これが新型スカイライン!? インフィニティ QX55 VCターボに乗った! 日産副社長「スカイラインはあきらめない」発言の裏にあるものは!?

  • 筆者: 工藤 貴宏
  • カメラマン:NISSAN・MOTA編集部
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日産が海外に展開する高級ブランド“インフィニティ”の最新モデル「インフィニティ QX55」に乗る機会を得た! エレガント過ぎるスタイリングと日産の最先端技術VCターボの組み合わせは相当に高レベルな仕上がり。そしてなにより、隠れた名車「スカイラインクロスオーバー」をほうふつとさせる雰囲気があった。

さて“スカイライン”といえば、日産 星野副社長の「スカイラインをあきらめない」発言がファンの間で物議を醸している。果たして、長い歴史を持ちファンも多い「日産 スカイラインの未来」は、一体どうなっていくのだろうか。モータージャーナリストの工藤 貴宏氏が、スカイラインの今後について読み解いていく。

>>これが次期スカイライン!? 日本で売られていない日本車「インフィニティ QX55」を写真で見てみる[画像84枚]

目次[開く][閉じる]
  1. これぞ“技術の日産”! 日本では未発売の日産「VCターボ」エンジン搭載車が気持ち良過ぎだった
  2. むむむっ! これは格好良すぎだろ! 「インフィニティ QX55」をなぜ日本で売らない!?
  3. 日産星野副社長「スカイラインはあきらめない」発言の裏にあるものとは
  4. 日産は“あきらめず”にFRプラットフォームの新規開発について検討すべきではないのか

これぞ“技術の日産”! 日本では未発売の日産「VCターボ」エンジン搭載車が気持ち良過ぎだった

先日、日産の「VCターボ」と呼ばれる日本未発売の新開発エンジンに触れる機会があった。VCとは可変圧縮のことで、圧縮比が変化するというエンジンの常識を覆す仕掛け。日産はすでにアメリカや中国でそのエンジンを積んだクルマを販売していて、もちろん量産車としては世界初の技術である。

走行状況によって圧縮比を変更し、効率のいい領域とパワーを出す領域を切り替えできる特長により、しっかりとパワーが出つつ燃費のいい走りを実現している。「VCターボ」という名前のとおり、ターボも組み合わせている。

それに関してはすでにMOTAにもレポートがアップされているのでぜひチェックして欲しいが、ひとことだけ感想をいえば圧縮比の切り替えはとてもスムーズで、気持ちよく走行できるエンジンに仕上がっていた。久々に「技術の日産」というフレーズが頭に浮かんだのは、ここだけのナイショだ。

むむむっ! これは格好良すぎだろ! 「インフィニティ QX55」をなぜ日本で売らない!?

さて、当日は日産のテストコースにVCターボエンジンを搭載した試乗車が何台か用意されていた。「アルティマ」や「ローグ」とともに並ぶ、エレガントなSUVが気になった。「インフィニティ QX55」だ。

ムムムッ。漂う「スカイラインクロスオーバー」の香り。

本当なら次期エクストレイルに相当する「ローグ」に全力で意識を向けないといけない状況かもしれないけれど、ボクはこのQX55が気になって仕方がなかった。北米においても、今年2021年の春に正式発表されたばかりで、デリバリーがはじまってからまだ2ヶ月程しか経過していないバリバリのニューモデルだ。

早すぎた悲運の名車「スカイラインクロスオーバー」

ところで、「スカイラインクロスオーバー」と聞いてもピンと来る人は少ないかもしれない。

デビューは2009年7月。V36型スカイラインと基本構造を共有するクロスオーバーSUVながらホイールベースはセダンより50mm短く、5ドアハッチバックながら後席は割り切り。セダンよりも狭く「クーペよりはちょっと広いね」といった程度だった。いずれにせよ、過去には「スカイライン」と名が付くSUVが存在したのだ。実用性よりも雰囲気重視のSUVで、スカイラインの新しい提案だったといってもいいだろう。

そして美点はハンドリング。限界性能ではもちろんセダンやクーペにかなわないものの、ステアリングフィールや挙動は「スカイラインシリーズの中でベスト」といわれたほど。SUVとはいえ走り自慢なのが、なんともスカイラインらしい。

惜しかったのは、日本においてはちょっと時代が早すぎたこと。当時はまだSUVもごく一部の車種しか盛り上がっておらず、「高級クロスオーバーSUV」というジャンルには誰もピンと来なかった。今なら、もっと注目されたことだろう。

ただ、「スカイラインクロスオーバー」というのはあくまで仮の姿で、本命はやはり北米向けの「インフィニティEX」だ。北米ではスカイラインは「インフィニティ Gシリーズ」として販売され、それと同格のクロスオーバーSUVというポジションだった。

