる。マスタングとしては控えめになったといわれるが、男らしいV8サウンドは、他の車種とは一線を画する。5速ATとの組み合わせで、ルーズながら扱いやすく、終始リラックスしてドライブが楽しめる。

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デザイン・スペックの総評

いずれもエンジンが魅力的である。3.7L V6、3L直6ターボ、4.6L V8となるが、洗練という点では、BMWのエンジンの素晴らしさが特筆できる。トランスミッションも、7速AT、7速の2ペダルMT、5速ATとなっており、BMWはフットワークを含め走り全般の洗練度も高く、ドライブしていても、いいところばかりが見えてくる印象であった。

スカイラインも、従来よりずいぶん進化した。Zとの差別化から、やや控えめにした走りの質感は高い。また、3.7Lという排気量ながらも、比較的燃費に優れる点もお伝えしておきたい。上記2台とは反対に、マスタングは持ち前のクラシカルなテイストを残しつつも、それをモダンに表現したところに価値があると思う。

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岡本 幸一郎
筆者岡本 幸一郎

ビデオ「ベストモータリング」の制作、雑誌編集者を経てモータージャーナリストに転身。新車誌、チューニングカー誌や各種専門誌にて原稿執筆の他、映像制作や携帯コンテンツなどのプロデュースまで各方面にて活動中。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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