流麗なクーペスタイルが美しすぎる「インフィニティ QX55」

さて、時を現代に戻してQX55である。顔つきは日産顔ではなくインフィニティ顔だが、違和感なく受け入れられるのは「フーガ」、そしてマイナーチェンジ前のV37スカイラインがこのテイストの顔だったからだろう。

全長は約4.7mで、プロポーションは流麗なクーペスタイル。ちょっと控えめに言っても、かなりエレガントで美しい。

乗り込んでからもビックリした。ダッシュボードには2枚のディスプレイが組み込まれていて、上はナビ表示用、下は空調や車両制御をはじめとする各種設定用。そのディスプレイの脇には、エアコンの温度設定など頻繁に操作する物理スイッチが配置されていて操作性はすごぶる良好だ。いずれも、スカイラインと同じテイストである(「インフィニティとして統一している」ともいう)。

これはまさに、スカイラインクロスオーバーの再来ではないのか? そう感じたのはボクだけだろうか。プラットフォームがFF系というのはひとまず置いといて……。

日産星野副社長「スカイラインはあきらめない」発言の裏にあるものとは

ところで先日、スカイラインの将来に関する報道やコメントがクルマ好きの間で盛り上がった。「スカイラインの次期モデルは開発しない」というスクープ情報が上がると、それに対して日産自動車の星野 朝子 執行役副社長が「スカイラインは諦めません」とコメントしたのだ。

それにしても「諦めない」ってどういうことだろう?

“あきらめない”発言の裏にある「いま、新型スカイラインを開発しています」とは主張出来ない状況

確実にいえるのは「次のモデルもしっかり開発しています」と胸を張って言える状況ではないということだろう。そして素直に受け止めれば「すぐに生産をやめたりはしない。現行型を改良して熟成させていく」ということではないかと思う。フルモデルチェンジをするには「プラットフォーム問題」を解決しなければならないからだ。

現行型となるV37型スカイラインに使われているプラットフォームは「FMプラットフォーム」とか「新世代FR-Lプラットフォーム」と呼ばれるタイプだが、デビューはV36スカイラインで2006年のこと。もう15年近く経っているので、スカイラインがフルモデルチェンジするとなるとプラットフォームを刷新すると考えるのが普通だろう。

今あるFRシャシーは15年以上使われてきたものだが、新規FRプラットフォームの開発は極めて難しい状況にある

しかし現在、日産には新しいFRプラットフォームがない。スカイラインやフーガとその輸出モデル(スカイラインクーペに相当するQ60を含む)のためだけに新しいプラットフォームを作るという決定ができるだろうか?

「SUVに使えばいい」と思うかもしれないが、実はインフィニティも含めて、SUVのプラットフォームはFFもしくはラダーフレームの縦置き用を使ったモデルしかないのが現状だ。“スカイラインクロスオーバーっぽい”QX55も、FF系のエンジン横置きプラットフォームである。

そう考えていくと……スカイラインの次期モデルは相当難しい状況に置かれているのがわかる。「スカイラインがFFでもいい」というのなら話は早いが……それを許さないファンのほうが多いだろう。

日産は“あきらめず”にFRプラットフォームの新規開発について検討すべきではないのか

ただ、打開策がないわけではない。

新規のFRプラットフォームを開発してスカイラインやスカイラインクーペをフルモデルチェンジし、インフィニティ系のSUVもその後輪駆動プラットフォームで作るという手法だ。むしろ、諦めることなくこの方法で次期スカイラインを作って欲しいと、スカイラインファンのひとりとしては思わずにはいられない。

やっぱり…スカイラインはFRのセダン&クーペでないと!

「SUVの時代だからスカイラインもSUVに」という声もあるし、QX55を「スカイラインクロスオーバー」的に日本で売るのも悪くはない。

しかし、やっぱりスカイラインはセダン&クーペであって欲しいと思うのは……気がつけばボクも年を重ねてつまらないオジサンになってしまったからということなのだろうか。

[筆者:工藤 貴宏/撮影:NISSAN]

日産/スカイライン
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新車価格:
435.4万円644.5万円
中古価格:
28万円990万円

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工藤 貴宏
筆者工藤 貴宏

クルマ好きが高じて在学中から自動車メディア業界に足を踏み入れ、気が付けば四半世紀。自動車雑誌編集者から編集プロダクション勤務を経てフリーランスの自動車ライターとして独立。自動車関連の雑誌やウェブで活躍している。モットーは「そのクルマは誰を幸せにするのか」。使い勝手などユーザー目線の記事を得意とする。永遠のスポーツカー好きで愛車はフランス製のホットハッチとディーゼルエンジンを積んだSUV。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。記事一覧を見る

監修トクダ トオル (MOTA編集主幹)

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